2021年04月11日
by デビフペット株式会社 |
公開:2021.04.11 15:00 更新:2021.10.04 16:23
定期的な歯磨きと口腔内のチェックは口の中の健康、ひいては全身の健康につながります。ですから動物病院に行った時にだけ口の中を見てもらうのではなく、日頃からおうちで飼い主さん自らが口腔ケアをすることが、ペットが元気で暮らすためにとても重要になります。今回はQ&Aを通して歯や口の病気のことをしっかりと理解してもらいたいと思います。
A.
ペットの歯も人の虫歯と同じように、表面が茶色く変色してだんだんと穴が開いてしまうことがあります。 しかし、ペットは人と違って甘いものをあまり食べないこと、炭水化物を糖分に分解する酵素を唾液中に持っていないことから、その割合はとても低く、歯の病気の1割弱だといわれています。 ペットの歯の病気は虫歯よりも、歯石などによる歯肉炎や歯槽膿漏であることがほとんどです。
また、猫には虫歯に良く似た、歯が根本からボロボロになってしまう病気がありますが、これは「破歯細胞性吸収病巣」といって、本来乳歯が抜けやすくなるために働く細胞がなんらかの異常で永久歯にも作用してしまった結果におこる病気で、虫歯とは少し異なります。
しかし、歯の表面が溶けて歯髄の神経が露出すると、とても痛くてご飯が食べられなくなってしまうのは、人もペットも同じです。 もし、食べ物を食べる時に痛そうに口元に手を持ってきたり、食べづらそうにしていたら、なるべく早く診察を受けなければいけません。
A.
ペットの口からなにか非常に不愉快な臭いがする場合、やはり何らかの健康上のトラブルがあることが考えられます。 一番多いのが歯石がたまっていたり、歯肉炎や歯槽膿漏になっていて、口の中で細菌感染がおきている場合です。 歯石というのはそもそも細菌の塊である歯垢にカルシウムが沈着してできるもので、それがあるだけで口は臭くなります。
また、歯石が歯と歯肉の間に入り込むと歯肉炎になったり、さらに歯の根本の方までばい菌が入って歯肉の中に膿がたまるようになると、そのにおいは非常に強くなります。 人のように胃が悪くて口臭がきつい、ということもないわけではありませんが、ペットの口臭は原因のほとんどが口の中の問題であり、口腔を常に清潔にすることでかなり予防することが可能です。
A.
「エプーリス」とは、歯肉の上や歯と歯の間にできた肉の塊のような病変のことを指す言葉です。 歯周病や歯の根本にばい菌が入っておきる場合が多く、歯肉が部分的に大きく盛り上がります。 非常に大きくなると歯の位置や生える方向を変えてしまうこともあり、時には表面から出血をしたり、細菌感染をおこして膿がでていることもあります。
エプーリスが見つかったら、通常は外科的に切除して治すことがほとんどですが、大きくなればなるほど、切り取った傷口も大きくなるため、なるべく小さなうちに見つけて、病院に連れて行くことが大切です。 また、見た目はエプーリスに良く似ていても腫瘍(癌)である場合もあるため、切除した組織は細胞をきちんと調べてもらった方がいいでしょう。
A.
歯石はほっておくとどんどん大きくなり、歯肉を押し下げ、歯と歯肉の間に入り込んでいきます。 歯石はばい菌の塊ですから、周囲の歯肉は炎症をおこし、歯の根元には膿が溜まるようになります。 ばい菌が出す毒素によって歯を支える骨が溶けてしまい、歯がぐらぐらになって抜けてしまうこともあります。
小型犬の場合、下顎の骨が溶けて骨折してしまうことすらあります。 また、上顎の歯の場合、骨を溶かした膿がそのまま眼の下の皮膚を突き破って出てくることもあり、これを「外歯瘻(がいしろう)」と言います。 ですから、歯石は絶対にそのままにしてはいけないということを覚えておいてください。
A.
口の中の病気は、毎日口の中を直接見てチェックするのと同時に、ごはんを食べるしぐさでもわかることがあります。 たとえば、ごはんを食べている時に突然「ギャ!」と鳴いて食べるのを止めたり、食べながら前足で口元を引っかくようなしぐさが見られたときには、口の中が痛い可能性があります。
また、いつも片側の奥歯だけでごはんを食べようとしているならば、使わない側の口が痛いのかもしれません。 食べながら口からボロボロとごはんをこぼしたり、口の周りがいつもよだれで汚れているような時には、口がうまく閉じられなかったり舌の動きが悪くなっている可能性があります。 いつも美味しくごはんを食べているかどうかが健康チェックの基本となります。
A.
歯磨きがちゃんとできれば歯垢や歯石の付着を防ぐことができ、歯周病を予防することができます。 しかし、それにはペットが協力的であることがとても重要になり、段階を追って慣れさせていく必要があります。
まずは外から口の周りを触ることに慣れさせます。顔周りのどこを触っても嫌がらなくなったら、今度は口の中に指を入れてみましょう。 初めのうちはバターのような美味しい味をつけて指を舐めさせるところからはじめると、よりスムーズに次のステップに移行できるでしょう。 十分慣れたらいよいよ歯磨きをしてみましょう。 指に歯磨き用のガーゼを巻きつけて表面を優しくこすります。 ガーゼに慣れてくればペット用歯ブラシを使っての歯磨きもそう難しいことではなくなるでしょう。
今はペットが好む味のついたデンタルペーストなどもありますので、それらを使ってなるべくスムーズに終えるようにし、終わった後はデンタルトリーツなど口腔ケア効果のあるおやつをあげながら良く褒めてあげましょう。
提供元:デビフペット株式会社
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