2021年03月01日
by DCM株式会社 |
公開:2021.03.01 16:50 更新:2021.10.04 16:23
「桃の節句」、「弥生の節句」ともいわれる3月3日のひな祭りは、女の子の美しい成長と幸福を願うものです。ひな祭りの由来、お祝いの方法、ひな人形の飾り方、ひな祭りにいただくお菓子やお料理の意味について、あらためてご紹介しましょう。ひな祭りに関する疑問にもお答えします。
ひな祭りはもともと五節句のひとつ、「上巳(じょうし)の節句」でした。この日は古代中国では忌日(いみび)とされ、そのけがれを祓うため水辺で体を清め、厄払いが行われていたのです。それが平安期頃に日本に伝わり、土や紙の人形にけがれを移して水に流す「流しびな」の行事となり、貴族の子どもたちの間で「ひいな遊び」というお人形遊びとなりました。
これが節句となり、ひな人形を段飾りにして、美しく飾って祝うようになったのは江戸時代になってからです。もっとも、そのような形でお祝いを行ったのは、武家や貴族だけでした。この慣習が一般家庭に定着したのは、明治以後のことです。
ひな人形は初節句に妻側の実家から贈るのが以前のしきたりでしたが、現代ではこだわる必要はありません。豪華な段飾りのひな人形は、飾るにも収納するにも場所をとることから、住宅事情に合わないケースもあります。祖父母が張り切って豪華な段飾りを贈っても、贈られた側が困ってしまうことも。事前に率直な意向を確かめ、希望に添う品を贈ることが大切です。「好みの人形を買って」と現金を贈るのも一つの方法。この場合、金包みの表書きには「祝御初節句」とします。
その他の人が初節句やひな祭りのお祝いに招かれたときは、春の花のアレンジなど品物でお祝いをするのが基本です。適当な品物がなく現金を贈る場合は、表書きを「桃の花にかえて」などとするのがよいでしょう。
女の子が生まれて初めて迎えるひな祭りが初節句。祖父母や親しい方をお招きしてお祝いをしましょう。当日は、部屋にひな人形を飾り、桃の花や菜の花などの春の花を彩りに祝い膳を囲みます。祝い膳はちらし寿司に、はまぐりのお吸い物が定番。はまぐりの殻は他の貝の殻とは決して合わないため、貞節のシンボルとされてきました。さらに焼き魚や春野菜の小鉢などを添えて春らしく整えます。茶菓のもてなしは、ひし餅とひなあられ、よもぎ餅、干菓子などを用います。
きらびやか段飾りは、ひな人形と聞いて誰もがイメージするもの。元禄時代には武家の婚礼道具のひとつとして、その豪華さが競われたといいます。庶民に広まったのは明治時代になってから。段飾りは増減してもいいのですが、奇数を吉とする考え方から、五段、七段など奇数段にします。
「内裏びな」を飾ります。内裏びなとは、お殿様とお姫様。一番上段に座ることで地位の高さを表現しています。金屏風を背景にぼんぼり、桃花酒または白酒などを飾ります。向かって左側に男びなを配するのは、欧米のマナーに基づく並びかたで明治以降の習慣。武士の時代は、刀をさす左側に女性がいるのは危険というので、逆に並べていました。
「三人官女」の段です。両脇に立ち姿、中央に座り姿を配置。左から銚子(ちょうし)、三方(さんぽう)、提子(ひさげ)を持ち、お祝いの白酒を供します。
「五人囃子」の段です。打楽器に笛という能楽のお囃子で、左から太鼓、大鼓(おおつづみ)、小鼓、笛、謡と、鳴り物の大きな順に並びます。笛や太鼓で結婚式を盛り上げています。
「随身(ずいじん)」の段です。右大臣は若く、力を司り、人や家を守ります。左大臣は文武両道で知性を持った老人。2人の間にひし餅やひなあられを置きます。
「仕丁(じちょう)」の段です。仕丁とはいろいろなお世話をする係で、掃除に使うほうき、ちり取り、熊手をそれぞれ手に持っている場合も。泣き上戸、笑い上戸、怒り上戸のトリオです。
婚礼道具の段です。たんす、鏡台、長持ち、お針箱、茶の湯道具、火鉢など日常に使う道具が並び、当時の婚礼の道具が想像できます。
かご、重箱、御所車などを並べます。段全体に敷いた緋毛氈(ひもうせん)は、華やかさを演出するとともに、天然痘よけ、蚤よけの意味も込められています。
男びなと女びなの二人だけが座るシンプルなひな飾りを「親王飾り」といいます。コンパクトでスペースをとらず、飾りつけも楽なため昨今では人気があり、もっとも需要の高いひな飾りです。
ひな飾りにはひし餅と桃の花を添え、白酒で祝いますが、これにも意味があります。ひし餅はひし形になっていますが、これは心臓を表すとも、桃の葉を表すともいわれています。ひし餅の色の白は雪、赤は花、青は若草、黄色は紅葉を意味し、四季を表現しているのです。桃の花は、中国では長寿のシンボルとされています。門にさしておくと邪気を払うという言い伝えから、祝い花として使われるようになりました。飲み物は、以前は桃の花を刻んで入れた「桃花酒」が用いられていました。白酒はその名残りです。
ひな人形は立春を過ぎた頃から2月中旬、遅くとも3月3日の一週間前には飾りつけ、4日の午前中には片づけたいものです。ただし、人形のためには晴れた日に片づけた方が良いので、4日が雨であれば翌日にしてもいいでしょう。飾りつけや片づけは、子どもと一緒にやりたいものです。「人形が汚れるから触らせない」ではなく、幼いうちから「これはとても大切なもの」と伝え、正しい取り扱いを教えましょう。そうすることで日本の文化を伝え、物を大切に扱うことを教えることになります。
ひな人形は、子どもの代わりに厄を背負ってくれるといわれています。本来は子ども一人ひとりがそれぞれのおひなさまを持ち、別の人から譲ってもらうこともNGとされています。しかしながら飾るスペースや予算など現実的には難しいもの。たくさんのひな人形を飾れない場合はミニびなや市松人形を飾ってもよいでしょう。市松人形はもともと親戚や親しい人からの贈りものでしたが、一人一対のおひなさまを飾ることが難しい姉妹に、二人目から市松人形を贈り、飾る場合が多く見られるようになりました。
「伝統の作法と最新マナー 冠婚葬祭常識辞典」、「日本行事を楽しむ12ヶ月 くらしの歳時記」、「子連れのマナー&おつきあい大正解BOOK」(すべて主婦の友社刊)より
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