2021年01月04日
by DCM株式会社 |
公開:2021.01.04 10:10 更新:2021.10.04 16:23
2017.12.29
家事のアレコレ、健康、安全など暮らしの悩みは尽きないもの。そんなお悩みの解決法を、住生活ジャーナリストの藤原千秋さんにお聞きしました。
「カーテンを開けると窓ガラスに水滴がびっしり。毎朝ビショビショです。カーテンにその水が移ってしまっていることも。そういうカーテンって、いつもなんとなく湿っていて、ちょっとカビ臭いような気もして嫌なんです。なんとかこの結露が出ない状態には、できないものでしょうか。あと、この水滴って、やっぱりちゃんと拭かないとダメですか?」
途方に暮れてしまうほどの水滴が毎朝。忙しい朝なのに、これをいちいち拭けって言われても困っちゃいますよね。ほんと、この水どこから来たんでしょうね?
私たちの身の回りにあるこの空気には酸素と窒素のほか少なからぬ「水蒸気」が含まれていますが、この「水蒸気」が何かの表面(たとえば窓ガラスなど)や内部で、「凝縮」(気体から液体に変わる)する現象のことを、「結露」と呼んでいます。
「この水どこから来たの?」という問いの答えは「お部屋の空気から」が正解です。お部屋の空気に含まれている水蒸気が、窓ガラス面の温度(ほぼ屋外の気温、低温)に接するだけで発生してしまうので、空気中の水蒸気を皆無にすることや、ガラス面を温かく保つことができない限り、結露が発生してしまうこと自体はしかたない自然現象といえます。
とはいえ、「ちょっとの水滴」で済むか、「びっしり、ビショビショ」になってしまうかでは後の始末の手間は大違いですよね(違いは手間だけではありませんがそこは後述します)。そこで、結露を少なくする暮らしのコツをいくつかご紹介したいと思います。
●水蒸気を発生させる暖房器具を使わない
いまどきあまり一般的ではないかも知れませんが、「石油ストーブ」「ガスファンヒーター」などは、燃料の燃焼の際に「水」を発生させるため結露も起こりやすくなります。その水分量は、燃やした燃料と同量程度なので予想以上に多いのです。燃焼に部屋の空気を使わない「FF式」と呼ばれる暖房器具や、エアコンなどであれば余計な水蒸気は発生しませんので覚えておくといいでしょう。
●加湿しすぎない
冬場の美容に乾燥は敵!とばかり、特に女性は加湿を過剰に頑張ってしまうきらいがあるようです。美容のみならずインフルエンザ対策などの意図もあるかも知れませんが、必要以上の加湿は結露を助長し、カビやダニをも発生させてしまうため、別の意味で健康に悪いと言わざるを得ません。普段過ごすお部屋にはもれなく「温度計、湿度計」を設置して、客観的にお部屋の温度や湿度をモニターし、相対湿度で65%以上にまでは加湿しないようにしましょう。
●1日に1度は換気する
屋外が寒いと躊躇しがちですが、お部屋の空気というのは水蒸気のほか油煙、微細なホコリ(土、砂、排気ガス、カビの胞子、ダニのかけら、繊維クズ、花粉、タバコの煙などなど)などによって想像以上に澱んでいます。二酸化炭素や一酸化炭素による汚染も懸念されます。
ですので最低1日に1度は、屋外のフレッシュな空気を家の中に入れるようにしてください。窓を2箇所以上開けて風を通らせるほか、家中にある換気扇を「強」で回しつつ窓を1箇所開けるなど、防犯面にも気をつけましょう。この換気のとき、カーテンを軽く開いておき余計な湿気やホコリを払うようにすると、結露によるカーテンのカビを予防することができます。
住まいの結露といえば、窓ガラスにびっしりついた「あの水滴」だけのことを指し、害といってもあの水が鬱陶しいだけ、というようなイメージがあるかもしれませんが、実のところそれほど単純なものではありません。
身体から出る汗などの水分が布団と床の間の温度差により冷やされ、布団内でも「結露」することがあるということはあまり知られていませんが、布団のカビ発生の主原因はそれです。
また窓ガラスだけではなくお部屋の壁に水滴がついてしまうこともあります。隣の部屋などとの温度差が原因です。トイレでは初夏などに水タンクの表面にびっしり結露が発生してしまうことがままあり、トイレ内でのカビ発生のリスクを高めています。結露が発生することは、そこにカビが生えてしまうリスク、ダニを殖やしてしまうリスクにもつながっていて、アレルギー症状をもたらすなど、健康面に少なからぬ悪影響を及ぼしかねない怖さがあります。
窓についた水滴も放置することによって窓枠などの木部や床などまで腐食させ、シロアリの繁殖を助けてしまい、家そのものを傾ける原因にもなりかねません。
見つけた結露は、拭けるなら即、拭いてしまうのが、これらの害を避ける一番安上がりかつ効果的な方法です。無理のない範囲で実行しましょう。もちろん、結露を減らす暮らしのコツも大切なので、ぜひ実践してみてくださいね。
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<プロフィール紹介>
藤原千秋
大手住宅メーカー勤務を経て、主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆。現在は企画、広告、商品開発アドバイザーなど多様な業務に携わる。TV「マツコの知らない世界」に1000個の掃除グッズを試した主婦として出演も。著・監修書に『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』など。
提供元:DCM株式会社
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