
2021年10月05日
by DCM 編集部 |
公開:2021.10.05 00:00 更新:2021.12.28 11:51
暖かい季節のキャンプは何度も経験して慣れていても、まだ冬キャンプは未経験……という方も多いでしょう。
寒がりの方にとっては、寒い冬にキャンプなんて考えられない行為かもしれませんが、他の季節にはない素晴らしさが見つかります。
意外と人気のある冬キャンプは、ハードルが高い分、魅力も満載。そんな冬キャンプで一番大切なポイントはおわかりのとおり「防寒対策」です。
しっかりと防寒対策を行い、安全で楽しい冬キャンプを成功させてみませんか。
防寒グッズを揃える前に、チェックしておきたいのは、
・キャンプ場で電源が使える?
・キャンプ場の最低気温は何度?
・自分はどのくらいの寒さなら耐えられる?
上記の3つのポイントです。
これらのポイントを踏まえながら冬キャンプの防寒対策を考えて、過不足のない適切な防寒グッズを用意していきましょう。
キャンプ場には電源サイトがあります。夏冬関係なく利用され、使用可能な電力はだいたい1,000Wまでのサイトが多いです。
1,000W使用の電化製品でわかりやすくいえば、小さな電気ストーブを一つつければ消費してしまうようなレベルとなります。
電気が使えるからといって、携帯電話の充電や照明など細かいものを併用して容量がオーバーしてしまうと、ブレーカーが落ちるといったトラブルにもつながります。
限られた電力を上手く利用して、うまく防寒対策を行いながら冬キャンプにチャレンジしてみましょう。
季節や状況によって、各キャンプ場の最低気温には差があることを絶対に忘れないでください。
昼間は比較的暖かい春や秋でも、寒暖差は激しく夜や朝方になると気温がグッと下がって驚くことがあります。
冬ともなると、相当寒くなると覚悟をしていた方がよいので、行きたいキャンプ場の最低気温は事前に必ずチェックしておくようにしましょう。
陽が落ちてからの冷え込みは、当日の最低気温からさらに5℃〜7℃くらい下がる予想をしておいても大袈裟ではありません。
人によって寒さに強いタイプや弱いタイプ……体感温度には個人差があるので一概には言えませんが、最低気温が15℃を目安に防寒グッズの用意を考えた方がよいです。
10℃になると冷え込む感覚があるので、カイロや薄手のダウンジャケットくらいは用意し、5℃だと暖房器具や湯たんぽなどしっかり温まるものが必要となります。
5℃を下回ってくるとかなりの寒さになり、ストーブや電気毛布などがなければ寒すぎて眠れません。
0℃に至ると極寒と言われるほどで、命の危険にさらされることも念頭に置いて徹底した対策が必要です。
・15℃‥‥肌寒いレベル
・10℃‥‥寒いレベル
・ 5℃‥‥かなり寒いレベル
・ 0℃‥‥厳しい寒さ
という寒さレベルときちんと覚えておきましょう。
寒さ対策が重要となってくる冬キャンプですが、装備さえしっかりと固めておけば怖くはありません。
ここでは、
・冬用シュラフ(寝袋)
・断熱用の銀マット
・コット
・湯たんぽ、カイロ
・ストーブ
・ポータブル電源
という6つのアイテムと、有効な防寒グッズを選ぶときのポイントを詳しく説明していきます。
まず、シュラフを選ぶ際には極寒に耐えられる冬用のものが最適といえます。
シュラフの種類はレクタングラー・封筒型よりも、ミノムシのようなマミー型の方が、身体を包み込み保温性に優れているのでおすすめです。
シュラフに表記されている限界使用温度が低ければ低いほど、防寒性が高いのでしっかりチェックしましょう。
氷点下が予想される場合には冬登山用シュラフも視野に入れておくと安心です。
冬のテント床は地面からの底冷えがあることを忘れてはいけません。
グランドシート、テントシート、インナーマット、テントスカートの装着だけでは、厳しい底冷えに対抗することはできないでしょう。
そんな底冷え対策に、断熱用の銀マットが大活躍します。
クッション性、防寒性に優れた銀マットは災害時にも使われる薄手のもの、厚みのあるもの、強度の高いものなど数種類あり、いずれもアルミ面をテント内に向け、あたたかい空気を反射させて底冷えから守ります。
コットはシュラフを地面から離して、直接的な底冷えから守るための簡易ベッドのようなものです。
いくら保温性の高いシュラフを使っていても、冷たい地面に直接当たっていたのでは温かさをキープすることは難しいでしょう。
また、コットの下に敷いた断熱用の銀マットが温もりを反射して、シュラフ回りが温かい空気を保つので、快適に眠ることができます。
テント内の設備は部屋の空気をいかに暖かいまま維持するか、ということにフォーカスしています。
ですので、人の体を別の方法で温めることにより、体温を上げて体から温もりを発して部屋の温度も上昇させることが重要となってくるのです。
電気が使えるなら電気毛布が強い味方になりますが、使えない場合には湯たんぽやカイロが有効です。
これらは直接体に当てても火傷もしにくく、安全に体を温めるのに適しています。
電気の使えないキャンプ場でよく使われるのが石油ストーブや薪ストーブです。しっかりと暖を取れるのはもちろん、お湯を沸かすこともできるので重宝します。
テント内を快適な暖かさにすることができるストーブですが、狭いテント内での使用は一酸化炭素中毒になる危険性があります。
常に換気をし、一酸化炭素警報機も必ず持参して事故のないように注意しなければなりません。
電気サイトを利用するのであれば必要ありませんが、そうでない場合にはぜひ持ち込みたいグッズです。
寝るときの防寒対策として、シュラフの中に電気毛布を入れて使うのがおすすめ。快適な睡眠が得られるので、多くのキャンパーが所持しています。
電気毛布は、電気ストーブや電気コタツに比べて消費電力がかなり抑えられるので、ポータブル電源を使用して一晩中つけていても途中で切れる心配はありません。
冬のキャンプ場では、いくら事前に状況チェックをしていても、実際に行ってみなければ把握しきれないことも多々あります。
その日の体調や、テントの向きや場所によって、実際の気温よりも寒く感じることがあるでしょう。
そこで、冬キャンプを乗り切る防寒のコツとして、
・底冷え対策をする
・防寒着を着込む
・シュラフのなかに毛布を入れる
・電源のあるキャンプ場を選ぶ
という4つの方法を伝授します。
予想外の寒さに襲われたときにも、便利な対処方法は知っていて損はありません。
底冷えは地面からの冷たさだけでなく、テントと地面との温度差による湿気でテントの底が濡れてしまい冷えを増長させてしまうことがあります。
グランドシートやインナーマット、銀マット等に加えて毛布やホットカーペットなどを重ねるのも良いでしょう。
ただし、電気の入っていないホットカーペットはカーペット内の電熱線が冷たくなるので電源が確保されない場合には逆効果になります。
体温の低下を防ぐにはまず防寒着を徹底するのが基本です。暑ければ脱げば良いだけのことなので、とにかく着込めるだけ着込んでおくと安心です。
また、首・手首・足首をしっかり温めておくと冷え方が変わるので覚えておきましょう。
薄くて温かいヒートテック系の下着、フードが頭まで包み込む綿やフリースのパーカー、ダウンジャケットなどを組み合わせます。
下はスパッツや裏面がボアになったタイプのパンツを選んでいる人も多く、腹巻きやニット帽、ネックウォーマーなどの小物も強い味方となります。
防寒性の高いシュラフを用意できなかった場合には、電気毛布、または普通の毛布を入れて保温性をアップしましょう。
ダウンジャケットとダウンパンツを着たまま、毛布を入れたシュラフに入るとシュラフを2枚重ねした以上の効果が期待できるのでおすすめです。
「さまざまな防寒対策を徹底したけど、本当に大丈夫かな…」
そんな不安を抱えているなら、お守りがわりに電源のあるキャンプ場を利用してシミュレーションを繰り返してみてはいかがでしょうか。
極力電源を使わずに冬キャンプを成功させる訓練をすることで経験値も上がり、脱電気冬キャンパーとして、場所を問わず一年中キャンプを楽しむことができるようになりますよ。
楽しいだけじゃない、厳しさ、過酷さも兼ね備えた冬キャンプ。
寒さの度合いや気温に合った対策、さまざまな工夫や乗り切る精神力が身につけば、不安に思うことは少なくなるでしょう。
とても冷たく澄んだ空気、より美しく輝く夜空の星、冬ならではの風景や雪景色…。
冬キャンプでしか味わえない、なんとも言えない清々しさは病みつきになるくらい魅力的です。
格別な冬キャンプを楽しむためにも、本記事を参考に対策をしっかりと行うようにしてくださいね。