2021年11月29日

水耕栽培に肥料って必要?意外と間違える液体肥料の使い方を解説!

by DCM 編集部

公開:2021.11.29 04:00 更新:2021.12.27 10:39

室内でも育てやすく、虫が寄りにくい水耕栽培で植物を育ててみたいというお気持ちのかたも多いはず。

しかし「肥料ってどうすればいいの?」 と思っているかたも多いのではないでしょうか。

土を使わない水耕栽培でも、水と液体肥料を使用すれば十分な栄養を植物に届けることができます。

この記事では、水耕栽培に液体肥料が必要な理由と、液体肥料をあげるときの注意点、初心者向けの液体肥料の選びかたについて解説します。

水耕栽培を始める前に、まずは液体肥料について事前に知識を身につけておきましょう。

水耕栽培に肥料っているの?

土と肥料を混ぜて植物を育てる土耕栽培とは異なり、水耕栽培は水と液体肥料を混ぜて植物を育てる必要があります。ここでは3つのポイントから液体肥料の必要性を解説します。

・水耕栽培に肥料が必要な理由

・液体肥料がおすすめの理由

・水耕栽培で土耕栽培用の肥料を使ってはいけない理由

絶対必要!水耕栽培に肥料が必要な理由

そもそも水耕栽培ではなぜ肥料が必要なのでしょうか。水のみでも植物は育つはずですよね。

たしかに、水だけでも植物はある程度成長することができますが、大きく成長させるにも栄養が必要になります。実をつけたり、長期間元気を保つことは水だけでは難しいのです。

土耕栽培なら栄養素となる肥料は土に含まれているので水だけあげていればよいのですが、水耕栽培は土を使わない分、液体肥料で栄養を補充する必要があります。

水耕栽培なら液体肥料がおすすめ

ではなぜ水耕栽培では液体肥料がよいのでしょうか。それは液体肥料には次の3つの特徴があるからです。

【吸収が早い・即効性がある】

液体肥料は、土耕栽培で使われる固形肥料と比べて非常に吸収が早いです。すでに液体になっているので、植物が栄養を吸い上げやすいということですね。

【水耕栽培に適した成分が入っているので腐りにくい】

また根が常に水に浸されている水耕栽培では、根腐れの可能性があることが大きな問題です。

しかし液体肥料には、水耕栽培に適した成分が入っているので、腐りにくいというメリットがあります。

【化学肥料なので虫が発生しにくい】

さらに化学肥料である液体肥料は虫が発生しにくく、室内で育てやすいこともメリットです。

加えて固形肥料とは異なり、ペットボトルの状態で保管できるので場所も取らず、臭いが発生しないという点も魅力のひとつです。

水耕栽培で土耕栽培用の肥料を使ってはいけない理由

液体肥料と土耕栽培用の固形肥料では、まず含まれている成分が異なります。これは前提としている栽培方法が異なるからです。

また、土耕栽培用の有機肥料を使ってしまった場合、コバエなどの虫が発生しやすくなり、室内で育てやすいという水耕栽培のメリットをなくします。

しかし、液体肥料を土耕栽培で使うのは問題ありません。

成分的にも問題なく、また即効性があり虫が発生しにくいメリットがあることから、土耕栽培でも液体肥料を使用するかたは多いです。

水耕・土耕どちらの方法でも家庭菜園をする場合は、兼用を前提に液体肥料を購入するのもよいでしょう。

意外と間違う! 水耕栽培で肥料をあげるときの注意点

ここからは、水耕栽培で肥料をあげるときの注意点について3つ解説します。

・液体肥料のあげすぎに注意する

・植物の状態に気をつける

・植え替え直後、発芽時は肥料NG

基本的な肥料の注意点だけでなく、水耕栽培ならではの注意点もあるので、しっかりとチェックしておきましょう。

液体肥料のあげすぎに注意する

とくに初心者が一番注意したいのは、液体肥料のあげすぎです。植物を早く大きくしたいという気持ちから、肥料を頻繁にあげてしまうかたが多いですが、それは逆効果になってしまいます。

栄養があるといっても、肥料をあげすぎると逆に植物は弱ってしまいます。また余った栄養素でコケが増殖してしまうので、根腐れの原因にもなりやすいです。

液体肥料の多くは原液で販売されているため、水で希釈して与える必要があります。適切な濃度に希釈しないと、むしろ植物にダメージを与えてしまいます。

液体肥料をあげるときは、規定量と濃度を必ず守りましょう。

植物の状態に気をつける

次に気をつけたいのは、液体肥料をあげる前に植物の状態をチェックすることです。

あまりに植物が弱っているときに肥料をあげるのは控えましょう。生育環境が変わったときに肥料で刺激を与えると逆効果になってしまいます。

では、肥料をあげるタイミングを見極めるにはどうすればよいのでしょうか。植物の状態がもっともよくわかるのが、葉の状態です。

しばらく肥料をあげていなくて、葉が萎れたり、色が薄くなってきたりしたら液体肥料をあげましょう。

同じ状態でも肥料をあげたばかりだとしたら、根腐れや肥料のあげすぎ、環境の変化など別の要因があるかもしれません。

植え替え直後・発芽時は肥料NG

最後に気をつけたいのが、植え替え直後と発芽時に肥料をあげるのは絶対にやってはいけないということです。

植物は環境の変化に非常に敏感で、室内の置き場所を変えるだけでも状態に変化が現れます。

とくに植え替え直後は環境が大きく変わったときなので、それに慣れるまでは水だけで育てましょう。しばらくしても葉の状態に異常がなければ適量の肥料をあげて大丈夫です。

また発芽時も肥料をあげてはいけません。これは種のなかにはすでに十分な栄養素が含まれており、肥料をあげると栄養過多になってしまうからです。

肥料をあげるなら、発芽して本葉が出てきたタイミングにするとよいでしょう。種のなかには、子葉が育つまでの養分が含まれているからです。

なんでもいいわけじゃない!初心者向けの液体肥料の選び方

水耕栽培の初心者なら、1液性という液体肥料を選ぶのがおすすめです。1液性とは、それ1本でどの成長タイミングにも適切な栄養素を与えることができる肥料です。

植物の成長に合わせて肥料を使い分ける必要がないので、初心者でも簡単に使いこなすことができますよ。

1液性でおすすめの液体肥料は?

1液性の液体肥料としては、ハイポネックスが一番おすすめです。ホームセンターなどで手軽に手に入れることができますし、ほとんどが2,000円以下で購入することができます。

また花、野菜、観葉植物などさまざまな種類に使うことができますし、希釈して使うのでかなり長持ちします。

水耕栽培キットもおすすめ

ほかにも、液体肥料が付属している水耕栽培キットを購入するのもおすすめです。

まずはすべて揃っている水耕栽培キットから始めて、慣れてきたら自分でカスタマイズした水耕栽培キットで栽培を始めるのもよいでしょう。

まとめ

水耕栽培では土を使わないという点で土耕栽培とは肥料の種類とあげ方が大きく異なります。土耕栽培用の肥料は使えないので、必ず液体肥料を使うようにしましょう。

ただし、葉をよく見て植物の状態をしっかり確認し、液体肥料のあげすぎとあげるタイミングに注意しながら育てる必要があります。

水耕栽培でも、適切に液体肥料を使えば土耕栽培と同じように植物を育てることができるので、水耕栽培を始めるときはぜひ一緒に手にとってみてください。

新着記事