2020年08月31日

樹木や草花のさし木

by DCM株式会社

公開:2020.08.31 00:00 更新:2021.10.04 16:23

やってみよう!

さし木の基礎知識

さし木とは、枝・茎・葉・新芽など、親木の一部を切りとって発根させ、植物を増やす方法のことです。多種類の植物がさし木で簡単に繁殖できるので、試してみましょう。

さし木に適している植物

●針葉樹

スギ・ヒノキ・サワラ・ヒマラヤスギ・カイヅカイブキ・コノテガシワなど

●常緑樹

ツツジ・サツキ・サザンカ・ツバキ・イヌツゲ・アセビ・クチナシ・ジンチョウゲ・ナンテン・キンモクセイ・カクレミノなど

●落葉樹

アジサイ・ハナミズキ・ボケ類・イチョウ・コデマリ・ユキヤナギ・ムラサキシキブ・サンシュユ・ザクロなど

●その他

ベゴニア・カランコエ・ハイビスカス・アイビー・ドラセナ・ブライダルベール・ポトス・デンドロビュウム・デンファレ・ゼラニウム・リンドウ・バラ・サボテンなど

さし木の時期

植物によって発根や生育の良い時期が異なるので、さし木する時期を選びましょう。

●針葉樹

高温が苦手な針葉樹は、3月上旬の春先か、6月上旬~7月下旬の梅雨期にさし木をします。例外はイブキ類で、発根剤を使って、2月下旬の寒い時期に行います。

●常緑樹

4月ごろの春ざし、6月下旬~7月上旬の梅雨ざし、9月ごろの秋ざしができますが、できれば春か梅雨時期に行いたいものです。秋になると発根率が低くなります。

●落葉樹

3月~4月上旬が適期です。若葉が出る前に作業をします。さし穂を用意する時には、前年に生育した枝の中から、健全で充実したものを選ぶのがポイントです。

●草花類

4月ごろの春ざしと9月ごろの秋ざしができます。花を観賞する場合には、花後にさし木をする方が安全ですが、秋に開花するものは春ざしでも問題ありません。

●観葉植物

観葉植物は寒さを嫌うので、活力の充実していない春は向きません。高温多湿の6月上旬~7月中旬の梅雨ざしが適期です。

さし木の手順

① さし床を用意

さし床を用意します。

(品種に適した用土でつくります。)

鹿沼土・赤玉土・川砂・パーライト・バーミキュライト・ピートモス・水苔などを合わせます。市販のさし木の土を使用すると手軽です。

② 穂木をとる

針葉樹

常緑樹

落葉樹

【注意】とった穂木はすぐに水に浸けます。

③ さし穂の切り口の調整

【注意】切り戻しをした穂木はメネデールやルートンを溶かした水に浸けておきます。

④ さし床の準備

さし床に割り箸などで穴を開けます。

⑤ さし穂の準備

用土にさす部分の葉や芽を取り除きます。葉の大きい木や草花は蒸散作用が強いので上から2~3枚の葉の先端を切ります。

⑥ 発酵促進剤をつける

さし穂の切り口にルートンなどの粉末状の発根促進剤を付けます。

⑦ さし床に挿す

さし穂を傷めないように注意してさし床にさしていきます。

作業完了

⑧ 穂木をさしたばかりのさし床は不安定なので水やりはゆっくりと少しずつ行います。

さし木後の管理

さし木をして発根するまでは、日当たりや温度・湿度などに注意して、根の出やすい環境をつくってやりましょう。寒冷紗やよしずなどを使って風や雨から守ったり、ビニールハウスに入れて温度管理に努めます。

●水やり

さし床とさし穂を乾かさないように水やりを行います。ただし高温多湿になりやすいビニールハウスでは加減します。

●日よけ

さし木をした直後は半日陰に置くか、50%ぐらいの寒冷紗かよしずで人工的に半日陰をつくってやります。

●風よけ

直接風をあてないように寒冷紗やよしずを使います。高温多湿を好むものならビニールハウスが効果的です。

さし木の定植

定植とは、発根した苗を一度鉢に植え替えることです。鉢の中で根が強くなるまで生育したら、地植えをします。

●針葉樹・常緑樹・落葉樹

9月上旬~10月下旬までが適期です。最初から大きな鉢に植えるより、1回目は3~4号鉢、2回目は5号鉢というように、苗木の生育に合わせて植え替えるとよく育ちます。用土は一般的に赤玉土と桐生砂を混ぜたもの、鉢底石には赤玉土の中粒を使用します。

●観葉植物

6月上旬~9月下旬が適期です。4号ほどの長鉢に植え、生育に合わせて少しずつ鉢を大きくします。用土は赤玉土の中粒と小粒、腐葉土、バーミキュライト、ビーナスライトなど。

●山草と草花

春ざしは5月下旬~7月上旬、秋ざしは翌年の2月下旬~3月下旬です。3~4号鉢で始め、生育に従って鉢を大きくします。用土は赤玉土の小

【庭木の用土】

【山草・草花の用土】

実践編 アジサイのさし木

アジサイやガクアジサイには、さまざまな品種がありますが、いずれもさし木で容易に株を増やせます。庭木として植え込む場合には3年以上かかりますが、鉢植えにすると1年ほどで花を楽しむことができます。

① 浅めの鉢にさし木用の土を入れて、水を掛けておきます。竹箸も用意します。

② 枝の一番上をさすか、その下の部分を節ごとさします。

③ 1節ごとにさし穂とします。早く大きくしたいなら2節ざしにします。

④ 大きな葉は水分の蒸散を防ぐために半分に切ります。

⑤ 切ったらすぐにコップの水などに浸けて水あげします。

⑥ 竹箸で土に穴を開け、1本ずつさして水を与えます。

⑦ 支柱を十文字に交差させて、ビニールタイなどで固定します。

⑧ ビニール袋をかぶせてひもで結び、明るい日陰に置きます。

鉢上げ

1~2カ月後、十分に発根したら鉢上げをします。3.5~4号鉢に赤玉土:腐葉土:川砂を3:2:1の割合で入れて株を植え付け、30~50%遮光して、水を切らさないようにします。

提供元:DCM株式会社

https://www.dcm-hc.co.jp/

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