2021年06月05日

夏が来る前に、エアコン掃除を!

by DCM株式会社

公開:2021.06.05 17:10 更新:2021.10.04 16:23

2018.06.13
家事のアレコレ、健康、安全など暮らしの悩みは尽きないもの。そんなお悩みの解決法を、住生活ジャーナリストの藤原千秋さんにお聞きしました。

お悩み

「去年、急に暑くなり「猛暑」といわれた日。エアコンを点けたら変な水がポタポタ垂れてきたうえ、まったく冷風が出ず、ほとほと参りました。あわてて修理屋さんを呼んだのですが、もう依頼が混みあってしまっていて、そこからなかなか来てもらえなくて……。今年は同じ失敗をしたくないのですが、まず何から始めたらいいものですか?」

■エアコンの動作チェックしていますか?

「暑くなってきた、でもまだエアコン点けないでも切り抜けられる。よし今日もエアコンなしでしのげた、まだまだ我慢できる……」。

これだけ世の中、熱中症への注意喚起がなされるようになっていても、なぜか自分だけは大丈夫、むしろエアコンは限界までつけず我慢して耐えるのが正しい道……というような、よくわからない思い込みや意地が、この時季あちこちで散見され、聞かれます。

節電? 省エネ? なんとなくそういうマインドに共感してしまうところ、ありませんか? そうして「ついに」エアコンのリモコンに手を伸ばしてしまった時の、敗北感……(???)。

でも何よりも辛いのは、そこまで我慢した挙句に、点けようとしたエアコンが、まともに動かなかった時の、絶望感ですよね。

そういうことにならないため、まずやるべきこと。それは「エアコンの動作チェック」。本格的なエアコン稼動シーズンに入る前、せいぜい梅雨のうちには済ませておきたい作業です。ええ、でもちょっと「面倒」って思ったりしましたか?

実は、その具体的な方法とは……?

「エアコンの、リモコンのスイッチを入れる」。

ただ、それだけなんです!

■「エアコンの動作チェック」の仕方

リモコンで、エアコンのスイッチを入れて。まずは暖房でも冷房でも、とりあえず「風」が出てきているようであれば、そこで「冷房」に切り替えます。そして「最低温度」に設定してください。

機種にもよりますがおそらくそれは「16度」から「18度」くらいであるはず。そうしたら、そのまま最低温度で10分〜15分ほど運転させます。

ここで、

・冷たい風が出てきている

・異常を示すランプが点灯していない

ことが確認できれば、さらにそのまま30分程度運転を続けます。そこで、

・本体から水がポタポタ垂れてこない

・異音(変な音)が出ていない

・異臭(おかしな臭い)がない

ことが確認できれば、当座、動作チェックは完了。スイッチを切っていいですよ。

しかしここまでのプロセスで万一おかしなことがあれば、すぐにエアコンを購入した販売店か、メーカーに相談して下さい。こういった問い合わせや修理依頼が殺到する7月以前に、このチェックを済ませることが何よりも大切です。何か問題が見つかっても余裕を持って対処することができるからです。

■実は怖い、エアコン内部のカビ

さて、おかしいなと思うほどの異常ではないにしろ、スイッチを入れてしばらくの間は、どこかカビやホコリの気配のある風が「もわ〜っ」と漂ってくることが多いのでは。そんな時には、動作チェックを終えた後、エアコン本体前面のパネルを開けて「フィルター」を確認してみてください。

もしそのフィルターに白っぽいホコリが張り付いていたり、黒っぽいホコリだったり、黒い点々(シミ?)などが確認できたら、それぞれケアが必要です。

まず、フィルターをずるりと外して、浴室などにそのまま持っていきます。表面についているのが白っぽいホコリであれば、掃除機のノズルの先で吸い取りましょう。ホコリ以外に黒っぽいべたつきもあるならば、中性洗剤を溶かしたぬるま湯でフィルターを洗います。その後はよく濯ぎ、日陰などに干してしっかり水分を飛ばしてから元どおりにセットします。

海苔のような様子の黒い点々が付いている場合は、ただの汚れではなく「カビ」が繁殖している可能性があります。その場合は掃除機では吸わず、「消毒用エタノール」スプレーをフィルター全体が湿るくらいに両面から吹き付け、20分ほど置いてから中性洗剤で洗って濯ぎ、よく乾かします。

このフィルターは、エアコンの設置してあるお部屋の中の空気を吸い込んで、エアコン内部で冷やし再度部屋の中に噴き出される、その入り口にあるもの。そんなこのフィルターにカビが生えているということは、エアコン内部(熱交換器やファンなど)にもカビが入り込んでいるという証左でもあります。

そんなカビ入りの冷風は、出てくるときには特にフィルターにかけられることなく、ダイレクトに、私たちに届けられてしまうのです。

近年、エアコン内部に生えるカビが原因と言われる「夏型過敏性肺炎」というアレルギー性の病気がクローズアップされています。エアコンをかけ始めて間もなくあらわれる風邪のような症状(咳、発熱、悪寒、倦怠感など)が、このカビによるものである場合、ただの夏風邪と思って放置していると厄介なことになりかねません。

この肺炎、無自覚に毎年発症し、数年に渡って慢性化してしまうと「肺線維症」になってしまったり、また「アトピー性皮膚炎」というかたちでアレルギー症状が出てしまうこともあるのです。

たかがエアコンのカビ臭さ、とは軽視できません。エアコン購入から数年間一度も内部を見たことがなかったり、一度も清掃をしたことがないような場合には、一度内部清掃を考えたほうがいいかも知れません。

■自力でできる掃除、自力ではできない掃除を切り分けて

とはいえ、エアコンの内部清掃、外注すればそれなりの費用がかかります。そのため自力で市販のスプレー洗剤などを使い掃除をしたいと思われる方も多いのですが、あまりおすすめはできません。

というのは、カビが蔓延している状態のエアコンのフィルターを引き抜く時点で、恐ろしい量のカビ胞子が部屋に撒き散らされてしまいますし、掃除をするとなもなればそれをダイレクトに呼吸してしまいかねない程度に、健康上の危険のある作業だからです。また、素人清掃で濡らしてはいけない部分を濡らしてしまったり、基盤を傷めたりした場合の修理コストや手間、時間のリスクもバカにできません。余計なことをしてしまったがために猛暑日、エアコンが使えなくなったなんてことにはなりたくないですよね。

ただ、エアコンフィルターの軽い汚れ程度のお掃除であれば問題なく自力でも行えますし、むしろこまめなフィルター清掃はメーカーからも勧められているほどですが、やはり手の届きにくい、構造のよくわからないエアコン内部に広がる重篤な汚れについては、エアコン清掃の専門業者の手を借りることをおすすめします。

またエアコン内部に汚れのみならずカビが生えている場合、その部屋の中、家全体にもカビ入りの空気が行き渡っているものと考えられますので、広いカビ対策の必要があります。

お風呂場、窓枠、カーテン、ベッドや布団など含めてカビに侵されていないか、カビのハイシーズンである真夏となる前に、是非、確認しておいてくださいね。

藤原さんもおすすめ!

エアコンフィルターというのは多くの場合、「古歯ブラシ」などを転用して掃除されることになります。

ただ歯ブラシというのはあくまで歯ブラシであり、歯を掃除するのに適していますが、その他のものについてはどうでしょう?エアコンフィルターを洗うには、ストレスのない形状、洗いやすさを併せ持っているのが専用ブラシなのです。

余計な力を入れなくても十分ホコリ、汚れが落ちるので、

マメにフィルター掃除をしようという気持ちになるのでは?

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●抗菌仕様のため、衛生的です。

<プロフィール紹介>

藤原千秋

大手住宅メーカー勤務を経て、主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆。

現在は企画、広告、商品開発アドバイザーなど多様な業務に携わる。

TV「マツコの知らない世界」に1000個の掃除グッズを試した主婦として出演も。

著・監修書に『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』など。

提供元:DCM株式会社

https://www.dcm-hc.co.jp/

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