2021年09月12日

寝袋(シュラフ)によって寝心地は違う?選び方を徹底解説!

by DCM 編集部

公開:2021.09.12 02:00 更新:2021.10.04 16:23

キャンプでテント泊を楽しむには、季節や状況にあった寝袋(シュラフ)が必要です。ところがキャンプ初心者にとって、用途にあった最適な寝袋(シュラフ)の選択は難しいかもしれません。

「寝心地のいいのはどれ?」「なぜこれほど値段差があるの?」「種類が多すぎてどれを買えばいいかわからない」このように悩まれるのではないでしょうか。

そこで今回は寝袋(シュラフ)の種類や素材などの基礎知識、目的に合った選び方を解説します。キャンプ以外での使い方もお伝えしますので、ぜひ最後までご確認ください。

そもそも寝袋(シュラフ)って必要?

寝袋(シュラフ)を買わなくても、家にある布団や毛布を代替することでキャンプはできます。しかし快適に寝ることは難しいかもしれません。

屋内用である布団や毛布は、外で使うことを想定しておらず、結露で濡れた結果、帰宅後の後処理も大変になってしまうことがあります。

寝袋(シュラフ)を使うメリットは次の3つ。

●軽い

●コンパクト

●保温力が高い

軽さとコンパクトさは、キャンプサイトまでの移動を考えると重要です。車の横にテントを張れる環境であっても、キャンプ道具で車の中はいっぱいになりがちです。コンパクトな寝袋(シュラフ)があれば、車はもちろんテントの中もスッキリします。

「別にスッキリしなくてもいい」「力に自信があるので問題ない」このように大きさや重さは気にしない人もいるでしょう。ところがどうしようもないのが、寝るときの温度です。キャンプ場の朝晩はとても冷え込み、10月〜4月ごろは氷点下に、真夏でも10度以下に、なんてこともしょっちゅうです。

布団や毛布では到底寒さをしのげません。「寒すぎて眠れなかった」という初心者キャンパーが多いのは、朝晩の冷え込みを甘くみたせいでしょう。

テント泊を楽しみ、翌日も元気に遊ぶためには体を冷やさない寝袋(シュラフ)は必須です。

寝袋(シュラフ)の種類

寝袋(シュラフ)にはいくつか種類があります。それぞれ特徴がありますので、目的に応じたタイプを選びましょう。

封筒型(レクタングラー型)

封筒型は最も布団に近いです。寝心地に違和感が少なく、初めてのキャンプに最適です。複数をチャックで連結したり、布団のように上下に分けて使うこともできます。

デメリットは布団や毛布と同じで次の3つ。

●少し重い

●少しかさばる

●保温力が低い

とはいえ、キャンプ用に作られているので家で使用している布団や毛布に比べると軽く、コンパクトに収納でき、保温力は高いです。寒い時期に使用する時は寝袋(シュラフ)の中に服を詰め込んだり、テント内で使用可能なヒーターなどを活用しましょう。

封筒型の寝袋(シュラフ)は2,000円〜6,000円が相場です。気軽に購入できる価格と自由度の高い設計で、初心者に人気があります。

マミー型(人形型)

マミー型はもっとも認知度の高い寝袋(シュラフ)です。ドラマや映画にもたびたび登場するので、キャンプに行ったことのない人は寝袋(シュラフ)といえば、まずマミー型を想像されるのではないでしょうか。

マミー型の特徴は、コンパクトで軽いことです。封筒型と同じように連結できるタイプもありますが、通常は一人用に設計されており、体に密着するので保温力も抜群です。暑すぎる場合はチャックを開けることで、体温調節が容易にできます。

デメリットは封筒型に比べると、閉塞感があることでしょう。慣れるまでは、寝心地が悪いと感じるかもしれません。

価格はピンキリで2,000円〜100,000円ほど。初めて購入する場合は、8,000円〜20,000円ほどのモデルが性能と価格のバランスがよいのでオススメです。

エッグ型(たまご型)

エッグ型は封筒型とマミー型のいいとこ取りをしたタイプです。アウトドアブランドのキャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)が最初に開発し、発売しました。形状はマミー型に似ていますが、横幅が広くゆったりとしていて、封筒型よりも保温力が高いのも嬉しいポイントです。

「封筒型では頼りないけれど、マミー型は窮屈で寝られない」というニーズにピッタリ。デメリットは構造的にゆったりしているため、体との隙間に空気が入り保温力が低下することです。夏場の使用やライトユーザー向きと割り切る必要があり、本格的にキャンプがしたい場合は、保温力の高いマミー型を選ぶべきでしょう。価格は5,000円前後とお手頃な価格です。

インナーシュラフ型

インナーシュラフ型はインナーシーツとも呼ばれ、他タイプのシュラフの中に入れて使用します。

シュラフの保温力をさらに高めるために用意されたものですが、夏場は単体での使用も可能です。また肌触りがよいので、マミー型やエッグ型のナイロン感が苦手な場合にも取り入れるとよいでしょう。薄手のシュラフを使っている場合も、インナーシュラフが1枚あれば心強いです。

価格は1,000円〜15,000円が主流。高価なものほど、保温力があり単体でも快適に使用できます。初心者の場合は寝袋(シュラフ)の補助に使うと割り切って、3,000円〜5,000円のあたりを購入し、インナーシュラフの費用を抑えて、本体の寝袋(シュラフ)のグレードをあげた方が賢明です。

寝袋(シュラフ)の選び方

寝袋(シュラフ)の選び方を解説します。寝袋(シュラフ)のカバーは綿やナイロンなどがあり、機能や肌触りが変わります。しかし重要なのは中に入っている中綿。種類は「ダウン」もしくは「化繊」です。

ダウン素材の特徴

価格・・・高い

重量・・・軽い

容量・・・小さい

メンテナンス性・・・手が掛かる

化繊素材の特徴

価格・・・安い

重量・・・やや重い

容量・・・やや大きい

メンテナンス性・・・あまり手がかからない

両者を比べてわかるように「価格は安く、コンパクトで軽くてメンテナンスの必要がない」このような都合のよい寝袋(シュラフ)はありません。

寝袋(シュラフ)を選ぶ際は次の5つをチェックしましょう。

●持ち運びやすさ

●サイズ 

●寝心地や肌触り

●メンテナンスのしやすさ

●季節(快適温度や限界温度)

持ち運びやすさ

持ち運びやすさを重視するなら、コンパクトで軽いマミー型がよいでしょう。中綿は軽さをとるならダウン、タフさなら化繊です。どちらも畳むのにコツがいるものの、専用の袋に詰め込めば驚くほど小さくなります。

荷物をあまり積めない自転車やバイクのツーリング一人旅、登山などのソロキャンプにはかさばらないマミー型を選びましょう。

一方、車で行く家族キャンプは、それほどコンパクトさを求める必要はありませんので、封筒型やエッグ型が向いているでしょう。こちらも専用の袋に収納すればそこそこ小さくなりますし、持ち手がついているので、持ち運びに困ることはありません。

サイズ

寝袋(シュラフ)は使用者の体型や使用用途に合わせて、複数のサイズから選択できます。

封筒型ならシングル、ダブル、キングなど布団と同じようにラインナップが用意されており、同じメーカーのモデルなら複数を接続することが可能です。通常はシングルを人数分用意するとよいでしょう。小さいお子さまがいる場合は、お子さまの人数分をダブルにすると親子でゆったり使えます。

マミー型とエッグ型はそれぞれ身長に応じたサイズが用意されています。機能的にはぴったりのサイズを選ぶのが最適であるものの、閉塞感を避けたい、寝相が悪い場合は1サイズか2サイズ大きめを選ぶとよいでしょう。

寝心地や肌触り

寝心地や肌触りにこだわるなら、封筒型が最適です。封筒型の裏地に使われる素材には綿100%(コットン)があり、中綿に品質のよい化繊や高価なダウンを選べば、家の布団と遜色ないほど寝心地はよいでしょう。

マミー型やエッグ型にはインナーシュラフを使うことで、寝心地や肌触りがよくなります。寝心地を考えると中綿はダウンがやや優勢といったところですが、最近の化繊は品質が向上し、ダウンの性能に迫ってきました。

メンテナンスのしやすさ

メンテナンスのしやすさは、全ての寝袋(シュラフ)に共通して化繊に分があります。化繊は濡れに強く、洗濯可能。多少雑に扱っても問題ありません。ダウンは濡れに弱くカビが発生しやすいため、こまめに陰干しして、湿気を飛ばす必要があります。ダウンは化繊と違い、洗濯はできないものもあるので注意しましょう。

季節から選ぶ

寝袋(シュラフ)は「夏用」「冬用」「3シーズン用」の中から季節に応じて選びましょう。その中でも最初に購入するのは、3シーズン対応モデルがオススメ。冬以外の季節は使用できますので、使い勝手は抜群です。

またどのタイプの寝袋(シュラフ)にも、快適温度と限界温度(下限温度)が設定されています。一般的には限界温度(下限温度)を基準に選ぶのですが、表示されている温度だと実際は寒すぎるので、プラス5度を目安に選びましょう。

キャンプ以外での寝袋(シュラフ)の使い道

寝袋(シュラフ)には、キャンプのテント泊以外に「防災グッズ」や「急な来客用」としての使い道もあります。キャンプに行かない時でも使わないともったいないので、フル活用しましょう。

防災グッズとして活躍!

寝袋(シュラフ)は防災グッズとして用意しておけば、非常時に活躍します。避難所で寝泊まりを余儀なくされた場合、貸し出された毛布ではなかなか寝られないですよね。使いなれた寝袋(シュラフ)があれば睡眠をとりやすいので、疲れを軽減してくれるでしょう。

来客用として常備!

急な来客の場合、布団を用意できないこともあるのではないでしょうか?

そんな時は寝袋(シュラフ)を常備していれば安心です。相手によっては失礼に当たるでしょうが、友人なら逆に喜んでくれるかもしれません。

または自分の布団をお客さまにお貸しして、自分で寝袋(シュラフ)を使えば寝袋(シュラフ)で寝る練習にもなるので、一石二鳥です。

まとめ

快適にキャンプを満喫するには寝袋(シュラフ)は必須です。

とはいえ、無理に最初は高価なものを購入しなくても大丈夫。キャンプを重ねていくうちに自分に合ったタイプがわかってきます。予算を抑えつつも最適なモデルを選ぶことで、慣れないテント泊でも快眠できるでしょう。お気に入りの寝袋(シュラフ)があれば、テント泊の醍醐味を味わえますよ。

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