2021年06月22日
by DCM株式会社 |
公開:2021.06.22 19:40 更新:2021.10.04 16:23
2018.09.05
家事のアレコレ、健康、安全など暮らしの悩みは尽きないもの。そんなお悩みの解決法を、住生活ジャーナリストの藤原千秋さんにお聞きしました。
「夫の実家に帰省した際、『軽いし邪魔にならないから持って行きなさい』と、かんぴょうや削り節、海苔など、いろいろな乾物を持たされました。それぞれけっこう高価ですしありがたいのですが、正直、乾物ってあんまり使いこなせていないのでちょっと困惑気味です。まずはどう保管すればいいのでしょうか?」
おにぎりといえば「海苔」、日々のお出汁に「昆布」や「鰹節」や「煮干し」、イベントご飯に「干し椎茸」や「かんぴょう」、お吸い物に「とろろ昆布」、スープやサラダに「春雨」や「乾燥わかめ」、お母さんの味といえば「高野豆腐」「ひじき」「切り干し大根」……。
こう見ると私たちの食生活には、意外と頻繁に、さりげなく「乾物」が登場していますよね。食生活、というか、多くは「和食」メニューにですが。
外食を含めて和食を食べようとすると、けっこう乾物がひょいひょい混じっているもの。逆に言えば和食を食べない限りは、あまりその姿を見ることがないものかも知れません。
つまり、もしかすると「乾物を使いこなせていない」というより、もともと主食としてパンやパスタの登場頻度が高いなど、和食以外の食生活を軸にされているのではないでしょうか?
そのことの良し悪しではなく、自分はそういう食生活、ライフスタイルなんだな、と自覚するところから、身近な「乾物」との付き合い方や、しまい方などをまずは考えてみるといいのではないかなと思います。以下メジャーな乾物と、その保管法についてざっくりご紹介しますので、できそうなところから参考にしてみてください。
・海苔
各種ビタミンなど多く含み、栄養価が高く、そのうえ扱いやすい海苔はもっとも身近な「乾物」かも。ただ湿気を呼びやすい点に注意しましょう。開封後は蓋つきの容器に入れて湿気を避けつつ、できるだけしまい込まずに、普段から食卓に出しておくと便利です。
・昆布
実は和洋中に活用できる昆布。うまみのみならず栄養価も高いので、だしがらとして捨てることなく、なるべく小さく切り刻んでおいて食材のひとつにしてしまうのが無駄なくおすすめです。海苔同様、普段から見えるところにおいておくといいでしょう。
・とろろ昆布
とても美味しいのに、ちょっとだけ食べにくいため、敬遠されがちな乾物かもしれません。開封してキッチンバサミで切り刻み繊維をよく切り、ほぐしておくことで食べやすくなります。光や酸素、水分によって変質しやすいので、開封後はなるべく冷蔵して早めに食べ切りましょう。
・ひじき
湿気にはそれほど神経質にならなくても良い乾物です。初心者には「芽ひじき」が使いやすくおすすめです。購入後は使いやすい保存容器に移して、必ず戻さねば! とは思いこまず、ざっと水洗いしてどんどんサラダや味噌汁などの具にしてみると使いやすいでしょう。
・乾燥わかめ
これも気温や湿気にそれほど神経質にならなくても良い乾物のひとつです。購入後は商品の袋の上からよくもんで細かくしておくとより扱いやすくなります。使用頻度にもよりますが、購入後はチャック付きの袋なら袋ごとプラスチックなどの保存容器にしまっておくと扱いがよりラクになります。
・鰹節(削り節)
基本的に開封前から意識して冷暗所にて保管します。小分け市販されているものはいいのですが、大袋の削り節は封を開けるやいなや劣化が進んでしまうため、余った分はすかさず冷凍庫保存が適しています。それでもなるべく早めに使い切るようにしましょう。開封後、常温で湿気を含ませてしまうと、カビが生えたり虫がわきかねないので注意しましょう。
・煮干し
常温で保存すると脂が酸化して臭くなってしまう煮干しは、開封後はすみやかに冷凍保存するのが正解です。
・高野豆腐
市販品の開封前なら常温で問題ありませんが、高温や光で変質してしまいかねないので冷暗所で保管します。賞味期限は半年程度と決して長くありませんが、悪くならない買いおき豆腐、タンパク源として常備しておくと災害対策にもつながります。においを吸いやすい性質もあるため、開封後は密閉しての冷蔵保存で。
・切り干し大根
もともとある程度の湿気を含んでいる切り干し大根は、常温での長期保存には向かない乾物です。市販品は、購入後、別の入れ物に入れ替えず、買ってきた袋のまま保管するようにし、早めに使い切りましょう。どうしても当分使えないような場合には冷凍すると、変色を避けることができますが、茶色くなっても食べることはできます。
・麩(焼き麩)
小麦粉に含まれるグルテンというたんぱく質の塊である麩。実はそのまま食べられることが多いのですがあまり知られていません。開封後は保存容器に入れて、なるべく湿気る前に食べ切りましょう。
・干し椎茸
湿気を呼びやすい干し椎茸は、購入後は袋から出して保存容器に移し替え、湿気を避けて保存するようにしたいもの。軸を折ってしまえば、たくさん容器に入れられます。折った軸は、醤油に漬けてだし醤油に活用すると良いでしょう。
・かんぴょう
かんぴょうって何でできているか、知らないまま使っている方も多いかも? かんぴょうはユウガオの実を細く剥いて乾燥させたもので、硫黄で漂白したものとそうでないものが市販されています。もともとある程度の湿気を含んでいるため、一度封を開けると、カビたり虫がついたりしやすい点に注意しましょう。できるだけ、使いきれる分だけ購入するようにしましょう。
・春雨
市販品はでんぷん春雨か緑豆春雨かに分かれます。使いやすい小袋入りのものを買うと便利。大袋のものはキッチンバサミで切り分けてほぐしておくと使いやすくなります。未開封であれば常温保存で、開封後は湿気を避けてはやめに使い切りましょう。
・大豆、小豆、きんとき豆など
豆に含まれる油分が酸化し劣化してしまったり、カビや虫が付くのを避けるため、なるべく冷暗所、冷蔵庫の野菜室などで保管したいもの。少し古くなってしまった豆は、煮る前に一度煎ると、比較的美味しく食べられます。
食べ物を腐らせたり、変質させる水分をあまり含んでいない「乾物」は、確かに比較的日持ちがする食べ物の代表格ではありますが、かといって、いつまでも放っておけるというものではありません。うかうかしていると悪くなってしまいかねません。
とはいえある程度乾いた状態にまでするためには、それなりの手間やエネルギーもかかることなどから、買おうとすると高価なことの多い、価値ある食材である乾物です。扱いを誤って食べられない状態にしてしまうのは非常にもったいない話ですので、ぜひ最小限の注意(湿気、温度の管理)だけでも保管の際に、いつも心がけるようにしてみてください。
上から中身が見える保存容器。上からでも横からでも中身が見えるので、シンク下や戸棚、引き出しなど、収納場所を選ばず使いやすい。丸型、角型各種あり。サイズは280ml~2000mlまで。
藤原さんもおすすめ!
キッチリ蓋がしまり、かつ扱いやすい保存容器でした。さまざまな形状の商品ラインナップがあるので、食卓への登場頻度の高い食材の形状や使い勝手に合わせて、大きさなど揃えるとより便利です。乾物の保管にはとても適しているので、ぜひ活用してみてください。
<プロフィール紹介>
藤原千秋
大手住宅メーカー勤務を経て、主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆。現在は企画、広告、商品開発アドバイザーなど多様な業務に携わる。TV「マツコの知らない世界」に1000個の掃除グッズを試した主婦として出演も。著・監修書に『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』など。
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