2021年04月11日
by デビフペット株式会社 |
公開:2021.04.11 21:00 更新:2021.10.04 16:23
人畜共通感染症とは、読んで字のごとく人と動物に共通する感染症のことを指し、別名ズーノーシス(Zoonosis)ともいいます。現在は、生活環境が清潔になってペットから人に病気がうつる機会が少なくなった反面、自然環境の変化、交通網の発達による人と物の移動、野生動物のペット化などから未知の感染症が海外から入ってきたり、突然感染症が大流行する可能性を秘めています。ですから、動物を飼って日々接するわたしたちは感染症について正しい知識をしっかりと身につけ、感染予防について考えていかなければなりません。
A.
感染症が人にうつる経路としては、病原体が動物に噛まれたりひっかかれたり、もしくは体や排泄物に触れることによって感染する直接伝播と、動物と人との間に何らかの媒介物が存在する間接伝播の2つに大きく分かれます。
間接伝播はさらに蚊やノミ、ハエといった生き物を媒介とするベクター媒介、水や土などを媒介とする環境媒介、肉や卵、魚などの食品を媒介とする動物性食品媒介の3つに分けられます。
たとえば、“つつが虫病”は病原体を持った動物の血を吸ったダニがそのあと人を吸血する際に病原体が人の体内に入るために発症します。(ベクター媒介)またレプトスピラ症は犬やネズミなどのおしっこの中に病原体が排泄され、それによって汚染された水や土から皮膚や口を介して人に感染するのです。(環境媒介)
A.
そうです。狂犬病は最も恐ろしい人畜共通感染症の一つといってもよいでしょう。感染した動物が人を噛むことによって、唾液の中に存在する狂犬病ウイルスが人の体内に入り込み発症します。噛まれてから1~3ヶ月後に発症しますが、初期は風邪に似た症状で噛まれた部位に痒みや痛みといった知覚異常があらわれ、次第に不安や興奮、麻痺、恐水症、錯乱といった神経症状が見られるようになります。一旦発症するとその死亡率は100%と言われ、まず助かりません。
幸い、日本国内での発生は現在のところ認められていませんが、海外ではほとんどの地域で発生が見られ、年間数万人もの死者が出ています。
A.
最近はきちんとペットを飼っていらっしゃる方が増えたため、ペットから人へうつる病気というものは余りありませんが、ペットを不衛生に飼っていたり、ペットと不必要に密接に触れ合ったり、野生動物をペットにした場合などで感染が見られることがあります。
ペットから人にうつることで特に問題となるのは、Q熱、パスツレラ症、猫ひっかき病、カプノサイトファーガ感染症、コリネバクテリウム感染症、といった健康な犬や猫が普通に持っている病原体で、過度の密接な接触や噛まれたり引っかかれたりすることによって感染する病気です。
A.
トキソプラズマ症は原虫が病原体の感染症で、世界中で見ることができます。トキソプラズマの病原体は感染した動物(ネズミや豚、牛など)の生肉を食べることによって、猫科の動物の体内で増殖することが知られています。猫の消化管内で増殖したトキソプラズマは猫の糞の中に排泄され、それに汚染されたものを食べることによって人を含む様々な動物に感染しますが、感染した動物では組織内(筋肉や脳など)にとどまり、それ以上増えることはありません。
ですから多くの場合、猫を含めてトキソプラズマに感染しても症状が出ることはあまりなく、通常の場合は問題ないのですが、おなかに赤ちゃんがいる場合、流産したり胎児に異常をきたすこともあります。ですから、もし飼い主が妊娠になる可能性がある場合は、まず抗体を有しているかどうかを病院で検査してもらいましょう。
もし既にトキソプラズマに対する抗体を有していれば、トキソプラズマ症になることはありません。また、飼い猫も同じように動物病院で検査してもらってトキソプラズマを保有しているかどうかを検査してもらうといいでしょう。
万が一、猫がトキソプラズマを有し、飼い主さんが抗体を有していない場合には、猫のトイレの始末は家族のほかの人にしてもらう、生肉は食べない、などの注意を怠らないようにしましょう。
A.
ペットから病気がうつることがあると言っても、必要以上に怯えることはありません。以下のようなごく当たり前のことに気をつけるだけで、ペットから人へうつる病気のほとんどを防ぐことが可能です。
口移しでごはんを与える、キスをする、箸や食器を共有してごはんを食べる、同じベッドで寝るなどは控えるように しましょう
人畜共通感染症は動物には無症状でも人にうつると病原性を発現することがあります。
健康な動物でも触ったりお世話をしたあとは必ず手をせっけんでよく洗うようにしましょう。
動物を飼う時にはブラッシングやシャンプー、爪切りなどのグルーミングを行い、動物の体を常に清潔に保ちましょう。
また、排泄物はこまめに処理する、使った食器はその都度良く洗う、小屋や寝床の敷布などもよく洗うなど、動物が生活する環境を清潔にすることもとても大切なことです。
現在日本に狂犬病が存在しないのは、その予防注射の接種が法律できちんと定められているからです。今後も海外から狂犬病を入れないためにも、予防注射とその後の登録を忘れないで行うようにしましょう。
また、回虫などの消化管寄生虫も人にうつることがある人畜共通感染症ですので、定期的な駆虫を行う習慣をつけておきましょう。
提供元:デビフペット株式会社
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