2021年07月12日
by DCM 編集部 |
公開:2021.07.12 11:00 更新:2021.10.04 16:23
楽しみに植えた花や野菜に突然襲ってくる病気や害虫。
ふと葉を見てみると、白色の斑点や、うっすらと白い粉をまぶしたような見た目になっていることはありませんか?
その正体は「うどんこ病」。
あらゆる植物に発生するうどんこ病は、家庭菜園やガーデニングを楽しむ方の天敵です。
今回は、そんな厄介な病気である「うどんこ病」について徹底解説します。
花・野菜がかかる病気は大きく「カビによる病気」と「ウイルスによる病気」、そして「細菌による病気」の3つに分けられます。
一般的に糸のように細胞を伸ばして胞子をつくる「糸状菌(しじょうきん)」のことを指し、植物の病気のうち約8割はカビが原因と言われています。
基本的に糸状菌はジメジメした蒸し暑い場所を好むので、梅雨時期は注意が必要です。
うどんこ病はこの「カビによる病気」の代表格とも言えますが、実はこのうどんこ病に関しては高温多湿を好むカビの中でも例外で、うどんこ病のカビは空気が乾燥した環境を好みます。
植物の生きた細胞で増殖し、植物の代謝機能を乱すことで病気を引き起こすのが特徴です。
ウイルスには、接触伝染・種苗伝染・土壌伝染で感染する「桿状(かんじょう)タイプ」、昆虫伝染と接触伝線で感染する「ヒモ状タイプ」、そして昆虫伝染でしか感染しない「球状タイプ」がありますが、どれも電子顕微鏡でないと確認ができないほど非常に小さく、発症した際の症状も似ているため、詳しいウイルス名を特定することはとても難しいです。
「ウイルスによる病気」で最も多いのが、「モザイク病」と呼ばれるものになります。
ウイルスのように球状タイプやらせん状タイプなど種類があり、植物につく細菌のほとんどは桿状(かんじょう)タイプです。細菌は、自ら植物の中に侵入することはできず、傷口や害虫が食べた形跡から侵入してきます。
「細菌による病気」の怖さは、その感染スピードです。植物の中に侵入した後は、ものすごい勢いで細胞分裂を繰り返し増殖、短期間で病気を引き起こします。
有名なところだと、青枯病や軟腐病、そうか病、根頭がんしゅ病などがこれに当たります。
多くの植物に発生するうどんこ病。特に野菜の場合はウリ科に被害が出やすいと言われています。
植物に寄生して菌が増殖し、ある程度全身を食いつくしたと感じた時に外に飛び出します。それが白い粉のような症状です。
ただし、うどんこ病は植物の表面でしか繫殖することができないため、割と発病初期のタイミングでも発見することができ、対策をすぐにとることができます。
土や落ち葉の中にひっそりと隠れているカビが、風に飛ばされて植物につくことで感染が広がっていきます。
ただし、植物によってうどん粉病の菌の種類が異なってくるので、同じ花・野菜でも、系統が異なると寄生できません。
うどんこ病は水や高温下に弱く、乾燥した環境が好きなため、梅雨と真夏以外の時期に多く発生してしまいます。
また、うどんこ病は落ち葉の裏やなどに寄生して越冬する場合があり、そうなると春の新芽にも影響を及ぼす可能性があるので、しっかりとした対策や対応が必要になってきます。
前述したとおり、うどんこ病は同じ種類の植物には感染しますが、系統が違う植物には感染しません。例えばきゅうりに感染したのち隣のカボチャに胞子が飛んでもカボチャには感染しません。
この性質を逆手にとって、西洋系や伝統品種など、多品種栽培をすると感染のリストを減らすことができます。
また、うどんこ病に限らずあらゆる病気への対策とはなりますが、病原菌を寄せ付けないために、元気な土や苗を作ることがとても大切です。バランスの良い肥料やりなどを心がけましょう。
どんなに対策をしても、どうしてもうどんこ病が発生してしまう可能性があります。
うどんこ病がまだ白い斑点程度の軽度な症状の時は、その部分を切り落として処分してあげるだけで症状が治まる場合があります。切り落とした葉などはゴミ箱などに入れてしっかりと処分しておきましょう。地面に捨てたままだと、他の同じ植物に感染してしまう可能性があります。
うどんこ病を治療する方法は大きく分けて2つ。
それは、化学成分を使いたくない人向けの「自然派薬剤」と徹底的に病気を治療したい人向けの「一般薬剤」です。
野菜を育てている方で、口に入るものにはなるべく化学成分を使いたくないと感じている方も多くいると思います。
化学成分が入った薬剤を使わないとうどんこ病を治療できないのか?というとそんなことはありません。
天然成分でつくられた製品や、有機JAS規格(オーガニック栽培)に認定された製品もたくさんあるので、そういったものを使ってあげれば、農薬をまくこと自体に抵抗を感じる方でも安心して治療をすることができます。
うどんこ病を治療したい方におすすめの「自然派薬剤」商品を紹介します。
商品を購入する際は、必ずパッケージに記載してある「作物名」と「適用病害名」を確認して、うどんこ病が発症した育てている植物に効果があるのかを確認するようにしましょう!
木酢液とは、燃やした木炭から発生された煙を冷やして液体にしたもので、茶色く独特のにおいがします。
病気が広まる初期段階のうどんこ病の場合には、木酢液でも症状が抑えられる場合があります。
使用する際は、約200倍に水で希釈してからうどんこ病が発生している植物にスプレーでかけてあげましょう。ただし、商品によっては希釈率が違う場合もあるので、使用前に必ず説明書きに沿って希釈してくださいね。
木酢液は病気予防・抑制に限らず、土の活性化や発育促進など様々な用途があるので、1つ持っているととても便利です。
カリグーンは炭酸水素カリウムという人にも環境にもよい成分を主成分としている、有機JAS規格(オーガニック栽培)にも使える薬剤です。
うどんこ病の予防効果はあまり期待できない商品ですが、発病直後の早期治療には優れた効果を発揮する商品です。
植物の種類にもよりますが、使用する際は約800倍前後に希釈してからスプレーで散布してあげましょう。
その際に、薬ののりを良くするために展着剤を混ぜてあげると、より植物にしっかりと散布されます。
主にトマトなどの野菜類や、花き類・観葉植物のうどんこ病に効果があるとされています。
有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能な食品成分から生まれた殺虫殺菌剤です。
イヤな臭いがしない点もおすすめポイントで、野菜の収穫前日まで使えて、使用回数の制限もありません。
希釈を必要としないスプレータイプなので、購入後すぐに使えることができとても簡単です。
2種類のノズル(ワイド・集中)を切り替えて使えて、そのノズルから噴霧される薬剤がうどんこ病をしっかり包み込んで退治します。化学合成殺虫剤に抵抗性のある害虫や耐性のある菌にも効果的です。
主に、果樹、野菜、いも類、花き類・観葉植物のうどんこ病に効果があるとされています。
花や観葉植物で観賞用だから、徹底的に病気を治療して美しい状態にしたいと考えている方などには、「一般薬剤」がおすすめです。
一般薬剤のメリットとしては、その種類がたくさんあるという点です。
うどんこ病に限らず、様々な病害虫に対して専門的な薬剤があったり、粒剤やスプレー、希釈型やクリームタイプなど育てている場所や環境に合わせて様々な方法の治療を選択することができる点も大きなメリットと言えます。
うどんこ病を治療したい方におすすめの「一般薬剤」商品を紹介します。
しつこいようですが、商品を購入する際は、必ずパッケージに記載してある「作物名」と「適用病害名」を確認して、うどんこ病が発症した育てている植物に効果があるのかを確認するようにしましょう!
知る人ぞ知るロングセラー商品のトップジンMは、実は農家さんなど広範囲で育てている方がよく使用していて、世界約80か国でも認められた純国産の殺菌剤なんです!このレトロなパッケージがその信頼を物語っている感じがしますよね。
トップジンM 水和剤は、その名の通り水で希釈してからスプレーで使用するタイプです。
うどんこ病に限らず、黒星病や灰色かび病、炭疽病などにも効果があります。
こちらも水で希釈してからスプレーで使用するタイプの薬剤ですが、乳剤なので計量がしやすく、散布後の葉の汚れも少ないため美しく育てた花の見た目を邪魔しないという点が特徴の予防治療薬です。
STサプロール乳剤は、特にバラの黒星病というバラにとってとても厄介な病気を治療することに優れた効果を発揮する商品ですが、ピーマンやきゅうり、なすといった野菜のうどんこ病にも効果があります。
特に、うどんこ病発症の初期症状のタイミングで散布すると効果的です。
お客様の声から生まれた「ベニカXネクストスプレー」は、なんと世界初の5つの成分を配合したスプレータイプの薬剤です。その5つの成分とは次の通り。
・すでに抵抗性を持ってしまった病害虫に効く、殺虫殺菌成分の還元澱粉糖化物
・害虫をノックダウン効果で素早く退治する、殺虫成分のペルメトリン
・退治が難しい大きく成長してしまった害虫にも効く、殺虫成分のピリダリル
・雨に強く殺虫効果が続く、殺虫成分のクロチアニジン
・葉に浸透した殺菌成分が病気を防除し雨が降っても効果がある、殺菌成分のマンデストロビン
そのほかにも、ワイドやフォーカス、逆さ散布にヘッドの散布パターンを変更できたりと、これ1本で様々な病害虫の防除ができる優れものです。もちろん、うどんこ病にも効果があります。
希釈する必要がないスプレータイプなので、初心者の方でも簡単に使うことができます。
あらゆる植物に襲ってくる「うどんこ病」ですが、普段から育てている植物の様子を観察しておくことで、うどんこ病も初期の段階で発見することができます。
初期段階の発症であれば、葉をちぎったり、殺菌剤をかけてあげるだけで効果がでる場合があるので、なによりも早期発見・早期対応が大切です。
うどんこ病についてしっかりと理解することで、いつ発症してしまったとしても落ち着いて対処できますよね。
楽しい家庭菜園・ガーデニングライフを過ごしてください♪
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