2021年05月25日
by DCM 編集部 |
公開:2021.05.25 21:00 更新:2021.10.04 16:23
楽しみに植えた花や野菜に突然襲ってくる病気や害虫。
元気がなくなった野菜や花を見るととても心苦しいですよね。
そのまま放置してしまうと、枯れてしまったり腐ってしまったりとせっかく育てた植物がダメになってしまう可能性も…
では、植物の病気や害虫はどのように対策すれば良いのでしょうか?
その対策を知るためにまずは、病害虫が発生してしまう原因を探ってみましょう!
植物が病気にかかってしまうと、元気だった周りの植物にまでうつってしまう場合があります。
そうなる前に早めの対処が肝心ではありますが、ここではそもそもなぜ病気が発生してしまうのかを解説します。
病気が増えやすい原因は大きく4つ。
① 日当たり・風通し・水はけの悪い場所
② 同じ場所に同じ植物をつくり続けた(連作)
③ 土の状態が悪い
④ 土に有機物が少ない
これらの条件下の場所は多くの病原菌が好む場所なので、結果的に病気を引き起こしてしまうことがあります。
多くの病原菌は、日当たり・風通し・水はけの悪い場所を好みます。
そんな環境で育てた植物たちは、育ちが悪くなり、病気に対する抵抗力(人間でいう免疫力のようなもの)も弱まるので、病気に感染しやすくなってしまいます。
植物を育てる場合は、まず日当たりの良い場所を選んであげましょう。
また、土づくりの段階で水はけが良くなる対策を取り、植物同士を密着して植えずにある程度の間隔を維持して植えてあげると、風通しのよい環境に整えることができます。
毎年同じ場所に同じ植物をつくり続けることを「連作」と言います。
この連作をすると、土の中の病原菌の割合が高くなるため、病気にかかりやすくなるんです。
なので、狭いスペースで野菜や花を育てる場合は大変かもしれませんが、可能な限り違う種類の植物を植えてあげて、連作は避けましょう。
「1年目:トマト → 2年目:トマト」はもちろん連作ですが、「1年目:トマト → 2年目:ナス」も連作に該当します。その理由は、トマトもナスもナス科だから!花や野菜を育てる際は、その種類もしっかりと確認してから育ててあげるだけで、病害虫対策を実施できますよ。
ちなみに、花にも野菜にも連作障害が起きにくい種類もあるので、その中から選んで毎年育てることもできます。
病原菌の中には酸性土壌を好むものもいれば、アルカリ性土壌を好む病原菌もいます。
酸性・アルカリ性の強さのことを「pH(ペーハー)」と表しますが、pHの値が小さいほど酸性に、大きいほどアルカリ性に近づいていきます。
このpHが土づくりにとても重要な要素になってきますが、実は植物によって好むpHの値が変わってくるので、それぞれに適した土づくりが必要になります。
ほとんどの花や野菜は「pH5.5~7.0」の範囲で良く育つので、病気の発生を抑えるためにはこのpHの値にも注目してあげましょう。
土の中にはたくさんの微生物が存在していますが、全てがよい微生物とは限りません。
中には植物に害をなす微生物もいるので、そういった悪い微生物を減らし、良い微生物を増やすためには落ち葉や枯草、牛糞などの「有機物」が必要です。
有機物を微生物が分解し発酵したものが堆肥となり、それが良い土になり、良い微生物が活性化して、元気な土壌に繋がります。
良い土づくりを実践する際はぜひ「有機物」も意識してみましょう。
大切に育てていた植物の葉や実などに穴や傷があるのを見つけると、とても悲しいですよね。
その原因は害虫。害虫がつけた傷から病原菌が侵入して病気を引き起こしてしまう可能性もあるので、害虫にも十分に気を付ける必要があります。
ここでは、そもそも害虫が発生する原因を解説します。
害虫が発生する原因は大きく2つ。
① 天敵が少ない
② 肥料のやりすぎ
害虫は葉の裏側や草むら、土の中などに隠れています。せっかく作った野菜が害虫によって収穫できなくなってしまう前に、害虫の発生原因を知っておきましょう。
あまりにもキレイすぎる環境の場合、害虫の天敵(クモ・カマキリなど)もいないので必然的にそこは害虫にとっての安全地帯・パラダイスになってしまいます。
農薬を散布すると、もちろん害虫の駆除はできますが、同時に天敵となる生物も駆除してしまうため、畑全体の生態系バランスが崩れてしまいます。
そうなるとさらに病害虫が出やすくなってしまうため、極端にキレイな畑や植物にとって過保護な畑を目指すのではなく、生態系バランスを意識した畑を目指しましょう。
大きく育ってほしい、元気に育ってほしいと過剰の肥料を与えてしまうと、その植物はいわゆる「メタボ状態」となってしまいます。
肥料の中には「窒素」が豊富に含まれており、害虫はその「窒素」を求めているので、油ののったお肉が美味しいように、肥料を存分に与えられた植物は害虫にとって最高の食事処になってしまうんです。
また、肥料をやりすぎた植物の周りは幼虫が育ちやすいので、さらなる悪循環に陥る可能性があります。
「虫が食べたくらい美味しい野菜」とよく言いますが、実は健康で元気な野菜には害虫は寄り付かず、元気がない野菜や元気すぎる(メタボすぎる)野菜に寄って来るんです。
ついつい多く与えたくなってしまう肥料も植物の状態をよく観察して、必要な分を必要な時に与えてあげるようにしましょう。
病害虫が発生する原因から、植物を育てる際のあるべき環境が見えてきますよね。
ここからは、植物にとって良い環境にするためにどんなところを注意すれば良いかを、ポイントに分けて解説します。
ほとんどの植物は、やっぱり日光が大好き!
トマトやナス、ピーマンなどは特に日光が大好きな野菜。しっかりと日が当たる場所を選んであげましょう。
ただし、シソやニラなど日陰を好むものもいるので、育てる際は事前にどんな光の当たり方が好みなのかを調べておくと安心です。
ジメジメした場所はどんな植物にとってもイヤなもの。
育てる植物に適した間隔で植えるなど、風通しの良い環境にしてあげることがとても大切です。
ただし、不安になって間隔を開けすぎるのもNG。
必要以上に日光に当たってしまい、すぐに乾燥状態になってしまうなど逆に育てにくい環境になってしまいます。
風通しを良くしてあげると、風に乗って光合成に必要な二酸化炭素をたくさん運んでくれます。
ジャガイモ、トマト、ナスなど同じナス科の野菜を毎年同じ場所で育てると、連作障害や病害虫が発生しやすくなるので、連作はなるべく避けてあげましょう。
違う種類の花や野菜を、毎年場所を変えて(入れ替えて)育ててあげることで回避できます。
良い土というのは、「水はけがよい(排水性)」「空気が入りやすく根が呼吸しやすい(通気性)」「必要な分だけ水を保てる(保水性)」「肥料の成分を蓄えて根が吸収できる(保肥性)」がしっかりと備わっている土を言います。
特に病害虫対策として意識すべきは水はけです。
水はけの悪さを感じた際は、お庭で育てる場合は水はけの良い培養土やパーライトなどを混ぜ込んであげて、プランターなどで育てる場合は土自体を新しいものに取り替えてあげましょう。
また、土の酸性/アルカリ性の度合いをはかる「pH」にも注目し、育てたい植物に合わせて適切なpHの土を作ってあげましょう。
さらに、土の中に落ち葉や牛糞などの有機物を含めることで、良い土の元となる堆肥を生み出す良い微生物を増やすことができます。
化学肥料や殺虫剤などを駆使し、虫1匹いないような土壌は目指さないで!
植物を育てるなら、自然のサイクルを崩すような行為はNG。
害虫も、害虫を駆除する生物もいるから美味しい野菜や美しい花が育ちます。
生態系バランスを意識して、駆除しすぎず、放置しすぎずバランスよく植物を育ててあげましょう。
花も野菜も栄養分たっぷりの肥料を与えれば喜んで育ってくれます。
でも、やりすぎは禁物。
美味しい肥料をたくさん溜め込んだ「メタボ状態」の植物には病害虫が発生しやすいので、肥料も必要な時必要な分だけ与えましょう。
良い環境は、植物を最高に輝かせてくれる土台です。
土だけにとらわれず、植物が育ちやすい環境を意識しながら大好きな花や野菜を育ててみましょう!
新着記事
【新商品】 外出先でもワンプッシュ!アレルブロック触れるところウイルス菌ピンポイントクリア
by アース製薬株式会社
ダニはジメジメがお好き?
by 株式会社 UYEKI
遮光ネットは夏の強い日光と高温から植物を守り、最適な育成環境をつくります
by 株式会社イノベックス
DCMホールディングス
DCMホールディングス
DCMホールディングス
DCMホールディングス