2021年01月13日

〈柴犬の特徴〉健康アドバイス

by マース ジャパン リミテッド

公開:2021.01.13 09:00 更新:2021.10.04 16:23

〈獣医師アドバイス〉 
ワンちゃんの健康な状態をチェックしておきましょう

普段の体重や、体温、心拍数、呼吸数を、日頃から計っておきましょう。体調が悪い時には、これらのどれかが、異常を示すことがままあります。食欲、尿の量、便の固さなどのチェックもかかさず行うようにしましょう。体重や平均体温などは、あくまでも目安です。数値が当てはまらないからといって神経質になりすぎないように。

こんな病気に気を付けて

●コミュニケーションで病気を早期発見

犬は我慢強いうえに、人間のように痛みや苦しさを言葉で訴えることができません。愛犬の異常にすばやく気づくためには、普段からコミュニケーションをしっかりと図り、便の状態や体重などをチェックしておくとよいでしょう。

●便のチェック

毎回確認 ペットフードの選び方を参照

●体温チェック

平均体温は38.6~39.2℃。

●脈のチェック

後脚の付け根の股動脈に軽く手をあてて測ります。脈拍は1分間に60~80回。2、3回測って平均値を見ます。

●柴犬のかかりやすい病気と症状

症状に思い当たる場合は、様子を見て病院へ。

⚠脱毛する・皮膚が腫れる・傷ができるほどひっかく

■被毛や地肌のトラブル

アレルギー性皮膚炎は気をつけたい病気のひとつです。化学繊維、食べ物、植物などに体が過敏に反応することでかゆみや発疹、脱毛などが起こります。かゆくて噛んだりひっかいたりした傷で二次的な感染をおこすことも。ノミが原因の場合は、ノミの駆除や環境の改善が必要です。また、アレルギーに配慮した食事を選ぶことも大切でしょう。アレルギー以外でも、被毛や地肌をより良い状態に保つために、普段からのお手入れや食事の管理には気をつけたいものです。

⚠目が白く濁ってくる・物にぶつかる

■若年性白内障

目のレンズ(水晶体)のたんぱく質が変性して、白く濁る病気です。老齢犬に多いのですが、6歳以下の若いうちから発症するものは遺伝性疾患です。予防法も治療薬もありませんが、変性した水晶体を犬用の眼内レンズと入れ替える手術が広まってきています。

⚠発育が遅れている・息が荒い・元気がない・咳をする

■心室中隔欠損症

先天的に心臓の中の壁(右心室と左心室の間にある壁)に穴があいている病気です。穴の大きさによって、心臓や肺にさまざまな障害が起こります。心室を隔てる「中隔」は、出生前に発達して穴が閉じますが、閉じないまま生まれてしまうと、血液が逆流して心肺に負担がかかります。穴が小さければ症状が出ないこともありますが、穴が大きい場合は早急に手術が必要になります。早く手術することで、健康な犬と同じくらい長生きできる可能性が高くなります。心室中隔欠損症は先天的な病気で予防ができないため、子犬を注意深く観察し、早く発見・治療することが大事です。

⚠ぼんやりすることが多い・夜鳴きする・失禁する・歩き方がおかしい・性格が変わった

■認知症(痴呆)

柴犬は認知症の発症率が最も高い犬種です。老化に伴い、脳が委縮したり、神経毒性のある物質が脳に沈着することなどで起こると考えられています。DHAなどのオメガ3脂肪酸を含むフードやサプリメントによって、症状の改善や進行の抑制が期待できます。症状によっては薬物投与も行います。完治は難しい病気ですが、飼育環境の改善(ものにぶつからないようにする、サークルに入れるなど)や栄養管理、毎日の運動や声をなるべくかけてあげるなどのケアが重要です。

⚠元気がない・疲れやすい・寒がる・皮膚が黒くなる・食欲が増す

■甲状腺機能低下症

体の代謝を活発にする働きを持つ甲状腺ホルモンの分泌が減少する病気です。元気がなくなってきたり、寒がりになったり、皮膚が黒ずんだり乾燥してフケが出たりします。体重が増えることもあるので、飼い主に病気と気づかれないことが多いようです。重症になると、意識障害を起こすこともあります。予防法はありませんので、早期発見・早期治療が大切です。治療は甲状腺ホルモン製剤の投与です。他の原因で発症したもの以外は、生涯にわたって治療を続ける必要があります。

肥満防止

●愛犬を肥満から守るのは飼い主の役目

柴犬は、肥満に気をつけたい犬種です。肥満は、腰や脚、心臓への負担を大きくし、糖尿病をはじめ様々な臓器の疾患と結びつきやすくなります。 肥満は毎日の食生活や運動の管理次第で防げるものです。愛犬がいつまでも健康で元気な日々を送れるよう、しっかりとした健康管理を心がけてあげましょう。

体型チェック

愛犬を上から見たときの形で、太りすぎかどうかがわかります。

太りすぎ

肩幅から腰幅へのラインが、楕円のような状態。腰のくびれがなく、身体に触れても肋骨や背骨が感じられない。

標準

肩幅から腰幅へのラインが腰の部分でくびれているのが見た目でわかる。肋骨の位置をさわると脂肪の下に骨を感じる。

やせすぎ

腰がひどくくびれている。肋骨も背骨も浮いて、見ているだけで位置がわかる。

提供元:マース ジャパン リミテッド

http://www.promanage-pet.jp/

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