2021年05月03日

グッドデザイン賞から見るぺんてるのデザイン哲学(前編)

by ぺんてる株式会社

公開:2021.05.03 00:00 更新:2021.10.04 16:23

December 08, 2014

アルファベットの「G」のロゴがトレードマークの「グッドデザイン賞」。その歴史は意外と古く、1957年に当時の通商産業省(現経済産業省)によって創設された(現在は公益財団法人日本デザイン振興会が主催)。「日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組み」とうたってはいるが、デザインさえよければいいと言う訳ではない。そのデザインが「暮らしを、社会をどれだけ豊かにしているか」という点が重視されている。

表面的なデザインではなく、生活者に豊かさを与えてくれる機能がしっかりと備わっていることが求められる。それらを含めた上でのデザインがこの賞では評価される。

2014年度においては、ぺんてるは「グッドデザイン賞」に「オレンズ」が、そして「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」では「ぺんてる筆」が受賞した。

様々なジャンルから選ばれたグッドデザインプロダクト2014

2014年10月31日から11月4日で、六本木のミッドタウンを中心に2014年度の全受賞プロダクトが展示された。そのジャンルは実に多岐にわたる。ミシンや自動車、カメラ、スマートフォンから工場で使うフォークリフト、さらには無印良品「Found MUJI」の取り組みや、百貨店の紙袋デザインといったものまで含まれる。

こうした様々な受賞作を見渡してみると、私たちの日常生活がデザインといかに密接に結び付いているかに気づかされる。

受賞者に贈られるグッドデザイン賞のトロフィー

2014年グッドデザイン賞を受賞した「オレンズ」

2014年2月に発売された「オレンズ」。現在でも店頭で品薄になるほどの人気を博し続けている。「オレンズ」の受賞理由は、芯径0.2mmでも芯が折れないという超極細のシャープペンを実用化した点だ。

これまで製図などの専門分野でしか使うことができなかったものを500円(+消費税)という誰もが手が届く価格にし、使い勝手の上でも0.2mmであることを意識させないものに仕上げた点が評価されたようだ。

審査委員の評価コメントに以下のようなものがある。

『「芯が折れない」という明確な機能を高い技術で実現させた点を評価したい。機能的には成熟の粋に達したと思えるジャンルなだけに不要とも思えるギミックを付加した製品が多い中、正当な提案だと感じた』

多くの来場者が「オレンズ」を興味深そうに試し書きしていた

2014年グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞した「ぺんてる筆」

「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」受賞展は渋谷ヒカリエにて開催された

市場で10年にわたり生産・販売が続けられている商品や、10年以上前に「グッドデザイン賞」を受賞した商品に贈られる「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」。この賞は「単に長く残っている」ことを讃えるのではなく、生活者から長い間にわたって積極的に支持され、今後も存在し続けていくであろう、社会におけるスタンダードを担いうるデザインのための賞(2014年度「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」審査委員)という審査基準があり、2014年度においては、25のプロダクトが選ばれた。

「ぺんてる筆」は、1976年の発売以来、すでに38年ものロングセラーを誇る。しかも、発売当初からデザイン上のモデルチェンジがほとんど行われていない。市場での評価も継続して高く、筆ペン市場の国内シェアは「ぺんてる筆」のシリーズが60〜70%も占めるというガリバー的存在だ。

墨や硯を必要とせず、いつでもどこでも筆を気軽に使えるようにした「ぺんてる筆」。

その「筆ぺん」を世界ではじめてつくり、筆の上級者から初心者までをも満足させる使いやすさが改めて評価されたのだろう。

ロングライフというだけあって、

どれもどこかで見たこと、使ったことがあるプロダクトばかり

「カロリーメイト」なども受賞。

黒丸の数字は、それぞれの発売年数を示す。

「YEBISビール」に至っては、発売から124年も経過した

ロングライフデザインプロダクトだ。

*デザインは発売当時から変わっている

会場の一角には歴代の「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」が

特別パッケージで販売されていた

提供元:ぺんてる株式会社

https://www.pentel.co.jp/

出典元:表現の道具箱

http://pentel.blog.jp/archives/18302251.html

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