2021年02月01日
by シンワ測定株式会社 |
公開:2021.02.01 14:10 更新:2021.10.04 16:23
L字型に直角に折れ曲がった形状の「スケール」、「ものさし」の一種です。シンワ測定では「まがりじゃく」と呼んでいます。「さしがね」、「かねじゃく」、「まがりがね」などと呼ばれることもあります。cm目盛、尺相当目盛、角目、丸目入りのものなど、さまざまな種類があります。
各種墨付け、ケガキ作業、直角や長さ測定、板厚や直径の測定に使用されます。
右手に短枝にくるのが、表面です。短枝が左側の場合が裏面となります。
・ステンレス製
ステンレスの強度を上げるため、焼き入れを行っております。耐久性や柔軟性がうまれ、曲尺のさまざま使用用途がうまれます。安価なステンレス製のものは、焼き入れをしていないものが多く、曲がったりすると戻らなくなります。直角も狂いやすいです。
※シルバーとステンの違いについて
曲尺の材質を確認すると、同じステンレスなのに「シルバー」と「ステン」と表記が違うものがあります。この違いについて説明します。
・シルバー・・・材料の表面を全面シルバー仕上げ(ツヤ消し加工)を施します。
効果:光の反射を防ぐ効果があり、目盛が読みやすい
・ステン・・・・材料の表面に加工を施しません。
効果:光が反射してしまうため、目盛が読みづらい
尺目盛について、日本ではメートル法が1966年(昭和41年)に完全実施されました。厳格に守らせるため、尺貫法を使っていた大工職人などが逮捕される事態が起こりました。そこで、尺貫法復権運動がおこり、1977年以降「尺相当目盛り付き長さ計」として、「1/33m」と表示をした計測器を「メートル法の範囲内」とみなして合法的に販売できるようになっています。各社販売している尺目盛りには、尺相当目盛りと表記されます。
尺・・・・約30.3センチメートル
寸・・・・約3.03センチメートル
分・・・・寸の10分の1(0.30センチメートル)
表、裏に目盛りが付いており、外側にある目盛りを外目盛り、内側にある目盛りを内目盛りと言います。
曲尺の内目盛は種類によって基点(0mm)に違いがあります。
①内側基点
内目盛の基点(0mm)が内側にあることを内側基点と言います。
材料の端部に引っ掛けてそのまま測ることができます。
②外側基点
内目盛の基点(0mm)が外側にあることを外側基点と言います。
外目盛で引いた線からの長さが内目盛も分かります。
③端面基点
内目盛の基点(0mm)が端面にあることを端面基点と言います。
左右どちらからでも測ることができて、深さ測定も可能です。
厚手広巾、大金、中金にはそれぞれ4段目盛、5段目盛、6段目盛、8段目盛とありますが、これは曲尺の長枝(長い方)と短枝(短い方)の目盛配置を合計した数を表しています。
段数が少ない方は数字が大きく書かれて読み取りやすく、段数が多い方は目盛が多い為幅広い用途にお使いいただけます。
<一間のサイズの違い>
京間と江戸間で一間のサイズが違うのは歴史的な背景があるといわれています。秀吉が行った「太閤検地」この検地は、長さと面積が統一され、一間を6尺3寸とした検地竿を使用していました。この検地は全国で一斉に行われ、一間:6尺3寸は全国的に広がりました。
江戸時代になり幕府は幕府直轄領を主に「寛文検地」、「延宝検地」を行いました。
この検地では一間を6尺とした検地竿を使用し、幕府直轄領と幕府に追随した諸大名領のみに広がりその地域で一間:6尺が普及したといわれています。
<建築方法について>
建築方法にも違いがみられます。京間では畳を並べて一部屋のサイズを決めていました。(畳割り)
これは京都の人々が畳や建具を個人持ちとし、引っ越しをする際に家具と一緒に持ち込んで使用するのが一般的であったためです。
江戸では経済の振興、火事の多発によって建築需要が高く、建築に手間のかかる畳割りで作られる京間より、柱芯を基として建築する江戸間が一般的な建築方法になったと言われています。
また、江戸間は柱芯の間隔を一間としている為(柱割り)畳の大きさはさらに小さくなり、京間と比べると8畳間の時約1尺分(約303mm)小さい8畳間となってしまいます。
A形について
墨差しで墨付けをした際に、にじみづらくなります。(建築関連)
角厚は曲尺の角が厚くなった仕様です。角の厚みは3.5㎜他は1.4㎜。
角が厚いことで、直角(90°)を確認する際に、安定します。
B形について
白柿(白引き)に主に使用されます。材料にケガキ(切り込み)を入れる際に使用します。u000bそのため、曲尺の短枝②の箇所が厚くなっており、ケガキを入れやすくなっております。(建具関連)
C形について
平ぴた・・・・竿・角共に薄く平たいので材料にピタリと張り付き、ケガキやすい(建築関連の使用が多い)
厚手広巾・・・重厚でがっしりした、厚手広巾タイプ (工場での使用が多い)
広ぴた・・・・平ぴたの薄く平たい仕様になっており材料にケガキやすく、広巾で直角の確認に使いやすい(建築関連)
曲尺の角を中央の線に、長い方、短い方両方の10cm目盛を横線に合わせ、線を引きましょう。
①曲尺の角を上の端に、40cmの目盛を併せて10cm、20cm、30cmに目印をつけましょう。
②曲尺の短い方を板の端に引っ掛け、①でつけた目印に沿って直角に線を引きましょう。
提供元:シンワ測定株式会社
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