2021年01月11日
by ヤマハモーターパワープロダクツ株式会社 |
公開:2021.01.11 11:40 更新:2021.10.04 16:23
雪を集めて飛ばす、除雪機のしくみをご紹介します。
エンジン動力のトラック(無限軌道)で駆動する本体を、人間が歩きながら操縦。積もった雪を本体前方の回転式オーガ部(集雪口)で掻き集めて吸い込み、煙突状のシュート(投雪部)から数メートル先へ吹き飛ばします。
除雪機のエンジンは、オーガやインペラを動かして集雪・投雪を行うための動力と、走行のための動力を同時にまかないます。
※「YU240ゆっきぃ」は集雪・投雪のみエンジン動力を使い、走行は人力(手押し式)で行います。
トラックは、クローラまたは無限軌道とも呼ばれるベルト状の走行装置です。自動車などの車輪よりも接地面積が大きく、表面はギザギザの山型パターンになっているため、雪面で沈み込んだり滑ったりせず、着実に走行できます。
※「YU240ゆっきぃ」は手押し式のため、ソリと補助ホイールを備えています。
使用者が除雪機の進行方向をコントロールするための支持装置。旋回機能(イージーターン、フリーターン、サイドクラッチ)を使用する場合でも、使用者はハンドルを通じて旋回状況をつかむことができます。
ハンドル周辺には、走行、旋回、集雪・投雪の各機能を操作するレバーやスイッチが集中配置されています。製品によって種類、操作方法が異なるので注意が必要です。
最近のヤマハ除雪機は、すべて「2ステージ・オーガ・ブロア」という除雪機構を採用しています。ちょっとわかりにくい表現ですが、2ステージとは2段階(2工程)式を意味し、オーガはらせん状の回転刃で地面に積もった雪を掻き取る集雪装置のこと。ブロアは掻き取った雪をインペラという回転翼(羽根車)で勢いよく吹き飛ばす投雪装置。つまり2ステージ・オーガ・ブロアとは、「オーガで雪を集めてブロアで飛ばす2段階システム」であることを示しているのです。
煙突型のシュートもブロア機構の一部で、インペラが吹き飛ばした雪をひとつの方向にまとめる整流装置。勢いを損なわず、スムーズに狙ったところへ投雪するための形状、構造、材質など随所にヤマハならではのノウハウが生かされています。
かつて大型除雪機YT1811Eシリーズに採用された「2ステージ・2段オーガ・ブロア」は、豪雪地域や道路脇の吹き溜まりなど深い積雪に対応するため、オーガを上下2組備えたものです。また、初期の家庭用除雪機YSM250では、本体を小型化するためオーガとインペラをひとつに統合。ローラーに2枚のパドル(櫂、羽根)を埋め込んだインペラ兼用のオーガで雪を掻き取り、そのまま投雪する「1ステージ・パドルオーガ」という方式が採られました。
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