2021年08月02日
by 和平フレイズ株式会社 |
公開:2021.08.02 18:40 更新:2021.10.04 16:23
ご家庭にあるフライパンの大半は、よく「テフロン加工」とよく呼ばれる「ふっ素樹脂加工」が施されたフライパンかと思います。
世界で初めて調理器具に加工された商品が「テフロン加工」という呼び名を使っていたため、現在でも「ふっ素樹脂加工を」「テフロン加工」と呼ばれる方も多いようです。
そして、ふっ素樹脂加工のフライパンにこんなイメージをお持ちではないでしょうか?
「最初はツルツル滑って使いやすかったけど、だんだん焦げつくようになる」
「安いけど長持ちしない」
「使い捨て感覚で使っている」
でも、ちょっと待ってください!
ふっ素樹脂加工のフライパンは正しい使い方をするだけで長く使うことができるんです!
「ふっ素樹脂」は簡単に言うと、
こびりつきにくい成分を含んだ、ものすごく高温に耐えられる塗装被膜です。
フライパンの内面にこの塗装を施すことで、食材を焦げつかせることなく調理できるようになります。
すべりが良く、こびりつきにくいので買ってすぐに良さを体験できます。
手入れも楽で、使い勝手がよいので、日常使いに向いています。
使用していくとふっ素樹脂塗膜に傷がつき剥がれたり、薄くなります。
これにより食材がくっつき、焦げつくようになります。ふっ素樹脂の寿命です。
※画像は傷がついてしまったフライパンのふっ素樹脂塗膜
ここからはふっ素樹脂加工をなるべく長持ちさせる使い方と、ふっ素樹脂加工が劣化してしまう原因を合わせてご紹介していきます。
フライパンは余熱の段階から、中火の火力をおすすめします。
ふっ素樹脂加工のフライパンの多くは熱伝導の良い「アルミニウム合金」のため、中火でもじゅうぶん加熱できます。
また、過度の空炊きや高温調理を長く続けると、ふっ素樹脂加工の表面が傷み寿命が早まります。
<フライパンの空炊きってなに?>
フライパンの中に何も入れない状態で加熱することです。
空炊きになりやすい食材は特にないですが、大きなフライパンで少量の調理をした場合、食材が乗っていない部分が空炊き状態になりやすいです。
分量に合わせたサイズのフライパンを使っていただくことをおすすめします。
また、油を薄く塗るだけでも空炊きを抑える効果があります。
※画像は空炊きに近い状態
ふっ素樹脂加工を急激な温度差から守るため、油を入れてから点火する順が好ましいです。
油を引いて、加熱したフライパンを軽くひとまわしします。
油のとろみ(粘性)がなくなり、サラサラとフライパンの中で水のように動き始めたら、調理開始の合図です。
フライパンのパッケージに「金属ヘラOK」の表示があれば金属製のツールも使用可能です。
ただ、先のとがった金属へらなどで故意に力を込めると、傷がついたり、ふっ素樹脂加工がはがれやすくなります。
木べらや樹脂製のツールは、先端がとがったものが少なく、傷をつけにくく、ふっ素樹脂加工に優しいといえます。
ふっ素樹脂加工のフライパンに料理を入れたまま保存することは基本はNGです。
特に塩分の強い調理物を入れたままにすると、
ふっ素樹脂加工の表面にある目に見えない小さな穴から塩分がしみ込んで、下地の金属を腐食(さび)させてしまいます。
その結果、ふっ素樹脂が浮き上がり、剥がれの原因になります。
ただし、簡易的な保存であれば大きく性能を損ねることはありません。
時間でいうと一晩を目安にしてください。
ふっ素樹脂加工の表面が傷んでしまう原因となります。
水をかけてジューッ!となるのはまだ温度が高い証拠。
しばらく置いて冷めてからお手入れをしてください。
フライパンで調理後は、食器用洗剤でスポンジなどやわらかい材質の物を使い、表面を軽くこすると汚れが簡単に落ちます。
みがき粉など、研磨剤入りのものは使用しないでください。
糖分・こげ等が固まったしまった場合はぬるま湯などを少し入れ、柔らかくしてから、柔らかいスポンジでこすり洗いしてください。
食器用スポンジのざらざらした面で洗浄すると、ふっ素樹脂の表面をやすりで削っているのと同じで、塗膜が薄くなっていくため寿命が早まります。
熱源がガス火・IH問わず、火に当たりやすい部分から焦げつきが早くなる傾向があります。
一つの目安として、焼きそばがこびりつきやすくなってくるとふっ素樹脂加工が劣化している可能性が高いです。
また、焦げつく場所や焦げつかない場所がまだらに出てくる場合も、ふっ素樹脂加工の劣化が始まっている目安となります。
油を使用すればそのままでも使用は可能ですが、ふっ素樹脂塗膜がさらに劣化してしまいます。
世界で初めて調理器具に加工された商品が「テフロン加工」という呼び名を使っていたため、現在でもふっ素樹脂を「テフロン加工」と呼ばれる方も多いようです。
テフロンというのはふっ素樹脂コーティングの種類の1つです。
元々のベーシックなふっ素樹脂が誕生して数十年、塗装皮膜はさまざまな生活・調理用途に合わせて日々進化しています。
一般的にふっ素樹脂加工と呼ばれているものは皆さんよくご存じかと思いますので、ここのところよく見かける新しいふっ素樹脂加工について、いくつか代表例と特徴をご紹介します。
金属ツールなど使っても傷がつきにくくするように、下地塗装にセラミック粉など、硬い材質を混ぜ込み、磨耗に強くしたものです。
内面加工にハードコートを使用したフライパンはこちら。
ハードマイティ IH対応フライパン
ハードコートの進化版、ふっ素樹脂にダイヤモンドの微粒子粉末を入れたものです。
内面加工にダイヤモンドコートを使用したフライパンはこちら。
ダイヤモンド・ライト ガス火専用フライパン
ハードコートの一種です。はんてん状にふっ素樹脂を塗ることで、表面に凸凹が出ます。これが食材と点当たりになるため、耐久性が向上することが特徴。
見た目が石(大理石)のように見えるため、マーブルコートと呼ばれています。
内面加工にマーブルコートを使用したフライパンはこちら。
ダブルマーブルコート ガス火専用フライパン
それぞれに特徴があり、一概にどれが優れているとは言い難いですが、よりくっつきにくさを好まれるのであれば、上記で説明した比較的新しいハード系より一般的なふっ素樹脂系の方が良い傾向にあります。
ただし、ふっ素樹脂系は傷もつきやすく、耐久性という点では比較的早期に寿命が来てしまいます。
ハードコート系は耐久性を重視しながら「くっつきにくさ」を必要十分なレベルにしたものが多くなっており、少量の油を使っていただければくっつかず快適にお使い頂けます。
100%とは言いませんが、価格が高いものほどふっ素樹脂加工が長持ちするといってよいでしょう。
ふっ素樹脂加工だけでなく、使っている下地の金属の違いや厚みなど、さまざまな要素によって値段は変わってきます。
価格の高いものは耐久性も考慮した素材や塗装工程の管理が徹底されているためです。
耐久性を示す一つとしてよくパッケージなどにかかれている「○○万回」というのを目安にしてもいいかもしれません。
耐摩耗試験は、公的機関で定められた検査です。
金属のヘラをこすりつけて、ふっ素樹脂がなくなるまでの往復回数を示すもので、数字が大きいほど「塗膜が長持ちする」と思っていただければ間違いではありません。
ただし、数字が大きいものがすべていいとは言えません。
前段のように短期間でもいいので、できるだけ油を使わずに滑る調理がいいのであれば、わざわざ価格の高い数字が大きい物を選ばすとも、一般的なものを早いサイクルで買いかえたほうがいい場合もあります。
今回はふっ素樹脂加工フライパンについてご紹介しました。
この記事を参考に、ふっ素樹脂加工のフライパンの長持ちにチャレンジしてみてください!
提供元:和平フレイズ 株式会社
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