やってみよう!
アーク溶接の仕方
STEP.1 接続
電源を接続します。その際、溶接機の定格一次電圧(100Vまたは200V)を間違えないように注意しましょう。また溶接機本体に付いているアース端子より、感電防止のため本体アースをとってください。
STEP.2 付着物の除去
アースクリップを溶接物にくわえさせます。溶接物に油・塗装・ごみなどが付着している時は、アースクリップで溶接物の表面を引っかくようにして、付着したものを除去してください。
STEP.3 さびの除去
溶接する部分のさびを除去してください。
STEP.4 装着
ホルダーを利き手に持ち溶接棒を装着します。洗濯鋏を使う要領でホルダーを開き溶接棒のフラックスのない部分をはさみ込みます。
STEP.5 アークスタート準備
アークスタート点に溶接棒の先端を持ってゆくように見当を付け、遮光面で顔を覆います。右利きの場合、溶接は左から右に行いますので溶接する部分の左がアークスタート点となります。
STEP.6 アークスタート
溶接棒で溶接物を引っかくようにするとアーク(電気火花)が発生します(このことを「アークスタート」と言います)。溶接物と溶接棒が溶着した場合はホルダーを左右に振り、素早くひき離してください。溶接棒は溶けてだんだん短くなりますので、5㎜の間隔を保持するように溶接物に近付けていってください。途中まで使った溶接棒を再び使用する場合は、先端がフラックスで包まれてアークスタートしない場合がありますので、溶接棒の先端を溶接物に叩きつけ、芯線が直接溶接物に触れるようにしてください。
STEP.7 溶接棒を移動
遮光面ののぞき穴を通して、アークを見ながらホルダーと溶接棒を移動します。直接アークを肉眼で見ると、強力な光線と紫外線のため目を痛めますので、必ず遮光面の遮光ガラス(暗緑色)を通して見るようにしてください。溶接棒は進行方向に45°~60°程度倒します。
表示用語の説明
溶接電流
アーク溶接の大きさを示し、溶接機には定格二次電流として銘板に記されています。アーク溶接の大きさを示すのは電圧ではなく電流であるということに注意する必要があります。
使用率
耐用使用頻度の目安となるもので、溶接機の場合10分周期にて表すようにJISで定められています。例えば使用率10%とは1分使用して 9分休むと本体の温度上昇が規定内に収まり故障も少ないということです。
入力(一次側)・出力(二次側)
電源側と溶接側のことです。
注目
■溶接作業で「目」を痛めることがあります。裸眼でアークを長時間見ると、強い光のために、夜眼が痛くなり、涙が止まらなくなります。
■入力電流が高いため、専用電源が必要です。一般家庭に高出力の溶接機を持ち込んでも使用できません。
ワンポイントアドバイス気になるあれこれまとめてお答え
Q.アーク溶接に免許・資格はいらないの?
A.ガス溶接をする場合は爆発する危険のあるガスを取り扱うため所定の講習の修了証が必要ですが、アーク溶接の場合、特殊な場合を除いて免許・資格は必要ありません。免許・資格の必要な場合とは「原子力容器・圧力容器・ボイラなど溶接の不良が取り返しのつかない重大な事故につながるものについては資格(溶接技術の裏付け)のある人でなければならない」ということですが、こういうもの自体勝手につくれませんから一般の場合は全く関係ありません。
Q.交流アーク溶接機はどんな材質のものが溶接できるのですか?
A.軟鋼(一般の鉄)・ステンレス・鋳鉄(鋳物)の3種類の溶接ができ、それぞれ軟鋼用・ステンレス用・鋳鉄専用の溶接棒があります。
Q.低電圧溶接機とはどういう溶接機ですか?
A.溶接機は電気を大変多く使用しますので、この点を改良し、一般の溶接機と比べて少ない電気で溶接できるように設計された溶接機です。ただし、専用の低電圧溶接棒を使用します。
Q.溶接をするのは初めてなのですが危険ではありませんか?
A.作業をしているのを見ると、危険で難しいように思いますが、やってみるとそれほどでもありません。少し練習をすれば初めての方でもすぐにできるようになります。しかし家電製品のように、スイッチを入れればすぐに使えるというものとは少し異なりますので、それなりの危険性もあります。取扱説明書をよく理解し、練習をしてからご使用ください。
作業の前にきちんと準備しておきたいもの
用意するもの
溶接機……100V専用/100V・200V兼用
付属品……一次側ケーブル
二次側ケーブル
ホルダー
アースクリップ
安全用品…保護メガネ
手持面(遮光面)
溶接用手袋(革手袋など)
提供元:DCM株式会社