2021年01月13日

包丁のプロに聞いてきました 第3回 サイズ・用途から考える選び方

by 和平フレイズ株式会社

公開:2021.01.13 13:40 更新:2021.10.04 16:23

和平フレイズ株式会社広報部Web担当のやまやです。

包丁のプロフェッショナルに包丁の事をいろいろ聞いてみようというこの企画、今回はやまやがお届けします!

用途によってベストな包丁・サイズがある事、皆さんはご存知でしたか?今回は、包丁のプロの視点から見た、おすすめのサイズをご紹介します!

お話を伺ったのは日本有数の燕三条製包丁メーカー、藤次郎株式会社さんのナイフギャラリー責任者小川さんです。

毎回お世話になり、大変感謝しております!今回もよろしくお願いします!

キッチンスペースを考えた包丁のサイズ【ペティナイフ・三徳包丁・牛刀】

包丁を選ぶにあたって、目的の他に考えなくてはいけないものの一つが包丁のサイズ。使いやすいサイズとは?小川さんに聞いてみました!

<小川さん>

作業される場所を考えた時に、あまり長いとまな板で作業しづらくなってしまいます。そのため、使うキッチンの大きさや、まな板のサイズを見た上で包丁を選ぶ必要があります。

一般的な家庭用のまな板やキッチンスペースですと、刃渡りが15から21cmというのが包丁を選ぶ一つの基準になります。代表的なサイズだと、15cmはペティナイフ、17cmが三徳包丁、21cmが牛刀となっています。

【ペティナイフ】

刃渡り15cm。小回りの利く小型の包丁。

【三徳包丁】

刃渡り17cm。日本の家庭では最も一般的な包丁。

【牛刀】

刃渡り21cm。フレンチナイフ、シェフナイフ、万能包丁などとも呼ばれています。

<小川さん>

具体的な用途や食材の大きさ―例えばキャベツの千切りなど―を想定すると、刃渡り17cmが丁度いい包丁のサイズになります。そのため三徳包丁の刃渡りは、多くが17cmになっています。

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汎用性の高い三徳包丁は、サイズもきちんと「ベスト」なものだったんですね。売り場で見かける三徳包丁はほとんど刃渡り17cm!と思っても問題なさそうです。

サイズからみる!用途に合わせた包丁いろいろ【刺身包丁・パン切り包丁・出刃包丁】

包丁を選ぶ一つの基準として、まな板の大きさやキッチンスペースのお話がありましたが、それとは別に用途についても教えていただきました。

刺身包丁の代用!刃渡り21cmの牛刀

<小川さん>

使い勝手の良い刃渡り17cmの三徳包丁ですが、刺身を切る時の様な、刃渡り全体を使う切り方をする時は長さが足りなくて使いにくいです。長い刺身包丁をお使いいただくのが一番良いですが、刃渡りが21cmの牛刀でも代用できます。

【刺身包丁】

一般的に家庭向けでも刃渡り21~24cm程。

パンを潰さず切れる!パン切り包丁

<小川さん>

例えば三徳包丁でパンを切ろうとすると、刃の面から力が全部加わってパンが潰れます。そのため、点で当たって食材を潰しにくい波刃のパン切り包丁を使うとキレイに切れます。

また、波刃の包丁はのこぎりのように使いますので、短いと使いにくい為パン切り包丁は刃渡り21~24cmぐらいの長さが必要になります。

【パン切り包丁】

刃渡り21〜24cmで波刃のものが主流。

体格で選ぶ!?魚をさばくための出刃包丁

<小川さん>

魚をさばくための出刃包丁であれば、お勧めしてるのは家庭向けで刃渡り15~16.5cmです。

出刃包丁は基本的に大きければ大きい程さばける魚が多くなるので、大きい方が良いのですが、その分重くなり、使いこなしが難しくなります。女性の方でしたら刃渡り15cmでも「重い」と言われます。

男性だと刃渡り16.5や18cmくらいでもある程度使えるので、その方の体格などを見ながらお勧めしています。

【刃渡り15cmの出刃包丁】

一般家庭や女性におすすめ。

【刃渡り18cmの出刃包丁】

好んで買われる方もいます。

「肉や魚はよく切るけれど、刺身包丁は専門的すぎるかも…」なんてご家庭には刃渡り21cmの牛刀がおすすめのようです。牛刀は三徳包丁に比べると刃が長く幅が狭いですが、三徳包丁同様によく使われ、万能包丁とも呼ばれているものです。

肉や魚をスライスする機会の多い料理好きの方は、牛刀が一本あると便利ですよ。

また、上記の中だと、私自身はパン切り包丁を愛用しています。

お話にあった通り、パンが潰れず快適に作業が行えるので、個人的にはおすすめの一本です!

小ぶりなだけじゃない!食育にぴったりな子供用包丁

<小川さん>

商品の中に子供用の包丁があります。これは刃渡り12cmの三徳型です。

【子供用の包丁】

可愛くて子供にも親しみやすいデザイン。

<小川さん>

子供用の包丁は他のメーカーさんからも出ていますが、刃がちゃんとついていないものも多くあります。触ると切れるので「危険だから扱わせたくない」という意図でしょうが、刃がついてないと食材も切れません。

子供が力を入れて切った時に、その勢いで手をケガしてしまう可能性があるので、弊社の商品は全て普通の刃をつけています。食育の面での包丁は「手なども切ってしまう危険なもの」だと教育として教えるべきですので。

弊社の商品は切っ先の尖っている部分を全部丸めてあって、ハンドルもガードの形状になってます。これは手が前に滑ってしまい、指が切れることを防ぐためです。

子供の包丁はきちんと刃がついてるものを選んでいただいた方がいいと思います。そもそも、親の方々が子供に包丁を預けて放っておくことは絶対ないでしょう。一緒に調理して、「切れるんだ」と教える必要がありますので、専用の包丁を使用した方がいいと思います。しっかり刃がついてるものを使って「一緒に調理する」ことが大事だと思います。

用途や作業スペースに合ったサイズの包丁を選ぶ

包丁は実際に使うシーンや目的を考えて作られています。

用途や作業スペースに合ったサイズの包丁を選ぶのはもちろん、重さや食育のお話から、「使う人」のことを考えて包丁を選ぶ事が大切だと気付かされました。

みなさんも、是非この記事を参考に、より自分にぴったりな一本を選んでみてくださいね。

藤次郎ナイフギャラリーのご紹介

今回お話を伺わせて頂くのにお邪魔した藤次郎ナイフギャラリーは、藤次郎株式会社様の製品に見て触れて楽しむことができる施設です。

製品を実際に手にとってご覧いただけるだけでなく、キッチンスタジオで料理教室に参加したり、メンテナンスルームで包丁の状態を確認したりと、多目的に藤次郎製品と関わっていただくことのできる複合施設となっております。

提供元:和平フレイズ株式会社

https://www.wahei.co.jp

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