2022年01月04日
by DCM 編集部 |
公開:2022.01.04 11:00 更新:2022.01.05 15:23
フルーツが美味しく感じるポイントのひとつに「甘い」ということが候補としてあがるでしょう。
水耕栽培で植物を何種類か育てたかたは、そこから1段階レベルアップして甘いイチゴを育てることに挑戦してみてはいかがでしょうか。
デザートとして食後にいただくこともできますし、スイーツを作るにあたっても欠かせない存在がイチゴです。
今回は、果物を代表するイチゴの水耕栽培について見ていきましょう。
水耕栽培には専用のキットが存在しますが、そのようなものに頼ることなくイチゴを水耕栽培で育てることが可能です。
専用キットの代わりに重宝するのがペットボトルです。「そんなもので代用できるの?」と疑問に感じるかたもいるかもしれませんが、十分な役割を果たしてくれます。
使い方は非常に簡単で、用意したペットボトルに細工をします。飲み口にかけて細くなる部分をカットして、切り離した大きいペットボトルのほうに9分目まで水を入れます。
そして切り離した飲み口の部分を逆さにして、セットします。このとき飲み口に苗をセットするのですが、苗がグラついてしまうのでスポンジで固定するといいでしょう。自然に根が水に浸かります。
イチゴには「生長点(クラウン)」と呼ばれる葉が伸びて生長していく器官が根の部分にあります。
ここを、苗を固定するためのスポンジなどでくるんでしまうと、生育が妨げられて思うように育ってくれません。土で育てる場合も浅く植えることがコツとされているのは、それが理由となっているのです。
その点に気を付けると、クラウンからどんどんつるが伸びて果実を実らせてくれるので、細心の注意を払うようにしましょう。
イチゴを水耕栽培で育てようとしている人は、水耕栽培の知識をある程度持っているでしょう。
イチゴを水耕栽培で作ることは、初心者向けのものとは違って手間もかかりますし、用意しなくてはならないものに関してもちゃんとした知識を持っておく必要があります。
この項では、育てる上で発生する可能性が高いトラブルを紹介するので、どのような点を考慮すべきかについて提示しましょう。
カビが発生する原因はズバリ「水のやり過ぎ」にあります。液体肥料を混ぜ合わせた水溶液は栄養があるので、余計にカビが生えやすくなっているのです。
対策としては日光にしっかり当てつつ、換気のいい場所で育てることが大切です。そして、一定の期間で容器をこまめに洗い、清潔さを保つようにしましょう。
イチゴには葉や茎に発生する病気と、株が発症する病気に大別できますが、それらをすべてあげると、およそ25種類にも及びます。その原因はウイルスや細菌に加えて、先の項でもあげたカビによるものです。
水耕栽培は土を用いないため、土壌伝染による病気が起こることはほとんどありません。ですので気を付けるべき病気もグンと減るはずです。
注意すべきは白いカビが生える「うどんこ病」があげられます。また、葉の局部的に黒い斑点ができる「炭疽病」もカビが原因です。対策としてはやはり小まめに水を替え、風通しをよくしすることです。
作物を作るにあたって液体肥料の存在を欠いてしまっては、思うように生育してくれません。イチゴの場合はハイポニカを用いることをおすすめします。
濃度は通常500倍になっているのですが、それだと濃すぎるので注意しなくてはなりません。1500倍まで希釈して使用するといいでしょう。水をよく替えるので、その度に適量を加えてください。
日本において冬の日照時間が最も長いとされる栃木県は、イチゴの名産地となっています。それだけ日光に当てることが重要なのです。
イチゴは「半陰性植物」というものに分類されるので、毎日3~4時間の日照時間を確保する必要があります。茎を太くして大きな実がなるために、しっかりと光合成をさせてあげることを覚えておきましょう。
また室内で育てる場合は、太陽光の代わりにLEDライトを用意することもおすすめです。ライトを選ぶに当たっては1,000ルクス以上の明るさを持つものが必要で、植物育成専用のライトもあります。
そしてLEDを照射する場合は、太陽光と違って時間に制限なくずっと光を当てているほうが作物が育つというデータも出ています。しかし、「つけっぱなしは少し心配」というかたは、1日12時間程度の照射から始めてみてください。
多くの人が「フルーツは甘いほうがいい」と考えていることでしょう。水耕栽培でも甘い実を作るために色々と試していることもたくさんあるはずです。
果たして望み通りの甘いイチゴを水耕栽培で作ることが可能なのか、一緒に考えてみましょう。
イチゴが甘くならない原因を考えてみると、やはり実がしっかりと育たないケースが考えられます。先の項でも説明しましたが日光を浴びせてたっぷりと光合成をさせなければなりません。
室内で日の光が届きにくい水耕栽培は、その点をクリアすることがとても重要になってきます。室内をよく調べて、日光を確保できる場所に作物を置くようにしましょう。
また水やりの回数を増やしすぎると、糖度が上がってくれないパターンもあげられます。追肥をしっかりとおこないつつ、適度な水やりを心がけてください。
「とちおとめ」などの有名ブランドの種は一般的に販売されていません。なぜなら品種改良が何度も重ねられているために、種から育てても親と一緒の品種にならないケースがあるためです。
どうしても有名ブランドの種から育てたいと考えるなら、その商品を購入して種の部分を採取する方法があります。しかし、とても手間がかかるので、あまりおすすめできません。
普通に種を購入して始めたいなら、ホームセンターなどで一般的に売られているものにしましょう。店員さんに相談する際は「発芽率が高くて育てやすい種はないですか?」と聞いてみてください。
手間をかけて育てた作物が望んだ味にならないときの「これじゃない」というガッカリとした感覚は、栽培を楽しんでいる人ならば共感できるものでしょう。
しかし、酸っぱいイチゴも美味しく食べる方法があります。酸っぱいイチゴが収穫できたときは、イチゴに合わせて調理法を替えましょう。
たとえばショートケーキに酸っぱいイチゴを使用して、生クリームの甘みを利用して食べてみると美味しく感じます。ほかにも、チョコフォンデュなどオシャレな楽しみ方はいかがでしょうか。チョコの甘みとフルーツの酸味が合わさって、美味しくいただけそうです。
他にもジャムにしてみたりと、酸っぱさをいかした使い道はたくさんあります。
以上、ペットボトルを用いた簡易的な栽培キットの作成方法や、水耕栽培でイチゴを育てるときに起こりやすいトラブルについて説明し、甘くする方法についても考えてきました。
イチゴは中級者向けのものなので、すでに何度か挑戦しているかたも多いかと思われます。大切なのは失敗しても落ち込まず、うまくいっても冷静に「なぜそうなったのか」という原因を掴んでおくことでしょう。
そのためには自身の室内環境や水やりの回数、適量の追肥などを記録してみるのもいいかもしれません。何より、楽しんで作物を作る姿勢を大切にしましょう。
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