2021年07月15日
by ジェックス株式会社 |
公開:2021.07.15 16:40 更新:2021.10.04 16:23
お祭りや夜店の金魚すくいでよく見る金魚。子どもの頃に自宅で飼育した思い出がある方も多いのではないでしょうか。そんな金魚も、実はいろいろな種類が存在します。今回は、さまざまな金魚の品種とその生態について紹介します。
金魚と一口に言っても、その品種はさまざま。観賞魚として長年に渡って愛好されているだけに、交配による品種改良や突然変異によって誕生した品種が大切に育てられていたりします。
金魚は大きさや模様、体色、体形など特徴がたくさんあり、どこに魅力を感じるかで好きな金魚も変わってきます。
ここでははじめての方でも簡単に飼育できる金魚を中心に、10種類の金魚を紹介します。
日本に最初に紹介された金魚だから『和金』と名付けられた、と言われています。金魚すくいでも最も多く見られる品種です。流通量も多く、価格も非常に安く手に入れることができます。また、とても丈夫で飼育しやすく活動的な金魚です。フナに形が似ており、体色は赤や更紗模様が一般的です。
コメットはアメリカで生み出された品種と言われています。リュウキンと和金を交配して作り出された品種で、長い尾ひれが特徴です。活動的で身体も丈夫、と和金の良いところを受け継いでいます。活動量が和金よりも多いので、大きめの水槽で飼育するのが望ましいとされています。
三色出目金、フナ尾和金、ヒブナの自然交配によって誕生した品種です。和金のような体型から、長い尾ビレ『吹き流し尾』を持っています。身体も丈夫で飼育しやすいです。赤、黒、白を基調とし、中には藍色が混ざった個体もあります。それぞれの個体により、異なるさまざまな模様が出るのも特徴です。
英国ブリストル地方で作られた品種です。ハート型の尾びれが女性愛好者に人気です。透明鱗と赤、黒、白のキャリコ柄の体色が特徴です。飼育は容易ですが、特徴のひとつである尾びれの形を維持するのは難しいとされています。
最も金魚らしい形をしている金魚と言えば、このリュウキンではないでしょうか。丸い体形と優雅な泳ぎで見る人を癒やします。まさに観賞魚としての典型的な『金魚らしさ』を備えていると言えます。尾びれの美しさも随一です。中国から沖縄(琉球)、そして本州へと伝わってきたことからこの名前が付けられています。
名前の通り、ピンポン球のようなまん丸くて愛らしい体型が人気の品種で、泳ぐ姿もカワイイです。全身が白い鱗に覆われているところからピンポンパールと名付けられました。模様のバリエーションは多種多様。愛らしい上に、柄の個性も感じられるので人気です。転覆病になりやすいので注意しましょう。
赤、黒、白の柄を体色として持つ和金です。とても身体が丈夫な上、10cm以上という大きめのサイズも流通しています。控え目ですが大変カッコイイフォルムで、最近特に人気があります。
リュウキンの変異種です。オランダとは関係ありませんが、非常に長い歴史を持つ金魚です。大きな肉腫をもつ頭部が獅子舞の獅子頭に似ていて、中国では獅子頭と呼ばれています。成長した際の貫禄はなかなかのもので、優雅さと迫力を持つ金魚として魅力的な品種です。
眼が左右共に大きく突き出ているのが特徴で、体型はリュウキンに似ています。愛らしいビジュアルを持ち、水温や水質に対する適応能力も高いため、金魚をはじめて飼育する方に向いています。ただ、出っ張った目のケガには注意しましょう。
背びれのない筒型の体型に、太くて短い尾びれ、頭部の肉瘤が特徴です。また、体色に黒が含まれないのも特徴です。ランチュウのような背びれのない金魚は、上から観賞する金魚とされており、浅めの水槽での飼育をおすすめします。
実は金魚は他のお魚と一緒の水槽で飼育する『混泳』が難しいお魚です。なぜなら金魚は雑食で食欲旺盛、しかも力が強いので、飼育中の他のお魚を追いかけたり弱らせてしまう可能性があります。中には同じ金魚同士でも、品種が異なると混泳は難しいとされる品種もあります。
ただし、金魚の混泳はできないというわけではありません。混泳を成功させている方も多いので、リスクをきちんと理解して取り組めば、成功する可能性は高くなっていきます。
ここでは、比較的金魚との混泳リスクが低いとされている生き物を紹介します。
ドジョウは水底で生活するので、金魚と生活圏が被りません。しかも、沈んだエサの食べ残しを処理してくれます。
大型化した金魚が攻撃してくる可能性がありますが、泳ぎはドジョウの方が上。金魚が攻撃しようとしても、ドジョウはうまく逃げてくれるから大丈夫です。念のためにドジョウが落ち着ける隠れ家を流木やオブジェなどで作ってあげると、ドジョウも安心して暮らせるでしょう。
熱帯魚飼育を代表するヤマトヌマエビは、金魚水槽にも最適です。水槽に発生したコケを食べてくれる『水槽の掃除屋』です。
ただし、金魚は底砂をつついてエサを探す習性があり、その時に誤ってエビをパクっと食べてしまう可能性があります。しかし、ヤマトヌマエビは体長5cm程度まで成長するので、そうなると金魚に食べられずに共存できます。できるだけ大きな個体を選びましょう。
貝類は金魚に攻撃されることはないため、安心して混泳させられます。ただし、増えすぎたり、水草を食べてしまうことがあるので注意しましょう。繁殖力が弱いため、基本的に淡水域では繁殖しないのも良いところです。水槽に入れるサイズには注意しましょう。小さすぎると金魚にいじめられて衰弱してしまう可能性があるため、ある程度のサイズの石巻貝だけを水槽に入れてあげましょう。
混泳が難しい金魚。それでも色々な品種の金魚を混泳させたいと考える方も多いでしょう。しかし、和金系とリュウキン系、あるいは泳ぎのスピードが異なっている、身体の大きさが異なっているなど、タイプが異なっている金魚を混泳させるのは避けましょう。金魚すくいでよく見る和金とデメキンの混泳も実はあまり相性が良くありません。また、ピンポンパールのような特殊品種も混泳には向きません。
子どもの頃、初めて自宅で飼育したのが金魚だった、という人も多いでしょう。しかし、金魚を観賞魚として熱帯魚のように飼育しようと考えると、実はなかなか奥深い生き物なのです。
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