2021年07月17日
by DCM株式会社 |
公開:2021.07.17 17:10 更新:2021.10.04 16:23
2018.11.21
家事のアレコレ、健康、安全など暮らしの悩みは尽きないもの。そんなお悩みの解決法を、住生活ジャーナリストの藤原千秋さんにお聞きしました。
「先日、靴を脱いで上がる居酒屋に皆とがやがや入る際、自分の足元から異様な臭いがして、恥ずかしく顔から火が出そうになりました。革の靴なのに輝きも皆無で……。実は、靴のお手入れ、これまでちゃんとやったことがないし、正直、正しいやり方もわからないので、教えていただきたいです。」
長ければ1日10時間以上も履き続けることもある靴。外側は道、水、空気に晒され、内側は足に触れ、汗で蒸れ、垢や各種の汚れが付き、細菌やカビやらが知らず知らずのうちに養われていく靴。存在しているだけでハードモード。お手入れは必須です。が、なかなか毎日やっていられないというのも、よくわかります。ですが、一切手入れなしで履き続けた靴の末路はだいたい決まっているのです……。
・汚れる
・変色する
・臭う
・カビが生える
・ダニがわく
・形が崩れる
・履いていると足が痒くなる
・インソールや靴底が傷んではがれる
……。
端的に言えば、靴のお手入れをすることで得られるメリットとは、「衛生的、かつ、形くずれなども少ないきれいな状態で、靴を長く持たせることができる」ことに尽きます。
ですから別に長く持たせるつもりではない場合、「履き潰し」「使い捨て」を想定しているような靴であるならば、「手入れなし」で履き続けるという選択も、なくはないのです。
捨てるまでのその期間内に、不快な状態になる(臭う)可能性が多々あることは別としてですが。
一説によれば、1日履いた靴の中には、コップ一杯程度の汗がしみこんでいるといいます。また、不愉快な臭いや変色、傷みの原因となる細菌やカビは水分のないところでは繁殖できないという性質を持っています。
つまり、最低限の靴の「お手入れ」といえる作業とは、「一度履いた靴の内部の湿気は、すみやかに逃がす(乾燥させる)」ようにすること、といえるわけです。
要は、特別なことはしなくても、「昨日履いた靴を今日は休ませる」ような履き方をすればいい、ということになりますが、これが意外と現実的には「難しい」ことだったりするのではないかと思います。
初心者向けの内容になりますが、靴の種類別に、お手入れの仕方をご説明しましょう。
一度履いた靴、特に明日も続けて履く予定であるような靴には、脱いだらすみやかに「乾燥剤」を入れ、強制的に乾燥させるようにしましょう。
特につま先方面に湿気は溜まっているので、靴の先の方にもしっかり入れ込むこと。ロングブーツは特に内部が高温多湿になりがちなので要注意。長靴も同様です。
もうひと作業できそうであれば、ぜひ、ブラッシングを。靴の表面に付着した汚れを落とす。この作業の間、木製のシューキーパーを靴内に挿して湿気取りを兼ねてもいいでしょう。
泥砂を吸いやすい布製のスニーカーは、履き終えたら都度ホコリをブラッシングで落とせるといいでしょう。汚れや臭いが気になってきたら、シューシャンプーでの水洗いを施し、しっかり乾燥させたのちに防水スプレーをかけて水濡れや汚れを予防するようにしましょう。
靴ひもは外し、縫い目、ベロの部分までしっかりブラッシング。その後乾いた布で磨きます。艶が減っているのが気になったらレザートリートメントクリームを塗り、磨く工程を足します。防水スプレーも効果的です。
靴ひもは外し、縫い目、ベロの部分までしっかりブラッシングします。靴クリームのついたブラシは使えませんので、専用のブラシを用意しましょう。表面の汚れは消しゴムタイプのクリーナーで落とします。防水スプレーをかけることは汚れ防止にもつながります。
泥などで激しく汚れてしまった場合には外周を水洗い。内部は臭い、カビ予防のため乾燥を主にします。すでに内部が雑巾くさくなっているような場合には、消毒用エタノールをスプレーし、陰干ししましょう。
女性のロングブーツ内部からはダニが検出されることがあるほど、衛生的に不穏なブーツは長靴同様、乾燥させることを主にケアを考えましょう。外周ケアは素材に応じて行います。足裏に汗をかきがちな場合は、中敷をこまめに取り替えるようにするといいでしょう。
裸足で履くことの多い夏用のサンダルは、皮脂汚れが激しく、劣化スピードも早めです。できれば履くごとに、消毒用エタノールでさっと足裏の当たる部分を拭きましょう。革部分、布部分はブラッシングしましょう。
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藤原千秋
大手住宅メーカー勤務を経て、主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆。現在は企画、広告、商品開発アドバイザーなど多様な業務に携わる。TV「マツコの知らない世界」に1000個の掃除グッズを試した主婦として出演も。著・監修書に『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』など。
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