2022年01月03日
by DCM 編集部 |
公開:2022.01.03 16:00 更新:2022.01.05 13:57
パクチー(コリアンダー)は、ミントやバジルといったハーブ(香草)の仲間になります。そして水耕栽培の初心者には、生命力が強くて「手間を掛けずとも育ちやすいハーブの栽培がよい」とされています。
しかし「ハーブの仲間だから強いし簡単だろう」といった軽い気持ちで始めると、ほとんどの確率で失敗する結果が待っています。
たとえば「日陰に置いておけば大丈夫」と勘違いしていたり、発芽に必要な温度を知らないまま、手を出してしまうのは危険です。今回は育てる際に必要なポイントから有名な料理まで、詳しく解説しましょう。
パクチー(コリアンダー)を育てる方法で、最も簡単なのは水耕栽培の専用キットを購入することでしょう。しかし「なるべく安価で済ませたい」と考えるならばペットボトルを用いることをおすすめします。
ペットボトルを立てて、上から1/3の部分でカットして飲み口のついた上部を180度反対に向け、下部に差し込みます。
そして下部に液体肥料を混ぜ込んだ水溶液を溜めておき、飲み口の部分を通して根をその水溶液へと浸しつつ、お椀型となった上部に苗が収まるようになってくれるでしょう。
苗がストンと落ちてしまわないように、ホームセンターなどで購入したスポンジで固定してあげると、簡易的な水耕栽培キットの完成です。
種を買ってきて育てようと考えている人のなかには「思ったように発芽してくれなくて困った…」と、望んだ結果が得られないケースが意外と多いようです。
ここでは、水耕栽培でパクチー(コリアンダー)の種を発芽させるために、気を付けるべきポイントをいくつか紹介しましょう。
ホームセンターなどでも売っているスポンジを用いることが、意外にも成功の秘訣といえるでしょう。3センチ角に切って、タッパーなどの容器にそれらを並べ、液体肥料を混合した水溶液に浸します。
その上に種を置くだけで、スポンジが種へと栄養を届けてくれるので、発芽がうまくいきやすくなるでしょう。ただし、根をしっかりと張ることができるように柔らかいものを選ぶことが大切です。
「柔らかさの基準が分からない」という場合は、ホームセンターなどで植物栽培用のスポンジが売っているので、それを購入するとよいでしょう。
切り出した1つのスポンジ培地に対して、種を2~3個植えてみるのも一つの手段です。すべての種が上手に発芽してくれる訳ではないからです。それに種は隣り合っているほうが発芽しやすい特性があります。
うまくいけば1~2週間もすると発芽してくれるはずです。
種は硬い殻で覆われているので、それをハンマーなどで軽く叩いて2分割しましょう。述べたような方法でスポンジ培地に植えると、発芽が成功しやすくなるでしょう。
「ハンマーだと粉々になってしまう」と心配されるかたは、ハサミを使って種の真ん中で切るとよいです。また、すりこぎ棒を使って潰す方法もよいでしょう。
そして、最も重要なことは発芽に必要となる温度です。15~20度の気温がベストなタイミングといえるので、時期を見計らって取り組むことを覚えておきましょう。
水のあるところに必ずついて回る問題がカビです。カビが発生してしまうとうまく生育してくれません。そのため、水耕栽培をする時は換気のよい場所に植物を置きつつ、定期的に容器を洗って清潔さを保ちましょう。
また、室内で育てると害虫がよってくる確率はグンと減ります。しかし、残念なことにそれでもハダニやアブラムシが発生するケースが考えられます。
外出時に衣類などについた虫が葉で繁殖するケースが考えられるからです。対策としては、霧吹きなどを用いて葉を洗い流すように水を噴霧してあげましょう。乾燥しやすい場所ならば、こまめに水を掛けることが大切です。
さらに、ペットボトルのなかで藻が繁殖するケースもあります。藻は液体肥料を栄養とし、日光を浴びることで発生するのである程度は仕方ないのですが、大量発生を抑えるためにこまめに水を入れ替えましょう。
ここまでで、パクチー(コリアンダー)に対する理解はかなり深まったと思います。それでも水耕栽培に挑戦することをためらっているかたもいるかも知れません。
そういったかたの背中をもう一押しするために、この項では簡単に育てるコツをいくつか紹介しましょう。
先の項でも述べましたが、発芽するのにベストな気温は15~20度です。そのため、春か秋に始めるのが最適なタイミングといえるでしょう。なかでも寒暖の差が少ない秋がおすすめです。
パクチーは日光を好みますので、日当たりのよい場所で育ててあげましょう。必ずしも直射日光に当てる必要はなく、半日陰の場所に置いても大丈夫です。
水と液体肥料を混ぜ合わせた水溶液は、週に一度のペースで取り換えるようにしましょう。ただし、乾燥などで水かさが減ることも多いもの。水量が減ってきたり濁っているようなら、水を足してあげることが大切です。
ハーブが生育してきたら、摘芯することが大切です。そうすることで、わき芽が出てきて収穫量も増えてくれるでしょう。花が咲いてしまうと葉が硬くなったり枯れたりするので、そうなる前に摘芯をしましょう。
さて、水耕栽培でパクチー(コリアンダー)の収穫に成功したならば、今度は料理を楽しみたいですね。しかし、和食ではあまり使わないので、パクチー(コリアンダー)をどう用いればよいのか、悩む場合もあるでしょう。
いくつか代表的なメニューをピックアップしましょう。まずはベトナム料理の「フォー」です。米でできたヌードルで、食べ応えがあり香草がいいアクセントになってくれます。
次に、タイ料理のなかでも日本で人気のある「トムヤムクン」などはいかがでしょうか? エビを用いてスパイシーなナンプラー(魚醤)などの調味料で味付けしたスープです。これにもパクチー(コリアンダー)が欠かせません。
また、中華料理のなかでも激辛で有名な四川料理も、このパクチー(コリアンダー)が使われるケースが多いです。なかでも「火鍋」は肉団子のなかに混ぜ込むだけでなく、つけダレまで使用されています。
以上、パクチー(コリアンダー)をペットボトルで水耕栽培する方法に触れ、種を発芽させる方法やうまく育たないケースについて解説し、簡単な育て方と定番の料理について紹介しました。
パクチー(コリアンダー)の風味を苦手とする人も多いでしょう。しかし一度その味にハマってしまうと、抜け出すことが難しい、中毒性にも似た魅力のある植物でもあります。
冒頭でも述べましたが、ハーブの一種だからという理由であまりにも放置するような育て方をしていると枯れることがあります。押さえるべきポイントを踏まえて臨めば、きっとうまくいくことでしょう。
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