2020年12月31日

フライパンのハンドルの穴の秘密

by 和平フレイズ株式会社

公開:2020.12.31 19:40 更新:2021.10.04 16:23

ハンドルの裏側に穴が開いている理由

和平フレイズは今まで数えきれないほどのフライパンを販売してきました。

お客様から「フライパンのハンドルが折れてしまった」「ハンドルの裏の穴って何?」などハンドル部分に関するお問い合わせをいただくことが稀にあります。

フライパンに穴なんてあったっけ?と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。

穴っていうのは画像の丸で囲んだ部分のことですね。

実は、このフライパンのハンドルの裏側についてる小さな穴は大きな役割を果たしている必要不可欠なものなんです。

穴があけられている大きな理由としては2つあります。

①圧力を逃がすため

フライパンは少しでも軽くて使いやすいものが多くのお客様に好まれています。

フライパンの本体の重さだけをどんどん軽くしていくと、ハンドルとの重さのバランスが取れなくなってフライパンが手前に傾いてしまいます。

ハンドルの中身を空洞にして軽くすることで全体の軽量化を図り、バランスをとっています。

もし、このハンドルに穴をあけていないと加熱したときにハンドル内部の空気が膨張して破損してしまう可能性があり大変危険です。

穴をあけることでハンドル内部の圧力を一定に保っているんですね。

②水を逃がすため

また、この穴はフライパンのハンドル内部に水が溜まらないように、排水口としての役割も果たしています。一般的に「水抜き穴」と呼ばれています。

フライパンは基本的にハンドルと本体を部品で止めてくっつけています。

フライパンを洗ったときにネジ穴やパーツの隙間から水滴が入り込んでしまうと ハンドルやパーツの内部に水が溜まり、劣化の原因となってしまいます。

冒頭でも記述した「ハンドルが折れた」の問い合わせの原因の1つとなります。

この直径2mm程度の小さな穴は、ハンドルの破損を防ぎ、お客様の安全を守る重要な役割を担っています。

いろんなハンドルを比べてみた

さて、今回ノミネートしたのは全部で4つ。

①EZストーン 26 cm (ガス火専用)

業界最強(2017年10月時点)の耐摩耗性を持つコーティング剤を使用した軽くて丈夫なフライパン。

②ToMay(トゥーメイ)スクエアパン18×18 cm

かわいいガラス蓋付でマルチな使い方!

大人気ToMay(トゥーメイ)シリーズの新しいフライパン!

③Dish&Chill(ディッシュ&チル)IH対応オンザテーブルパン26 cm

“軽さ” “熱の伝わりやすさ”といったアルミの良さを生かした鉄スキレット風フライパン。

④enzo(エンゾウ)鉄フライパン22 cm

金物の町「燕三条」の職人たちによって生み出されたハンドルが美しい鉄製フライパン。

これら4つのフライパンのハンドルの裏側ですが実はそれぞれ異なります

左上:EZストーン(ガス火専用) 右上:Tomayスクエアパン

左下:Dish&Chill(ディッシュ&チル)  右下:enzo(エンゾウ)鉄フライパン

①穴の空いているフライパンを比較

EZストーンには大きなくぼみが、スクエアパンには小さな水抜き穴が空いていますね。

EZストーンはハンドルがかなり軽量化されているため、ハンドルが筒状ではなく水が入るところがない形状になっています。スクエアパンはよく見られる小さな丸ポチ穴です。

握りやすさやフライパンに求めるデザインも重要視される方を除けば、軽量化されていてハンドルも劣化しにくいのならEZストーンがいいのではないかと思われる方のほうが多いかもしれませんね。

②穴が空いていないフライパンを比較

一方でDish&Chill(ディッシュ&チル)とenzo(エンゾウ)には穴が空いていません。

もう少し詳しく見てみると、

Dish&Chill(ディッシュ&チル):ハンドルの中心にネジを刺して本体を止めているタイプ

enzo(エンゾウ):ハンドル内部にネジが通っていないタイプ に分けることができます。

「え、Dish&Chill(ディッシュ&チル)は穴が空いてないけど大丈夫なの??」

と思われる方もいらっしゃると思います。

この商品のように、ネジ1本分しか隙間のない木製で中身の詰まってるハンドルもあります。ハンドル内部への水の侵入や圧力による破損を極力抑えた、水抜き穴が必要のない構造になっています。

一方、enzo(エンゾウ)のハンドルは木製で内部が空洞になっておらず、穴をあける必要がないフライパンです。

4種類のフライパンを紹介させていただきましたが、水抜き穴には形が違うものや、そもそもハンドルに水抜き穴がついていないものなど様々あることがわかりました!

「じゃあ、何がおススメなの?」と聞かれても個人のフライパンの好みによるので一概に答えることができませんが、“水抜き穴”という機能の存在を知っていただけたことでほんの少しでもフライパン選びにお役立てできたらと思います。

フライパンの乾かし方

ハンドルを上にして乾かすと◎

「フライパンを乾かしているときに水抜き穴から泡がモコモコ出てくる・・・」

そう、水を抜くための穴なのに逆に水の侵入箇所になってしまう可能性もあるんです・・・。

基本的に水抜き穴が空いているフライパンは

①穴に水をかけないようにして洗う

②乾かすときはハンドルを上にして立てたり吊るしたりして乾かす

の2点に気を付けてお手入れしていただくとハンドル内部への水の侵入を防ぎ、また、排水がスムーズとなります。

水滴はゆっくりと膨らみ、やがて流れ落ちていくように排水されます。

※画像は水が抜けていく様子

正直、この穴があるからハンドルの中に入った水が乾ききるとも言い切れないですが、少しでも安全に、長くお使いいただくために必要なものとなっています。

おわりに

さて、かなりマニアックな内容のコラムとなってしまいましたが貴方の疑問の解決に少しでもお役に立つことができましたでしょうか?

私自身キッチン用品メーカーに勤めて3年が経ちましたが、実はこのコラムを書くまでフライパンの裏の小さな穴なんて気に留めたこともありませんでした。

しかしながら、こういった豆知識が1つずつ増えていく度に、自宅にある調理道具にも注目してみようと思うようになりました。料理好き男子として道具のことも語れるようになったらカッコいいですしね!(笑)

今後も調理道具の秘密をどんどん紹介していきたいと思っております。

最後まで読んでいただきありがとうございました!よろしければまた来てください!

提供元:和平フレイズ株式会社

https://www.wahei.co.jp

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