2022年01月03日

ヒヤシンスを水耕栽培で球根から育てる方法を紹介! 下準備と注意点も

by DCM 編集部

公開:2022.01.03 11:00 更新:2022.01.05 11:52

水耕栽培で育てる花といえば、まず一番に名前が上がるのがヒヤシンスです。学校でヒヤシンスの水耕栽培をやっていたというかたもたくさんいらっしゃるでしょう。

そこでこの記事では、ヒヤシンスを育てるコツや水耕栽培に適した品種や球根の選び方、具体的な栽培方法や水耕栽培の注意点などを解説します。

ヒヤシンスを水耕栽培する前に知っておきたい下準備

ヒヤシンスを上手に育てるためには、ヒヤシンスという植物について知らなければなりません。

ここではそれぞれの項目についてご紹介します。

ヒヤシンスってどんな植物なの?

ヒヤシンスは耐寒性秋植え球根として、球根の状態から育てることが多い植物です。

原産地は地中海沿岸からアフリカ・ヨーロッパ・中央アジアなどで、世界中に幅広く分布しています。なかでも地中海沿岸地域に分布している品種は耐寒性が強く、現在はこちらが園芸用として主に流通しています。

ヒヤシンスは涼しい場所を好み、寒さにめっぽう強く暑さには弱いというのが特徴です。ヒヤシンスにとっての適温は大体10〜20度までとされています。

秋から冬にかけて栽培を始めれば、春先には香りのよい花を咲かせます。原種本来の花色は青紫色のみなのですが、園芸品種には暖色から寒色までさまざまな色彩の花が濃淡豊かに揃います。

発芽前に冷蔵庫で冬を疑似体験させよう

ヒヤシンスの水耕栽培を始める前に、球根をしばらく冷蔵庫に入れておくと綺麗な花が咲くとされています。なぜなら春咲きの球根は冬の低い温度を体験しないと、花芽をつけないという性質があるからです。

たとえば冬になっても気温が下がりきらず、よく暖房を入れているような室内で育てた場合、冬でもヒヤシンスが花を咲かせないということもありえます。

なので綺麗に開花させるために最低でも1ヶ月間、5度以下の寒さに当て続ける必要があります。発芽前の球根を冷蔵庫に入れておき、1か月以上たったら冷蔵庫から取り出して栽培を始めるのです。

そして冬が終わったと判断してヒヤシンスは次第に花を咲かせるための準備を始めます。

これを球根の春化処理といいます。

実際に育ててみよう! ヒヤシンスの発芽から開花までの手順

それでは実際に、水耕栽培でヒヤシンスを育ててみましょう。

ここではヒヤシンスの発芽から開花までの手順をご説明します。ヒヤシンスを水耕栽培で育てたいというかたは、ぜひ参考にしてください。

水耕栽培容器とヒヤシンスの球根を用意する

まずはヒヤシンスの球根と、水耕栽培用の容器を準備しましょう。ヒヤシンスの水耕栽培に最低限必要なものはこれだけです。そのためヒヤシンスの水耕栽培は気軽に始めることができます。

最近では水耕栽培用のガラス容器も専用のおしゃれなものがたくさん売られていますよね。花が咲いたときにとても綺麗なので、おしゃれな瓶型の容器を選んでみるのもよいでしょう。

ヒヤシンスの球根と水耕栽培用の容器が揃ったら、いよいよ球根の春化処理を始めます。もし冷蔵庫に瓶が入らなければ、発芽するまで小さめの容器に入れておいても構いません。水を入れた容器に球根をセットして、しばらく冷蔵庫で保管します。

ただし冷蔵庫に入れている間も水は入れ替える必要があります。水が傷まないよう、3日に1回は取り替えるようにしてください。

1ヶ月経ったら日当たりの良い場所に移そう

冷蔵庫に入れて1ヶ月後、すでに芽や根が出ている状態だと思います。次にヒヤシンスを日当たりの良い、なるべく温度が一定の場所に移してあげましょう。

ヒヤシンスは日光がとても好きな植物です。きちんと発芽しても、日光が足りなければいつまで経っても花は咲きません。日当たりが足りていないと茎が伸びすぎてバランスが悪くなったり、曲がってしまい見栄えが悪くなったりもします。

室内で日当たりが良くて、あまり気温が上がらない場所を探すのは少し難しいかもしれません。できればヒヤシンスの栽培を始める前に、家のどのあたりに置くのか決めておくといいでしょう。たとえば洗面所や玄関、廊下なども置き場所としてはいいかもしれません。

もしヒヤシンスを育てたい花瓶を用意してあるのなら、このときに移してしまうとよいでしょう。

土耕栽培とは違う? ヒヤシンスを水耕栽培するときの注意点

水耕栽培でヒヤシンスを育てる場合、土耕栽培をおこなうときと違うポイントがいくつかあります。どのようなことに気をつければよいのでしょうか。

育ちやすい品種を選ぶ

ヒヤシンスにはさまざまな品種が存在します。そのためヒヤシンスの水耕栽培に挑戦するのなら、それに適した品種を選ぶことが重要です。

ヒヤシンスの中でも、ダッチヒヤシンスという品種がおすすめです。ダッチヒヤシンスは生えてくる茎が一本だけという特徴があります。他の品種だと茎が複数本になることもあり、重みで容器が倒れてしまうことがあるのです。

またその中でもすでに芽が出始めている、芽出し球根といわれるものが育てやすいです。ヒヤシンスの水耕栽培は、芽を出すまでがもっとも大変だと言われています。芽出し球根を選ぶことにより、栽培に失敗する可能性がグッと下がります。

育ちやすい球根を選ぶ3つのポイント

球根を選ぶ際は、店頭で直接見ながら購入すると失敗する確率を減らすことができます。

球根を選ぶならまずずっしりと重みがあり、大きいものを選びましょう。次に球根の底にある根が出る部分に、傷が付いていないかよく確認してください。そして球根が分かれているものではなく、1つの球根になっているものを選ぶのがポイントです。

この3点を守って球根を選べば、その後の栽培もきっと上手くいくことでしょう。

根を水に浸しすぎない

ヒヤシンスを水耕栽培で育てる際には、根っこの部分を水に浸しすぎないように注意してください。なぜなら植物は根の部分からも呼吸をおこなっているからです。

球根がすっかり浸かってしまうほど水を入れていると、カビが生えたり腐ったりしてしまう危険性が高くなります。そのため根っこが少し水から出るくらいの水位がベストです。

球根は再収穫できない

実は水耕栽培の場合、土耕栽培と違って球根を再収穫することができません。水耕栽培だと一度の開花に球根の栄養を全て使い切ってしまうので、何度も花を咲かせることができないのです。

そのため水耕栽培で綺麗に花を咲かせることができても、そのあと新しい球根ができることはありません。水耕栽培の球根は使い切りだと思って楽しむのがよいでしょう。

まとめ

ヒヤシンスは水耕栽培でも育てやすい植物です。水耕栽培に適した品種や球根を選んで春化処理をおこない、適切な環境で育てれば初心者のかたでも失敗しにくいでしょう。

ヒヤシンスの水耕栽培をする際に必要な商品は、ホームセンターでも多数取り扱っています。興味があるかたはぜひ関連商品をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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