2021年04月18日

電力自由化の「切り替え」と「節電」どっちが節約になる?

by DCM株式会社

公開:2021.04.18 13:10 更新:2021.10.04 16:23

2018.02.23

家事のアレコレ、健康、安全など暮らしの悩みは尽きないもの。そんなお悩みの解決法を、住生活ジャーナリストの藤原千秋さんにお聞きしました。

お悩み20 

「毎月、特に節約しようという気もなく、なんとなく電気代を払っています。でも、最近あちこちで『電力自由化』という言葉を耳にしていたりして、このままでいいのかな? という心配もあります。どこかに乗り換えるべきなのか、今まで通りで電気代の節約をすべきなのか、アドバイスいただけるとうれしいです。」

■いま使っている電気、どれくらいで、いくら?

電気や水道、ガスといったインフラ周りのものというのは、無くなってしまうなんてありえない!基本、あって当たり前な存在だけに、急を要するようなアクションを求められない限りはこれまで通り波風立たせずに置いておきたい、という思いを抱きやすい分野かもしれません。

とはいえ電気事業法が改正され、電気の小売業への参入が全面自由化(電力自由化)されてもう2年が経過しようとしています。興味があろうとなかろうと、いつも見ているテレビや雑誌、ポスティングされるフリーペーパーや、全然関係なさそうなところ(スマホの買い替え時など)からも、つねに断片的な「電力自由化」の文言が聞こえ続けているのですから、確かにちょっと気になることでしょう。

さて、「電力自由化」とか「乗り換え」とかいう話の、それ以前の段階として、いま、自分の家(部屋)で使っている「電気」について、使用量や領収されている金額、そもそもの契約アンペアやその種類などなど、把握できていますか? 毎月ポスティングされている検針の「お知らせ票」は、きちんと手元にあるでしょうか。

特に節約もせず、なんとなく使っていて今どれくらいの使用量で、払っているのはいくらくらいなのか。まず、直近の一年を通したデータを揃えるところからスタートしましょう。季節ごと、上がったり下がったりという動きから、自分(たち)のライフスタイルの癖のようなものが見えてくると思います。

■「電力自由化」の流れから自分のライフスタイルを見直す

その上で、地域によっては選びきれないほどの選択肢が提示されることになる、「電力自由化」によるメリットを、自分の暮らし方に応じて拾い上げていきましょう。

自由化以前にはその地域で決められていた電力会社と契約するほかありませんでしたが、例えば関東甲信越エリアにおいては電力会社数55社、選べるプランは235プランに上る(2018年1月現在)状況です。比較サイトのシミュレーションなどをうまく利用しましょう。

実際のところ、新しい電力会社と契約しても、停電しやすくなったり、電気が届かなくなったりというような心配はありません。電力会社を変えても、電気は同じ送電設備を通じ、入り混じって各家庭に届けられます。突然「違う種類の電気が流れ込むようになる」というわけではないのです。まずこのへんからちょっと心配だったという方には、朗報(!)ですよね。

■いま取り組むことに意味がある「節電」あれこれ

そういうわけで、あまり深く比較せず電力会社を替えて、さらに今のままの、なんとなく電気を使う生活を続けた場合でも、現状より電気代は安く(お得に)なるケースが多そうではあります。我が家の場合でも試算したところ、複数の電力会社のシミュレーションで年間1万円以上の節約が可能になるという結果が出ました。

とはいえ、そこに生活の見直し、「節電」というアクションを加えれば、これまで全く意識してこなかった分、大きな効果が期待できそうです。最適な電力会社やプランを見極めなきゃいけない、ということに目先のハードルを感じて心が折れそうになる向きには、まずはいまできる「節電」を実行してからの電力会社の「乗り換え」に挑んでみるのも一案ではないかと思います。

まず、コストはかかるけれども手軽なのが「冷蔵庫」「エアコン」「照明器具」「テレビ」といった家電の「買い替え」です。いずれも近年、省エネ性能が大幅にアップし、特に冷蔵庫では2003年から2013年の10年間だけでも年間消費電力量が3分の1になるほどの進化がみられますので、そこで浮く金額も決して小さくありません。24時間動き続けるようなものによっては、ひとつの家電あたり年間1〜2万円もの電気代が浮くこともあり、細かな節電テクニックの効果に比べ、そのインパクトは絶大です。

また「買い替え」に比べれば小さな額にはなりますが、深夜電力などのサービスの効く時間帯に電気を使う家事をまとめて行ったり、エアコンでは設定温度自体を低く抑えて無駄なエネルギーを使わない「自動運転」を活用することなども、結果の出やすい方法です。

一方、以前は喧伝されがちだった「こまめにスイッチをオフする」方法は、かえって立ち上がりのエネルギーを浪費してしまいかねないことがあるなど、おすすめの節電ワザも変化している点には注意したほうがいいかもしれません。

いずれにしても家電との付き合いはほぼ1年365日、ノンストップです。現在の住まい、そこでの生活スタイル、苦にならないこと、我慢できないこと、健康状態などと「節電」とを天秤にかけ、できることから無理なく取り組んでいきましょう。

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「この家電が、ウチの電気代を押し上げているんじゃないか……」という疑惑がかけられている家電って、何かしらありませんか? 一般的にはかからないといわれているけど、あやしい……とか、無自覚に使いすぎているんじゃないか……とか。そういうときにうまく活用したい電力計です。「見える化」して初めてわかることって多いですから。

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<プロフィール紹介>

藤原千秋

大手住宅メーカー勤務を経て、主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆。現在は企画、広告、商品開発アドバイザーなど多様な業務に携わる。TV「マツコの知らない世界」に1000個の掃除グッズを試した主婦として出演も。著・監修書に『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』など。

提供元:DCM株式会社

https://www.dcm-hc.co.jp/

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