
2021年12月07日
by DCM 編集部 |
公開:2021.12.07 06:00 更新:2022.01.04 08:09
水耕栽培では、スポンジを植物を植え付けるための土、すなわち培地に見立てる方法をとります。
しかし、それでほんとに植物が育つのか、育つとしてもどんなスポンジを使えばよいのか、発芽させたあとはどうすればよいのか、疑問も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、スポンジで野菜が育つ理由、水耕栽培で使えるスポンジの特徴と発芽後の育て方について解説します。
これから水耕栽培を始めたい、水耕栽培を成功させたいかたはぜひご覧ください。
どうして水耕栽培では、スポンジで野菜が育つのでしょうか。土のように栄養があるわけでもないのになぜ芽が出るのでしょうか。それには次の2つの理由があります。
・種には発芽するための栄養が詰まっているから
・植物は水、日光、酸素、肥料があれば育つから
これらの理由について詳しくみていくと、水耕栽培でスポンジを使う理由がわかりますよ。
スポンジには植物が育つための栄養が含まれていません。それでも発芽するのは、種のなかに発芽するための栄養が詰まっているからです。正確には、最初に出る葉っぱの子葉が育つまでの栄養が詰まっています。
そのため、発芽には外部から栄養を与えてあげる必要はありません。重要なのは、水と酸素があることです。
適度に水を含み、適度に通気性のあるスポンジが最適な環境を作ってくれるということですね。
しかし、水耕栽培では、発芽して本葉が出たあともスポンジを土台に植物を育てることがよくあります。なぜそのようなことが可能なのでしょうか。
植物は水、日光、酸素、肥料があれば育ちます。つまり、土台は土でもスポンジでもよいのです。
土耕栽培で肥料を土に混ぜるように、水耕栽培では水に液体肥料を混ぜます。植物はその液体肥料が混ざった水を根から吸い上げるので、土台がスポンジでも大きな問題はないのです。
それでは水耕栽培をするためにはどんなスポンジを選べばよいのでしょうか。ここでは水耕栽培に使えるスポンジの特徴を紹介します。
水耕栽培ではスポンジに切り込みを入れることがあります。種を発芽させる培地を作るときと、苗を支える土台を作るときです。どちらの場合も、切り込みを入れても十分な厚さ5cm以上のものが適しています。
発芽させる培地を作る場合は、スポンジに十字の切り込みを入れて、その真ん中に種を埋め込みます。このとき、深さ1cmくらいのところに埋めれば十分です。あまり深く埋めすぎると芽が出にくくなるので注意しましょう。
苗を支える土台を作る場合は、十字に切り込みを入れたあとに真ん中を貫通させます。そこに苗を差し込んでスポンジを土台にするということです。
ここで重要なのは、根本をしっかり支えつつ、根がスポンジからすべて出るくらいの厚さを選ぶこと。根が常にスポンジに接していると、根腐れや酸素不足を起こす可能性もあるので気をつけてください。
厚さの条件を満たしていれば、基本的にどんなスポンジでもOKです。ホームセンターなどで売っているようなカットしやすいスポンジを使うとよいでしょう。
ただし、ネットがついているスポンジは、発芽を遮ってしまう可能性があるので水耕栽培には向いていません。
水耕栽培の場合、どんなスポンジを使うかよりも植物の管理をしっかりするほうが重要です。例えば、水を毎日入れ替えたり、根に日光が当たらないようにして藻が生えないようにしたりするとよいでしょう。
では実際にスポンジの培地で発芽させたあとはどうすればよいのでしょうか。基本的には、水耕栽培用の容器に植え替えるか、土耕栽培に植え替える必要があります。
ここからはそれらの具体的なやり方を解説します。
もっとも一般的なのは、そのまま水耕栽培用の容器に植え替えることです。栽培容器はペットボトルを使って作ったり、本格的なものになれば酸素ポンプを設置した循環式容器を使ったりします。
【ペットボトル容器に植え替える場合】
1. ペットボトルを飲み口から1/ 3のところでカットする
2. 飲み口を逆さまにしてペットボトルにはめ込み栽培容器を作る
3. 根を傷つけないように培地にしていたスポンジを取り外す
4. 新しいスポンジで植物の根本を支える土台を作る
5. ペットボトルの飲み口から根が出るようにして植物を栽培容器にセットする
6. 根がすべて水に浸らない程度に水を入れる
7. 植物が新しい環境に慣れてきたら液体肥料を追加する
【循環式容器に植え替える場合】
1. 発泡スチロールのふたにスポンジより少し小さい穴を開ける
2. 発泡スチロールの容器に酸素ポンプを設置する
3. 根を傷つけないように培地にしていたスポンジを取り外す
4. 新しいスポンジで植物の根本を支える土台を作る
5. ふたの穴に植物をセットする
6. 根がすべて水に浸らない程度に水を入れる
7. 植物が新しい環境に慣れてきたら液体肥料を追加する
どちらにも共通する重要なことは、根をすべて水に浸さないことです。根も呼吸しているので、根腐れを防ぐためにも空気に触れさせましょう。
最初は水耕栽培をやるつもりだったとしても、途中から土耕栽培に植え替えたいという場合もあるかもしれません。そんなときは、次の手順で植え替えましょう。
1. 鉢 or プランター、鉢底ネット、底石、土を用意する
2. 鉢 or プランターの底に、ネット→底石の順で敷く
3. 土を2/3まで入れたらスポンジより少し大きめに穴を掘る
4. 植物のスポンジを取り外して穴にセットし、上から土を被せる
5. 鉢 or プランターの内側に沿って割り箸で土の隙間を埋めていく
6. 底から流れ出るくらい水をかけて土をならす
基本的には通常の植え替えと同じ手順ですが、水耕栽培から土耕栽培にする場合、植物にとって生育環境が大きく変化することになるため、植物の状態を注意深く見守ってあげましょう。特に葉が萎れていないか、葉の色が薄くなっていないかに注意するとよいです。
ではスポンジだけでずっと植物を育てることはできるのでしょうか。結論としては、肥料と土台をしっかり用意し、定期的にスポンジを入れ替えれば育てることは可能です。
発芽の培地としてのスポンジだけでは、発芽後に植物が根を大きく張り巡らせることが非常に難しいです。そのため、発芽後はスポンジを茎を支えるための土台として使用するとよいでしょう。
また、ずっと同じスポンジを使っているとカビや藻が生えやすいです。カビと藻は植物に悪い影響を与えるので、スポンジだけで育てる場合は定期的に取り替えてあげる必要があります。
基本的にはスポンジは発芽のための培地、植え替えのときの苗の土台と考えておくとよいでしょう。
水耕栽培に、スポンジは欠かせないアイテムです。適度に水を吸い、適度に空気を含んでくれるスポンジは、種の発芽にちょうどよい環境を作ってくれます。
またどこでも安価で手に入り、加工もしやすいスポンジは、植物の苗を支える土台としても活躍します。
スポンジで発芽させたあとは、基本的には水耕栽培用の容器に植え替えるとよいでしょう。スポンジのままで育てると根が張りにくく、成長に限界があります。
発芽後も、そのまま水耕栽培を続ければ、植物の環境の変化も少ないのでスムーズに植え替えができます。
スポンジをうまく活用して、ぜひ水耕栽培にチャレンジしてみてください。