2022年01月10日

多肉植物の寄せ植えで箱庭をつくる!上手につくれるポイントやアイデアを紹介

by DCM 編集部

公開:2022.01.10 08:00 更新:2022.01.12 14:17

多肉植物で寄せ植えをつくるのであれば、さらに上級者向けの箱庭作りにチャレンジしてみませんか。

箱庭とは、鉢植えサイズに表現する小さなお庭です。メインとなる多肉植物以外に、さまざまな小物類を使って、小さな世界を表現します。寄せ植え以上にストーリー性や世界観を表現できるので、おすすめです。

今回は、多肉植物でつくる箱庭の魅力や上手につくるポイントを、実際の事例も交えて紹介します。

多肉植物で箱庭をつくる

寄せ植えとして人気が高い多肉植物は、自分なりの世界観を反映させやすい箱庭におすすめの植物です。小さな容器の中に、多肉植物や砂利、ミニサイズの家や動物といったフィギュアを並べ、かわいい物語をギュッと凝縮できます。

また、寄せ植えの基本さえ知っておけば、多肉植物で箱庭をつくることは意外と簡単です。

小さな庭園風景を楽しむ箱庭

箱庭とは、ミニサイズの草木や模型など各種装飾品を使って、箱の中に模擬的な庭園風景や山水、名勝などの景色を再現したものです。箱庭の歴史は古く、江戸時代後半からあるといわれています。ちなみに、盆栽も箱庭の一種です。

部屋の中やベランダなどの限られたスペースでも、個性や感性を活かして独自の空間を演出できます。

多肉植物は寄せ植えでこそ楽しめる

インテリアとして人気の多肉植物は、1株だけを育てても魅力的ですが、色や形のバリエーションを活かして寄せ植えにすると、もっと楽しむことができます。

ミニサイズのセダム同士でかわいらしくまとめたり、ロゼット状に葉を広げるエケベリアを使い、バラの花束のように華やかな寄せ植えにしたり、組みあわせ方はさまざまです。

事前にテーマやコンセプトを設定すると、よりイメージに近い魅力的な寄せ植えに仕上がります。

ただし、寄せ植えをする多肉植物は、どんな組みあわせでもいいわけではありません。多肉植物同士の生育型をそろえることが必要です。

生育型とは、植物が生長時期を分類分けしたもので、水やりなどお世話をするタイミングが異なります。生育型が異なる多肉植物の寄せ植えもできなくはありませんが、お世話の難易度があがるので、おすすめしません。

寄せ植えがもっと楽しくなる多肉植物の箱庭

多肉植物で、寄せ植えをもっと楽しみたいなら、より具体的な世界観を演出できる箱庭作りがおすすめです。

たとえば、白い砂と小屋の模型を使って「海の家」を演出したり、小動物のフィギュアを配置して森をイメージしたりと、小さな世界をつくることでそこに配置する多肉植物がより引き立ちます。

ユニークな形の多肉植物を眺めて、自分なりのイメージやストーリーをつくり上げましょう。

多肉植物で箱庭をつくるポイント

多肉植物を使った箱庭は、いくつかのポイントを押さえておくと初心者でも意外と簡単につくれます。

大切なことは、種類が豊富な多肉植物の特徴をとらえること。じっくりと多肉植物を眺めて、自分なりのストーリーや、世界を膨らませます。幼い頃にやった人形遊びに近いかもしれません。

イメージが膨らんだら、ミニチュアやフィギュア、あるいはカラフルな地面を再現できるハイドロボール等を使用して、独自の世界をつくり上げていきます。

箱庭作りの大きな魅力は、自由な発想で世界観をつくれることです。紹介する箱庭作りのポイントをアイデアのきっかけにして、自分なりの箱庭をつくってくださいね。

種類の多い多肉植物を立体的に配置

箱庭をつくる際、まず大切なことは立体感です。せっかく生きた植物を使って箱庭をつくるので、平面的なデザインだとよさを活かしきれません。種類が豊富な多肉植物の形や背丈の違いをうまく活用することで、箱庭に立体感が生まれます。

たとえば、小型の樹木のように茎を伸ばす、アエオニウム属の「サンバースト綴化」やクラックス属の「テトラゴナ」は後方。エケベリア属の「ミニマ」や「桃太郎」など、背丈が低めの品種は手前にすると、三次元の美しい箱庭ができあがります。

もし多肉植物を配置する方法に迷った場合は、想像力を膨らまして箱庭に住むことをイメージしてみましょう。そうすることで、自然でまとまりのある箱庭の形に落ち着きます。

他にも、土を利用して丘をつくったり、準備したミニチュアの鉢に背の低い多肉植物を植え付けたりと、立体感のある箱庭をつくるアイデアはたくさんあるので、いろいろな方法を試してみてくださいね。

土の自由度が高いのも多肉植物で箱庭をつくる利点

多肉植物は、土を使わなくても栽培できます。土を使わなくても栽培できる点は、箱庭をつくるうえで大きな利点です。カラーサンドと呼ばれる色つきの砂を使用できるので、自由な発想で地面の色も演出の一部にできます。

さらに、透明なプランターを使用すれば、色違いのカラーサンドを使って模様もつくれるので、幻想的な世界観の演出も可能です。

どうしても土を使用して、植物としてもしっかり育てたい場合は、表面だけにカラーサンドを使用する方法もあります。

ミニチュアやフィギュアなどの人工物を利用する

多肉植物で箱庭をつくる際は、ミニチュアやフィギュアなどの人工物を積極的に活用しましょう。多肉植物だけでつくるよりも、ストーリーや世界観を高めることができます。

家や塀のミニチュア、ガーデンピックなどを立てると、そこに生活が生まれます。また、アニメや絵本のキャラクターを使うのもおすすめです。テレビや本の世界が、大好きな多肉植物と一緒に目の前に再現できますよ。

ほかにも、市販されている小物を並べるだけでなく、自作のミニチュアや身近にあるちょっとした小物を箱庭に取り入れてみるのも、箱庭に個性を生みだすポイントです。

多肉植物で箱庭をつくるアイデア事例

はじめて多肉植物で箱庭をつくる際は、何をどうやって配置すればいいのかわからないものです。最初は、事例を参考につくることで、徐々に自分らしい箱庭をつくれるようになりますよ。

演出として使いやすいのが、動物のフィギュアです。白いカフェ風のミニチュアを置いて、周囲に動物を配置します。周囲に樹木に見立てたエケベリアや、芝生に見立てたセダムなどを植えれば、途端に森のカフェというメルヘン世界が生まれます。

特別なものを用意しなくても、ちょっとしたアイデアで独自の世界観を再現できます。色や形がユニークな多肉植物で箱庭をつくる魅力なのです。

割れた鉢を再利用した高低差のある箱庭

箱庭は、立体感があるだけでより広くみえます。割れた鉢の破片を利用し、高低差の大きい箱庭を演出する方法もあります。

まず、割れた鉢の本体に土を盛り、割れた破片を段々畑のように高さを変えて差し込めば、斜面のできあがりです。頂上にミニチュアの家を置いたり、斜面に階段をつけたりすれば、より世界観が高まります。

頂上付近にはメインとなる多肉植物を植えましょう。破片でつくった段差にそれぞれミニサイズの多肉植物を植えれば、いきいきとした農村風景が目の前に広がります。

割れた鉢を再利用することは、園芸の世界では一般的で「ブロークン・ポット・ガーデン」とも呼ばれ、広く使われている手法です。わざと鉢を割ってつくることもできますが、作業をする際に軍手をするなど、怪我には十分注意してくださいね。

セダムなどをうまく使って奥行きのある箱庭

箱庭は、全体を遠くから眺めても楽しめますが、近づいて箱庭の世界にひたるという楽しみ方もあります。横から近づいても楽しめるように、奥行きを意識してデザインしてみましょう。

まず、奥に配置した家のミニチュアの周囲に、メインとなる高さのある多肉植物をシンボルツリーとして植えます。エケベリアなどの個性ある多肉植物がおすすめです。そして、手前側に家へと続く道をつくり、周囲に背の低いセダムなどを植えましょう。

実際の大きさが違う多肉植物を使うことで、手前から奥への広がりを一層感じることができますよ。

多肉植物の寄せ植えの新たな楽しみ方

アイデア次第で、表現の幅が無限に広がる箱庭。多肉植物で寄せ植えをもっと楽しみたいかたに、箱庭はおすすめの方法です。つくり方に決まりはないので、想像力を膨らませて自由につくりましょう。

ただ形をあわせて寄せ植えをするよりも、ストーリー性を持たせることで、より見ごたえのある寄せ植えになりますし、愛着もわきますよ。

また、不要だけど愛着があって捨てられない、そんな身近なものを再利用する手段としてもおすすめです。廃品をうまく利用すれば、ポップアートのような仕上がりを楽しめます。

箱庭が完成した後も、クリスマスには雪に見立てた綿を飾ったり、霧吹きで水を与えて雨上がりを演出したりと、楽しみ方はさまざま。自分なりの楽しみ方を模索できる箱庭作りに、ぜひ挑戦してみてくださいね。

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