失敗しない多肉植物の育て方！日々のお手入れから増やし方まで徹底解説

ぷっくりと肉厚でかわいらしく、人気の多肉植物。

多肉植物は、乾燥に強く、こまめな水やりも不要で、比較的育てやすい植物です。しかし、育て方を間違えると、意外に枯らしてしまうこともあります。

今回は、多肉植物を育てるうえで、気をつけるべきポイントをまとめてみました。

また、育てることをもっと楽しむために、多肉植物を増やす方法もご紹介します。

多肉植物は多種多様

多肉植物には、実に多くの種類があり、色や形もさまざまです。岩のようにゴツゴツしたものや、ぷっくりとかわいらしい形のものもあります。

また、多肉植物には3つの生育型があり、水やりの時期や管理の仕方が異なります。ここでは多肉植物がどのような植物なのか詳しく解説します。

個性派ぞろいの多肉植物は種類が豊富

多肉植物は、原種で1万種以上、混合種も合わせると2万種以上もあります。生息地域も世界各地に広がっていて、普段見かけることは少ないかもしれませんが、実は日本の野山にも生息していて身近な存在です。

多肉植物に詳しくなくても知っているかたが多い品種には、「アロエ」があります。食用として食べることもあれば、火傷に塗る薬草としてもなじみ深い多肉植物です。アロエの仲間だけでも400種以上もの品種があります。

ほかには、アロエと同じユリ科の「ハオルチア」もわりと有名です。ハオルチアには、葉が柔らかい「軟葉系」と「硬葉系」の2つの種類があります。軟葉系のハオルチア・オブツーサは雫石とも呼ばれ、水晶のようにきれいな見た目が特徴です。

成長時期によって育て方が異なる

多肉植物には、「春秋型」「夏型」「冬型」の3つの生育型があります。それぞれの生育型によって、水やりの時期や管理の方法が異なってくるため、育てる際には注意が必要です。

春秋型は、春と秋が生育期で、冬場が休眠期となります。同様に、夏型は夏場、冬型は冬場がそれぞれ生育期となり、それ以外の季節は、休眠期となります。

多肉植物は、時期に合わせた育て方をする必要があるので、育てる多肉植物の生育型が何型かを把握しておくことが重要です。

絶対失敗しないための育てる準備

多肉植物の栽培を成功させるために重要な、3つのポイントがあります。元気な苗を選ぶこと、栽培に適した土を選ぶこと、そして適切なタイミングで植え替えることです。

多肉植物は、比較的育てやすい植物なので、そこまで神経質になる必要はありません。しかし、せっかく栽培するのであれば、より長く楽しみたいものです。

多肉植物の栽培に失敗しないために、それぞれのポイントについてまとめました。

しっかり育つ苗を選ぶ

長く育てるためには、元気な苗選びが重要です。購入する苗はしっかりと吟味して選びましょう。

苗を見る際に、まず確認するのが、葉や茎の色です。しっかりと緑色になっているものを選びましょう。

また、間延びしていないか、徒長していないかなど、全体的なバランスも確認します。茎がヒョロヒョロしているものではなく、太く短くコンパクトなものが理想の苗です。

最後に、病害虫の被害がないかの確認をします。黒い斑点や虫の被害がないかを忘れずに確認しましょう。

栽培に向いている土を用意する

多肉植物は、水はけのよい土を好みます。水はけが悪いと、最悪の場合、根腐れを起こして枯れてしまうので注意が必要です。こだわりがなければ、多肉植物用の培養土を用意すれば、問題ありません。

多肉植物用の培養土には、肥料や石灰などが、あらかじめ混ぜ込まれているため、自分で配合しなくても、そのまま使用できます。

園芸用の土をそのまま使いたい場合は注意が必要です。園芸用の土は水もちがよい配合となっています。水はけが悪いので、多肉植物の栽培には不向きです。園芸用の土を利用する場合は、水はけのよくなる別の資材を配合して利用しましょう。

植え替え前に土の状態をチェック

多肉植物を長持ちさせるには、植え替え作業も必要です。植え替えをする際は、土がしっかりと乾いている状態でおこないましょう。時期は、3〜5月の春や、9〜11月の秋がおすすめです。

多肉植物の生育期によっても、適切な季節は異なりますが、じめじめした梅雨の時期や猛暑の真夏は控えましょう。植え替えをしても、上手く根付かず、すぐに枯れてしまうリスクが高まります。

植え替え後は、根まで水分がいきわたるようにしっかりと水やりをしましょう。

多肉植物の育て方は水やりと病害虫のケアがポイント

多肉植物は乾燥に強いという特徴がありますが、植物なので、適切な水やりをしなければ枯れてしまいます。また、与える水の量も、栽培している多肉植物の成長型に合わせて管理をしていくことが大切です。

多肉植物が枯れてしまう原因の1つに病害虫による被害があります。病害虫のケアは、多肉植物を育てるうえで、重要なポイントです。

水の量は成長型と時期によって異なる

多肉植物への水やりの頻度や量は、生育期か休眠期かによって異なります。

生育期は、しっかりと水をやり、休眠期は断水するのが基本です。成長型によって多少異なるので、少し詳しく解説します。

まず、春秋型。春と秋が生育期なので、しっかりと水を与え、夏と冬はほぼ断水します。

夏型は、夏が生育期の中心ですが、春から秋にかけてたっぷりと水やりをします。ただし、夏場は、夕方以降、涼しくなってから水を与えましょう。冬は、月に数回程度の水やりでかまいません。

冬型は、冬場が生育期なので、他の成長型同様に水やりをします。夏場は完全に断水したほうがいい種類も多いので、詳しくは購入する際に確認してください。

生育期の水やりのタイミングは、どの成長型でも土がしっかりと乾いているときです。水の量は、鉢の底穴から水があふれ出るくらい、たっぷりと与えます。

生育期以外は、月に1〜2回程度、葉水を与えるか半日で乾く量の水を与えましょう。

病害虫のケアは念入りに

多肉植物は、ほかの植物と比べると病害虫の被害は多くありません。しかし、稀に発見することもあるでしょう。その際、水やりの頻度が少ないことから、発見が遅れることが懸念されます。

放置していると枯れるケースもあるので、害虫の多い夏場などは、念入りに確認しましょう。

葉っぱに黒い点々や虫食い穴があれば、害虫がいる証拠です。

害虫には「吸汁性害虫」といった、葉っぱや茎などの養分を吸い取ってしまう虫がいます。植物の養分を吸うので、植物が弱り、病気にかかりやすくなってしまいます。有名なのは、アブラムシやワタムシです。

害虫を見つけたらテープで捕獲するか、ピンセットでこまめに取りましょう。

もっと育てたくなったら多肉植物は増やせる

多肉植物は、比較的簡単に増やすことができます。増やす主な方法は「株分け」「挿し木」「葉挿し」の3つです。

増やすことで、他の多肉植物との寄せ植えを楽しめますし、友人にプレゼントすることもできます。

多肉植物を増やすための方法と注意点をまとめました。

株分け

株分けは、成長して大きくなった株を切り分けることです。株分けには株を増やせるだけでなく、鈍化していた株の成長を再度促進させる効果もあります。

成長した株は3株・5株といったように複数に分けられるため、別の場所で植え直したり、人にプレゼントしたりするのもよいでしょう。

株分けの方法は、まず、苗を抜いて土を落としたら、ピンセットやハサミを用いて親株から子株を離します。その後、根を傷つけないよう注意し、新しい土の中に植えるだけです。

注意点は、土が乾いているときにおこなうことです。また、切った株に雑菌が入らないように、あらかじめカットバサミの消毒もしておきましょう。

挿し木

多肉植物の茎をカットし、増やしていく方法が「挿し木」です。

やり方は、まず挿し木する茎の長さが3〜5cmほどになるようにカットします。発芽には葉の養分も使うため、茎だけでなく葉もしっかりと残しておくのがポイントです。

カットした茎葉は容器に移し、しっかりと乾燥させましょう。その際に使用する容器は、小瓶やペットボトルなどで十分です。

根が出てきたら培養土をいれた鉢へ植え付けて完成です。

最初は水やりを少なめにして環境に慣れさせ、徐々に通常のペースで水やりをしていきましょう。

葉挿し

挿し木は茎から根を生やすのに対して、葉挿しは葉っぱから根を生やす方法です。根を出すまでの時間は、挿し木よりもかかります。

葉挿しで使用する葉は、元気な苗からも取れますが、すでに落ちてしまった葉も使えるのが魅力です。

葉挿しは、取った葉の付け根から新たな根が生えてくるため、葉の付け根が、できるだけ整っているものを選びましょう。

葉挿しのやり方は、まず、乾いた土の上に葉挿しで使う葉を並べます。その際に、葉を挿すのではなく寝かせるように並べるのがポイントです。

その後は、根が出るまでは水やりを控え、直射日光も極力控えます。根が出てきたら、根の部分に土を軽くかけて埋めましょう。そして日当たりのよい場所に置き、水やりをします。

根が大きくなってきたら、培養土をいれた鉢に植え替えて完成です。

個性的な多肉植物は寄せ植えでも楽しめる

これまで多肉植物の育て方や増やし方を紹介してきましたが、いかがでしたか。多肉植物は、いくつかのポイントにさえ気をつければ、初心者でも比較的育てやすい植物です。

また、多肉植物には多くの種類があり、それぞれに違う個性的な見た目も魅力です。単体でも楽しめますが、寄せ植えにすると、自分だけの世界観を作れるので、さらに多肉植物の楽しみかたが広がります。

多肉植物の育て方や、増やし方に慣れてきたら、ぜひ違う種類の多肉植物の寄せ植えにも挑戦してみてくださいね。