2020年12月09日
by DCM株式会社 |
公開:2020.12.09 20:10 更新:2022.01.18 10:28
家事のアレコレ、健康、安全など暮らしの悩みは尽きないもの。そんなお悩みの解決法を、住生活ジャーナリストの藤原千秋さんにお聞きしました。
「普段から動くのが億劫なのに、冬になると寒さが相まってますます動きたくなくなります。運動不足も、太り気味なのも、自覚しているのですが……。動かないくせに風邪も引きやすく、このままじゃまずいなあ、と思っています。」
冬に限ったことではありませんが、目前の健康を考えるとき、必要な要素は次の3点にまとめられます。
1)感染症の予防
2)環境の調整
3)食事と運動
それぞれ、言われてみれば「ああ、そうだよね……」と思えることばかりですよね。
とくに、気候として「低温、乾燥」に傾く冬期は、ウイルス性の風邪様疾患が増え、体調を崩しがちです。
寒さを緩和するための暖房の稼働や衣類の調整。体温を維持するために消費カロリーが増す生理的事情。年末年始などのイベントで増加する飲食の機会なども、健康を整えるうえではネックになりやすいといえるでしょう。
逆に言えば、この3点に絞ってポイントを押さえれば、健やかな状態に近づけることでしょう。
ウイルスの大きさ(およそ0.1μmほど)からすれば、咳やクシャミによる飛沫感染を完全に防御できるわけではありませんが、「マスク」を着用することで、飛沫の唾などは止めることができます。
すでにインフルエンザウイルスなどに感染しながら、人ごみに紛れている人もいます。そういった人と不用意に触れ合ってしまった際のリスク軽減、また咽喉や鼻の粘膜を乾燥させにくくする意味でも「マスク」着用は有効と言えるでしょう。
また、こまめな「手洗い」を行うことは手から環境中のウイルスを拾い、鼻や咽喉に運ぶことを防ぐうえで役立ちますが、複数の家族で暮らす家庭ではタオルの共用をこの時期は止めておきましょう。手のひらや顔、口といった部分が触れるもの全般に、注意をしておきたいところです。
余談ですが、出先の公衆トイレ等では、手洗い後の「ジェットタオル」の使用は控えたほうが無難です。他の人の手洗い後の水がエアロゾル化したものを吸い込んでしまわないよう、できるだけ「マスク」を着用してトイレを使用するようにすることをお勧めします。
健康的な生活を送るうえで、住まい内に程よい暖房、加湿を施すことは大切なポイントです。
インフルエンザウイルスは、気温が低く乾燥した環境においては、身体の外に排出されても長い間感染力を持ち続けてしまう性質がありますが、湿度が50%あれば、約10時間ほどで死滅してしまうと言われています。
そこで、部屋の中の気温は20度前後、湿度は50〜60%を目安に保温加湿をするようにしましょう。過度に温めてものぼせてしまいますし、カビやダニの繁殖リスクが高まりますので加減が大事です。気温、湿度は体感にのみ頼るのではなく、生活スペースの数カ所に温湿度計を設置して、モニターしながら整えるようにします。
ただ、その際には、居間や寝室のみならず、浴室、洗面脱衣、トイレ、キッチンなどでもぜひ温度、湿度を測るようにしてください。想像以上の気温差に驚かれると思いますよ。
さて、最も難しいのはこの要素ではないでしょうか。単純に「食べ過ぎ、飲み過ぎを避け、身体を動かすようにする」などというスローガンも、行うのは言うほど簡単なことではありません。
そこで慣れないことを新しく「やる」より、いくつか「やらない」ことを決めてみるという、いささかでも消極的な「食事、運動」のご提案です。ひとつからでも、ぜひ取り入れてみて下さい。
・夜20時以降の飲食をしない
・空きっ腹にお酒を飲まない
・1時間以上同じ姿勢でいない
・トイレを我慢しない
・身体を冷やさない
・起きぬけに走らない
座りながらエクササイズができるバランスクッション。姿勢を正したり、体幹を鍛えるのに便利です。
藤原さんもおすすめ!
テレビを見るとき、床に座る際などに座布団代わりに敷くだけでも不安定感があって腹筋が緊張します。凸凹面のうえで足踏みをしてもいいですね。サイズ的にもじゃまにならず絶妙で、とても気に入っています。
<プロフィール紹介>
藤原千秋
大手住宅メーカー勤務を経て、主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆。現在は企画、広告、商品開発アドバイザーなど多様な業務に携わる。TV「マツコの知らない世界」に1000個の掃除グッズを試した主婦として出演も。著・監修書に『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』など。
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