2021年06月07日
by ユニ・チャーム ペット |
公開:2021.06.07 19:40 更新:2021.10.04 16:23
今や紙オムツは、高齢犬はもちろん、ケガや術後などで自宅での排泄介護が必要なワンちゃんをはじめ、
マーキングやそそう防止のマナーケアとして、活動的なワンちゃんも使用しています。
実はオムツかぶれは、紙オムツ使用者の8割以上が重視するポイント。
そこで今回は、オムツかぶれを防ぐコツについて紹介します。
オムツかぶれは、オムツに覆われた皮膚が、赤くなる、ただれる、湿疹が出るなどの皮膚に炎症が起きることをいいます。原因として考えられるものに、オムツの通気の悪さによるムレや雑菌の繁殖、排泄物そのモノの刺激、オムツが肌にあたる部分のこすれによる皮膚の傷み、オムツ替えでお尻を拭く時の摩擦などがあります。「ワンちゃん用紙オムツ」のアンケートでは、紙オムツの現在使用者のうち、85.5%が「オムツの中がムレない、かぶれないこと」を重視しています。
オムツかぶれは、通気性の良いオムツを選ぶことや、飼い主さんのケアなどである程度防ぐことができますが、同じ条件で使用していても、ワンちゃんの肌は個体差があり、かぶれやすい子もいれば、全くかぶれない子もいるのが事実です。皮膚の弱いワンちゃんは、ちょっとしたことでも、かぶれの原因になるので、肌の状態に変化がないか気をつけてあげましょう。
ペット用の紙オムツとマナーウェアの違いをご存じでしょうか? 実は、使用目的が異なり、そのために細かな違いがあるのです。高齢犬のおもらし、介護、術後ケアのために開発されたものが「ペット用紙オムツ」で、パワフルな吸収体を使用し、最長12時間吸収に耐えられます(※1)。対して「マナーウェア」は、活発で動き回るワンちゃんを対象にした、マーキングやそそうなどのマナーケア用の吸収ウェアで、お出かけなどに適しています。そのため、動きやすさを重視し、スリムな吸収体を使用し、足回りに伸びるフィットギャザーを採用。薄くてごわつきがない反面、最長使用時間も6時間になっています(※2)。ワンちゃんを6時間以上お留守番させる時に、マナーウェアを使用すると、吸水量がオーバーする場合があり、オムツかぶれの原因になる可能性があります。つまり、使用目的やワンちゃんの状態によって、使い分けることもかぶれの予防につながると考えてください。
※1:ワンちゃんの12時間の平均オシッコ量を参考(ワンちゃんのオシッコ量には個体差があります)
※2:ワンちゃんの6時間の平均オシッコ量を参考(ワンちゃんのオシッコ量には個体差があります)
オムツ内の通気の悪さがオムツかぶれを引き起こしますが、ペット用に開発された紙オムツとマナーウェアは、全面通気シートになっており、ムレを防ぐ構造になっています。さらに人間の赤ちゃん用オムツにも採用されている肌ざわりの良い極細繊維の「ふわさら吸収シート」で、尿を素早く吸収するので、表面は常にサラっとしています。この状態であると通気もよく、尿そのものの刺激も少ないため、かぶれの原因はそれほど多くありません。しかし、尿量や回数などは、個体差があり、目安の時間内であっても、オムツ内が濡れていることがあるとかぶれやすくなるので、こまめに取り替えることが予防につながります。
また、サイズがあっていない、緩い装着などが原因で、オムツがずれて皮膚のこすれや、尿がモレなどを引き起こします。さらに、こすれた皮膚に尿が付着することで、かぶれが悪化することもあります。このようなかぶれの原因を避けるためにも、お試しパックなどを利用し、愛犬にぴったりのサイズを見つけてください。オムツをフィットさせるには、人間の指が1・2本入る締め具合になるよう、おなかのテープを調整して、きちんと装着しましょう。実は、同じワンちゃんでも、毛量の違いでサイズはが異なります。サマーカットした場合は、いつもよりワンサイズ小さいものを選ぶと良いでしょう。
オムツかぶれを予防するには、良好な通気と清潔な状態を維持することが大切です。紙オムツは、尿を吸収しますが、便は吸収しないので、排便がわかったら、なるべく早く取り除き、オムツ替えをしましょう。そんなオムツ替えの時にも、注意が必要です。尿が毛や肌についたり、便が毛などに絡んで残っていると、そこから雑菌が繁殖しますし、汚れを拭き取ろうとした時の摩擦がかぶれの原因になるからです。できれば、毛や肌についた尿や便は拭き取るのではなく、ペットシーツの上で「おしりまわり洗浄液」を35度程度のぬるま湯で薄め、シャワーのようにかけて洗い流し、「おしりまわり拭き」や柔らかいタオルなどで優しく水分だけを拭き取るのがオススメです。
動画1は、オムツに排便した後のワンちゃんの洗浄シーンです。「おしりまわり洗浄液」で肛門付近に付着していた便がワンちゃんの被毛から流れ落ち、キレイな状態になっていることがわかります。この方法だと、ワンちゃんの肌への負担も少なく、おしりまわりを清潔に状態で保てます。「おしりまわり洗浄液」は、皮脂を取りすぎない天然の石鹸成分でやさしく汚れを落とし、肌の保湿や被毛をコート。洗浄後は、洗い流す必要がなく、水分を軽く拭き取った後、すぐにオムツをしてOKなのでケアも比較的ラクに行えます。ドライヤーでしっかり乾かさなくて良いのかと思うかもしれませんが、逆に高頻度のドライヤーは、ワンちゃんの肌が乾燥し、かぶれやすくなるので控えた方が良いでしょう。理想は、毎日全身をキレイに洗って清潔を保つことですが、ワンちゃんに毎日のシャンプーは非常に大変で、さらに高齢や病床の場合は体力的に負担がかかります。せめて、おしりまわりの肌や毛は清潔を保つよう、一日一回のおしり洗浄液でのケアを習慣にすることをおススメします。
ペット用紙オムツは、自力で立てるワンちゃんを想定していますが、寝たきりで立てなくなったワンちゃんの場合は、介護用マットの上に通気性の良い介護用デオシートを敷き、そこで寝かせて、紙オムツを利用してケアするのがオススメです。動画2は、ワンちゃんが寝たままの状態での洗浄シーンなので参考にしてください。ただし、ワンちゃんの介護ケアの場合、病状や行動状態によっては、紙オムツが向かない場合もあリます。
オムツかぶれの原因を減らすことが予防につながります。そのポイントをまとめてみました。
□ 通気性のある紙オムツを選ぶ
□ 用途や使用時間、サイズなどが適したオムツを使う
□ ペット用紙オムツ、マナーウェアは、ズレないように装着する
□ おしりまわりは洗浄して清潔な状態を保つ
□ ドライヤーの高頻度の使用はなるべく避ける
□ 摩擦がある拭き方は控える
この他、代用品の使用でのトラブルも多く、かぶれの原因になることがあります。
例えば、マナーベルトに人間用の生理用紙ナプキンを使用するのは、尿をあまり吸収せずおもらしやマーキングなどの対策として適していません。また、人間用の尿とりパッドは、尿は吸収しますが、犬の体型にきちんと合った装着ができないため尿モレにつながります。さらに人間用の紙オムツも、犬の体にフィットさせるのが難しく、多くの犬種はしっぽが問題になります。そこでさらに、しっぽ用の穴を独自に開けてしまうと、吸収体などが外に出てワンちゃんが口にしてしまう可能性があり良い状態とはいえません。人間用のもので代用する場合は、そのリスクがあることを理解しておきましょう。
トイレタリー開発部 商品開発担当
ペット用紙オムツを担当し、何百パターンの試作品を経て、男の子用おしっこオムツ、マナーウェア男の子用、女の子用などの商品を開発。さらに介護する飼い主様の負担を少しでも減らしたいという思いから、ペット用の介護用品「ユニ・チャーム ペットPro」の介護マット、おしり洗浄液、介護シート、おしりまわり拭きを開発。また、ワンちゃんの足腰に優しいベッド「からだ想いラボ」の開発にも携わる。
提供元:ユニ・チャームペット
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