2022年01月10日
by DCM 編集部 |
公開:2022.01.10 07:00 更新:2022.01.12 14:13
さまざまな観葉植物がある中で、比較的生命力が強く、育てやすいのが多肉植物です。多肉植物なら、初心者でも簡単に育てられます。
それでも他の観葉植物と同様に、生長にあわせて定期的な植え替えは必要です。長年土の交換をせず、根を伸ばし放題にしているとプランター内の土は劣化し、生い茂った根と共に固まり株が弱って最悪の場合枯れてしまいます。
お気に入りの多肉植物をより長期間楽しむためには、苗の植え替えを適度におこない、土壌環境を整えましょう。今回は、初心者でも簡単にできる多肉植物の植え替え方法や、株を枯らさないためのコツを紹介します。
多肉植物を同じ鉢で長く栽培していると、大きくなりにくくなるばかりか十分に水分を吸収できず、株が弱ってしまうこともあります。
多肉植物が出す植え替えのサインを見逃さず、適した時期に植え替え作業をおこなうことが重要です。
多肉植物に植え替えが必要な理由は、根詰まりを解消するためです。根詰まりを起こすと根が十分に水分を吸収できなくなり、株が弱ってしまいます。
また、根詰まりを起こした状態だと土が余計な水分を排出できず、根腐れにつながる恐れもあるので注意が必要です。
さらに、長い間植え替えをしないと土壌環境は悪化しつづけ、株の生長を阻害してしまいます。
多肉植物の植え替え時期は、株の状態を見て判断します。
まず、葉の状態を確認しましょう。たとえば、湿気は少ないのに数枚の葉が枯れている、葉が落ちた茎の部分から根が生えているなどが植え替えのサインです。
つづいて、根の状態を確認します。鉢の裏面や、土の表面のどちらか一方でも、根が飛び出していたら植え替えのサインです。
また、いくら多肉植物の状態が良好でも、2年以上同じ土で栽培しているなら、根はかなり伸びているはずなので植え替えをします。
多肉植物の植え替えに適した時期は、生長期のはじめ頃です。生育が旺盛な生長期に植え替えをおこなうことで、植え替えによる株のダメージが早く回復します。
正しい時期に植え替えをおこなうためにも、品種による生育型の違いを把握しておくことが大切です。
多肉植物には、「春秋型」「夏型」「冬型」3つの生育型があり、生育型によって生長期が異なります。春秋型は春と秋、夏型は夏、冬型は冬が生長期で、それ以外の季節が休眠期です。
植え替え作業をおこなう際は、事前に乾燥させたり、土を払い落としたりと少なからず株に負担がかかります。さらに、根切りという根を切る作業もありますし、注意深く作業をしていても葉を傷つけてしまうこともあるかもしれません。
生長期のはじめ頃に植え替え作業をおこなえば、ダメージを負った多肉植物も、旺盛な生長によって比較的早く回復します。
ただし、生長期中でも湿気の多い梅雨時期や、真夏、真冬は株への負担が大きくなるので植え替えは控えましょう。
多肉植物の植え替えに、特別な道具は不要です。ただし、植え替え作業をスムーズにおこなうために、あると便利な道具がいくつかあるのでご紹介します。
鉢は、ひとまわり大きなものを用意するのがおすすめです。多肉植物をより大きく生長させられます。また、お気に入りの鉢を選べば、植え替えのモチベーションも高まるかもしれません。
植え替えの事前準備として、十分に土を乾燥させておくことも、失敗のリスクを減らすために重要です。
小さな鉢植えの多肉植物の植え替えであれば、ハサミだけで植え替えをおこなえます。あとは、ピンセットと割り箸も準備しておくと便利です。
ハサミは事前に熱湯などで必ず殺菌しておきましょう。殺菌せずに使用すると、傷んだ根を切り取った際に切り口から雑菌が入り、株の腐食につながってしまいます。
ピンセットの使い道は、葉や茎に付着した土を取り除くことです。土が付着したままにしておくと、蒸れの原因になってしまいます。
割り箸は、植え替えた株を十分に土に埋めるために必要です。株に土を被せた際に、細かい隙間には土が行き渡らないので、割り箸でつついてしっかりと土を行き渡らせます。
また、床や地面を汚さないための新聞紙やビニールシート、土をすくうためのスコップなども必要に応じて用意しておきましょう。
植え替えに使用する土の種類は、これまで特にトラブルがなければ、植え替え前と同様の土でかまいません。
ただし、植え替え前の土をそのまま使用することは避け、新しい土を用意しましょう。前に使用していた土が不明な場合は、ホームセンターなどで販売されている多肉植物用の土を使用します。
多肉植物は水はけのよい土を好みます。自分で配合する場合は、赤玉土(小玉)7:ピートモス3の比率を目安に配合し、緩行性化成肥料を混ぜて培養土を作ります。
また、通常の園芸用土は水はけが悪く、多肉植物を育てる土には向いていません。もし園芸用土を使用する場合は、排水性のいい土を多めに配合します。
たとえば、園芸用土3:赤玉土(小粒)4:軽石3の割合です。あるいは川砂やくん炭など、粒子の粗い水はけのいい土を混ぜると、園芸用土でも多肉植物栽培に使用できます。
多肉植物の植え替えをするときは、株に対してひと回り大きいサイズの鉢を選びましょう。大きいサイズの鉢なら広い面積に根を張り巡らせることができ、より大きく生長します。
ただし、大きすぎる鉢はふさわしくありません。植え替えた多肉植物の根が横にばかり生長し、鉢の中心がスカスカになるため株が弱体化します。
さらに、土の量が多くなるため鉢の中に湿気がたまり、根腐れの原因になることもあるので注意が必要です。
また、鉢の種類を適切に選ぶことも大切です。素焼きの鉢やテラコッタ、コンクリートなど自然素材で作られたものを選びましょう。
自然素材で作られた鉢は、保水性と排水性のバランスがよく通気性も優れているため、多湿を嫌う多肉植物の栽培に向いています。
そして鉢に土を入れる前の段階で、鉢底にネットと軽石を敷くことが大切です。
多肉植物の植え替えをする事前準備として、水やりを控えて土を十分に乾燥させておきます。土の内部まで乾燥させる必要があるので、10日以上は水やりを控えましょう。
十分に土を乾燥させておくことで、根から古い土を取り除きやすくなり、根を傷めるリスクを最小限に抑えられます。また、植え替え後の吸水性もあがるので回復も早まります。
多肉植物の植え替えの作業で、特に難しい作業はありません。ただし、いくつか注意するポイントがあります。
苗を鉢から取り出す前に、十分に土を乾燥させておくことや、鉢から苗を抜き取った際に、根切りをしてから植えることなどです。
植え替え前に正しい手順を全て確認し、大切な多肉植物の植え替えに失敗しないようにしてくださいね。
植え替える鉢に新しい土を入れる前に、まずは鉢底にネットを敷き、軽石を鉢底が覆い隠れるまで敷き詰めます。軽石の代わりに、赤玉土(中粒)を使用してもかまいません。
軽石や赤玉土(中粒)を鉢底に入れることで、鉢底穴から土の流出を防ぎます。また、土の排水をスムーズにし、根腐れの防止にも効果的です。
鉢底にネットと軽石を敷き終わったら、新しい土を入れます。土を入れる量の目安は、鉢底に入れた軽石がしっかりと隠れるまでで、鉢の高さの3分の1~半分程度埋まる量です。
土を入れ終えたら苗を鉢の中央に置き、根の生え際が鉢の縁下1センチほどの高さになるよう調整します。苗の高さが低い状態のままだと葉が土の中に埋もれ、株そのものが枯れる原因になるからです。
多肉植物を鉢から抜き取る際は、根についた土を崩さないよう注意して取り出しましょう。苗が抜き取りにくい場合は、鉢の周囲を軽くハンマーなどでたたくと簡単に取り出せます。
鉢から取り出した多肉植物は、根についた土を、3分の1を目安に落としましょう。ただし、抜き取った苗が根腐れを起こしている場合は、丁寧に土を全て落とします。
また、傷んでいる根を見つけたら、殺菌済みのハサミかピンセットを使い取り除いておきましょう。根が傷んでいるかどうかの見極め方は、根の色と強度で判断します。
仮に根の色が黒や茶に変色していたり、根を軽く引っ張って抜け落ちたりするようなら、根が傷んでいる証拠です。白くて太い根だけを残すようにしましょう。
また、抜き取った苗の根が湿っている場合は、直射日光の当たらない半日陰に3日ほど置いて、しっかりと乾燥させてから植えましょう。
根が新しい土になじんでいないうちは、普段気にしないほどの湿気であっても、根腐れの原因になるので注意してください。
多肉植物を新しい鉢に植える際は、できるだけ根を広げた状態で、鉢の真ん中に苗を置きましょう。根を広げた状態で植えることで、土の中に根が均等に張り巡らされ株が安定します。
つづいて、新しい鉢に入れた多肉植物の周囲に残りの土を入れていきましょう。土を入れる量の目安は、鉢の縁から2~3センチほど下に土の表面がくる量です。
その後、割り箸を使って土の表面を押したり、株自体を少しゆすったりして根と土の隙間をなくしましょう。このとき葉と葉の間に土が入り込んでいたら、ピンセットを使って取り除くようにしてください。
植え替え後、多肉植物を枯らさないために大切なポイントは、弱体化した株をしっかりと休ませてあげることです。
植え替え後の水やりの方法、置き場所、肥料を与えるタイミングなど、いくつか注意点があります。
植え替え後の多肉植物に対し、最適な環境でしっかりと休めるように管理してあげることが、植え替えを成功させるための秘訣です。
多肉植物を植え替えた直後に水やりをすると、十分に水を吸収できず根腐れの原因になるため控えましょう。3〜4日ほど経過したらたっぷりと水を与えます。
また、植え替え後にはじめて水やりをおこなう際、株と鉢の間に隙間ができる場合があります。新しい土を追加し、隙間部分を埋めてあげれば問題ありません。その後の水やりのタイミングは、いつも通り土が乾いたと感じたときで大丈夫です。
植え替え直後、多肉植物は株全体が弱体化しているため、負担をなるべくかけないようにすることが重要です。
普段よりも遮光率が高い日陰に置いてあげましょう。水やりを再開したら、徐々に半日陰に置き場所を移し日光に慣らしていきます。
また、植え替えた直後の多肉植物に肥料は不要です。弱っている株に肥料を与えると、肥料焼けを起こす原因にもなります。
肥料を与えるタイミングは、根張りがしっかりとし、新葉がある程度の大きさに生長してからです。
多肉植物の植え替えは、ポイントをしっかりとおさえておくことで、初心者でも簡単にできます。
植え替えを成功させるために、大切なポイントは以下の3つです。
①植え替えをする適期
②土壌環境を考慮した鉢の選定
③事前準備や処理を正確におこなうこと
正しい手順で植え替えをおこない、お気に入りの多肉植物をより大きく、より長く楽しみましょう。
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