2021年12月13日
by DCM 編集部 |
公開:2021.12.13 06:00 更新:2022.01.06 09:36
イタリア料理で使われるハーブのひとつ「バジル」。バジルは、初心者でも簡単に栽培できるため、家庭菜園で人気の高い野菜の1つです。
バジルは病気に強く、収穫までの期間も短いので、水やりや摘心など、いくつかのポイントに気をつけていれば初心者でもたくさん収穫できます。
また、プランターでも育てられるので、手軽に栽培をはじめられるのも、初心者におすすめするポイントです。
この記事では、家庭菜園でのバジルの育て方や、栽培する際に気をつけるべきポイントなどを紹介します。
バジルは、種からでも苗からでも、簡単に育てられます。一般的に、苗から育てたほうが、失敗は少ないもの。しかし、バジルは手間がかからないので、初心者も種から育てられます。
種から育てる場合、比較的発芽しやすく、植え替えはいらないのが大きな魅力。初めて種から育てる野菜としてもおすすめです。
バジルの植え付けは、冬場を除くほとんどの時期に植え付け可能です。バジルは、暑さにはめっぽう強く、植え付け後1ヶ月頃から収穫できるので、いつ植えても、すぐに収穫できます。
なかでも、植え付けに最適な時期は暖かくなる4~6月です。この時期に植え付けることができれば、寒くなるまで、長期間収穫することができます。
バジルは多年草なので、一度植えれば何年も収穫可能です。ただし、寒さには弱いため、気温が10度を下回る日本の冬は越せません。
もちろん、温室に入れるなど寒さ対策をすれば越冬できますが、新たに育てても手間がかからないので、日本の場合は毎年植えるケースが多く見受けられます。
バジルは種をまいた後、収穫まで植え替える必要がありません。しかし、種の発芽には、20度以上の気温が必要となるため、4月下旬から5月に種まきをおこなう必要があります。
種まきは、土作りをした土の上に種が重ならないようにまくのがポイントです。バジルの種は発芽に光が必要な光発芽性であるため、覆土はせず、種を流さないように注意しながら水を与えましょう。
間引きのタイミングは、発芽したときと、双葉になったときの2回です。種まきから1週間ほどで発芽し、そこから1週間で双葉が生えます。
距離が近い芽や、形の悪い芽を間引きましょう。間引きしたバジルは料理でも使えます。
バジルは種からでも、問題なく育てられますが、より短い期間で収穫したいかたには、苗から育てることをおすすめします。
苗が市場に出回るのは4月頃ですが、露地栽培で育てる場合は、気温が安定してくる、5月上旬頃に購入しましょう。
苗は「葉が明るい緑色」「虫食いの跡や変色していないもの」「茎が太く節の間隔が詰まっているもの」を選びましょう。
苗の植えかたは簡単です。まず、鉢底石を入れたプランターに野菜用培養土を8割ほど入れ苗のポットと同じサイズの穴を掘り、水を十分に含ませます。
その後、崩れないように苗をポットの土ごと掘った穴に入れ、土を被せれば、植え付けは完了です。水やりを十分にして、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。
バジルは寒さに弱い反面、暑さに強い特長があります。そのため、プランターで育てている場合は、室内栽培も可能です。
また、天候に合わせて外に出したり、室内に取り込んだりすれば、より長い期間栽培できます。寒い日は室内に取り込み、日当たりのいい窓際に置きましょう。
プランターでも手軽に育てられ、室内栽培も可能なバジルの基本的な育て方と、より収穫量を増やすためのポイントを紹介します。
バジルは水はけと水もちのよい土を好みます。市販で売られている、ハーブ用培養土か草花用培養土を使えば無難でしょう。
自分で配合する場合は、赤玉土を6割・腐葉土を3割・バーミキュライトを1割の割合で配合します。また、酸性度の中和のために、苦土石灰を混ぜ、元肥として暖効性肥料も加えましょう。
土の水はけが悪い場合は、砂やパーライトを足して調整します。バジル栽培の過程で、葉が黄色くなった場合は、栄養不足が考えられるため、液体肥料を追肥として与えましょう。
バジルの生育期である夏場は、水切れを起こしやすいため注意が必要です。水やりは、土の表面が乾いたときを目安に、こまめにおこないます。
与える水の量は、プランターの底から水があふれ出るくらいが目安です。
水やりの必要性の判断は、指で土に触るか割り箸で湿り気を確認しておこないます。天候や気温、土の乾燥具合にもよりますが、あまり気を使う必要はありません。
ただし、水を与えすぎると根腐れを起こすので、多少の注意が必要です。
バジルの収穫量を増やすには、摘心がポイントになります。摘心は「ピンチ」や「芯止め」とも呼ばれ、芽の先端を摘み取る作業です。
植物の多くは、頂芽優勢という性質を持っています。頂芽と呼ばれる、茎の先端にある芽のほうが、茎の側面にある側芽よりも優先的に伸びることです。頂芽に養分を多く使い、側芽に花が咲かなくなってしまうため、摘心しないと縦に成長してしまいます。
摘心をしっかりとすることが、縦横バランスよく成長させ、葉をしっかりとしげらせるポイントです。
また、株の一部を切り取り新たに土に挿す「挿し芽」をしても、収穫量が増やせます。挿し芽には、摘心や切り戻しで切り取った芽を使えるため、一石二鳥です。
バジルは病気に強いため、他の植物と比べて、病気に関して、あまり気にする必要はありません。
ただし、水を与えすぎると、軟腐病や根腐れを起こす可能性があります。一度発生すれば、バジルが枯れてしまうため水のやりすぎには注意しましょう。
バジルに寄り付く、おもな害虫としては、バジルアブラムシやベニフキノメイガなどが挙げられます。これらの害虫は植物の栄養を吸い取ってしまうため、殺虫剤で退治するかガムテープで捕殺しましょう。
葉に虫食い穴があった場合は、何らかの虫がついている可能性があるため、早めの対策が必要です。予防策として、葉に霧吹きで水をかける葉水をすると、虫がつきにくくなります。
バジルを来年も植えたい場合は、葉の収穫だけでなく、種も収穫しましょう。
日本の冬は、寒さが厳しいため、今育てているバジルを越冬させるには、温室の準備など、それなりに手間がかかります。
バジルは簡単に育てられるので、越冬させるよりも、翌年改めて、新しく育てたほうが手軽です。
また、バジルの種はバジルシードとして、料理でも使えます。
バジルの種も収穫したい場合は、摘心せずに、花を咲かせる必要があります。葉の収穫量を増やすための摘心ですが、種を収穫するには、摘心を計画的におこなうことが必要です。
バジルの種は、株の先端にある花が散った後、花のガクの中にできます。
花穂を摘み取るタイミングは、花が散って全体が茶色になっているものです種が落ちてしまう前に摘み取ります。
茎部分が緑色のものは、1週間ほど天日干ししておき、茶色になるまで乾燥させましょう。
せっかく植えたバジルを越冬させたい場合は、室内で10度以上の温度に保って栽培する必要があります。
水やりも冷水ではなく、ぬるま湯でおこなうのもポイントです。乾燥しやすい冬場も、水やりは土が乾燥してから与えましょう。
バジルの魅力や栽培のポイントなどを紹介してきましたが、いかがでしたか。
バジルは病気に強く、育てるのも難しくないため家庭菜園初心者におすすめの野菜です。長い期間たくさん収穫できるので、家庭菜園の楽しさを存分に味わえます。
また、バジルはすぐに成長して収穫できるので、冬場を除けば、いつでも栽培をはじめられるのも、おすすめポイントです。
家庭菜園で収穫した新鮮なバジルは、スーパーで買ってきたものよりも香りが高く、料理のできも大きく違います。ぜひバジル栽培に挑戦してみてくださいね。
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