2020年12月07日

素材や部位による接着剤選びのポイント  1.柔らかいビニールをつけたい!

by セメダイン株式会社

公開:2020.12.07 09:10 更新:2021.10.04 16:23

柔らかいビニール(軟質塩化ビニル)を接着するときのポイント。

1.特長

■可塑剤に注意

一般に「ビニール」と呼ばれている軟質塩化ビニル樹脂を接着する際に気をつけなくてはならない点は可塑剤(かそざい)です。

可塑剤は、本来硬い樹脂である塩化ビニル樹脂を柔らかくさせるために添加されていますが、徐々に可塑剤が表面に滲み出し、それと共に柔らかかったビニールは硬くなっていきます。(※メーカーやグレードによる差があります)

接着した場合、ビニールから滲み出てきた可塑剤が、接着剤に移行し、接着剤を柔らかくさせてしまう(=接着剤が剥がれやすくなってしまう)問題があり、接着剤を選ぶ際には、この問題をクリアした接着剤を選定する必要があります。

■それホントにビニール?

私たちは、柔らかなプラスチックフィルムを見ると、総じて「ビニール」と呼んでしまいがちです。

ところが実際は、「ビニール袋」と呼んでいるものの大半が「ポリエチレン製」であったり、「ビニールシート」と呼んでいるものの中には「ポリエチレン製」や「ポリプロピレン製」のものが多くあります。

他にも、「ビニ傘」や「ビニール傘」と呼んでいるもののほとんどは、現在では、軟質塩化ビニル樹脂製ではありません。例えば、傘の柄の部分に「APO」と書かれたものを見たことがある方も多いと思いますが、このAPOは「アモルファスポリオレフィン」という別の種類のプラスチックの頭文字です。

当然のことながら、これらのプラスチックフィルムは「ビニール」ではありませんし、また、ポリエチレンやポリプロピレンを含む「ポリオレフィン系」は、傘の素材に使われることからもわかるように「水はじきの良い」=疎水性であり、接着剤も弾かれやすい難接着素材でもあります。

2.おすすめの接着剤

ビニール用

■用途

・ビニールフイルムやビニールシート同士及びこれらと紙・木・布などの接着

・ビーチボールやビニールプールのパッチ補修

■接着できるもの

軟質塩化ビニール、紙、木、布 等

※貴金属や高価格品の接着には使用しないでください。

※皮ふや飲食物が直接触れる部分の接着・補修には使用しないでください。

※接着面が小さい部分(眼鏡フレームなど)には充分な接着力が得られません。

※生物を入れる容器には使用できません。

■接着できないもの

ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、フッ素樹脂、シリコーンゴム 等

※浮き輪など安全具の補修には絶対に使用しないでください。

エクセルシグマ

■用途

・レザークラフト

・手芸

・日曜大工

・バッグや靴の補修

・スポーツ用品の補修

・家具や住まいの補修

■接着できるもの

軟質塩化ビニール、皮革、布、木材、硬質プラスチック、合成ゴム

※貴金属や高価格品の接着には使用しないでください。

※皮ふや飲食物が直接触れる部分の接着・補修には使用しないでください。

※接着面が小さい部分(眼鏡フレームなど)には充分な接着力が得られません。

※生物を入れる容器には使用できません。

■接着できないもの

ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ナイロン、発泡スチロール 等

スーパーX

■用途

・表札やプレートの接着

・塩ビレザーへのプラスチック小物の接着

・ゴムと繊維の接着 ※1

・発泡スチロールと軟質塩ビシートの接着

・アクセサリー製作

・コンクリート面へのステンレスの接着

・バッグや靴の補修

※1 ゴム全般(天然ゴムを除く)にはUT110の方が好適

■接着できるもの

・金属:ステンレス、アルミ、銅、鉄 等

・プラスチック:ナイロン、スチロール、アクリル、塩化ビニル、ABS、FRP、ポリカーボネート、各種エンジニアプラスチック 等

・ゴム:天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム ※1、EPDM 等

・無機材料:コンクリート、モルタル、天然石、タイル、ガラス、陶磁器 等

・天然素材:木材、合板、皮革、布、厚紙 等

※1 シリコーンゴムは接着性に差がありますのでご確認の上、ご使用ください

※貴金属や高価格品の接着には使用しないでください。

※皮ふや飲食物が直接触れる部分の接着・補修には使用しないでください。

※接着面が小さい部分(眼鏡フレームなど)には充分な接着力が得られません。

※生物を入れる容器には使用できません。

■接着できないもの

ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアセタール 等

提供元:セメダイン株式会社

https://www.cemedine.co.jp/

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