2021年12月20日
by DCM 編集部 |
公開:2021.12.20 02:00 更新:2022.01.24 10:13
多肉植物は「育てやすい」と言われているのに、なぜか枯れてしまったという経験はありませんか。多肉植物の栽培に失敗する原因の多くが水やりです。
多肉植物には、水をたっぷり与えるべきか、全く水を与えないべきか。実はどちらも正解であり、誤りです。多肉植物には、生育型があり、時期によって水やりの量やタイミングが異なります。
また、品種によっても水の与え方は違ってくるので、注意が必要です。
この記事では、多肉植物の生育型、水やりの頻度や量、タイミングについて詳しく解説します。
多肉植物の水やりでまず大切なのは、量とタイミングです。水を与える際は、たっぷりと与えます。タイミングは、土の状態を確認して水やりのタイミングを見極めることも大切です。また、水は株元の土に与えるようにします。
基本的なポイントを把握して、正しく水やりをおこないましょう。
水は少しずつこまめに与えるのではなく、一度にたくさん与えるのがポイントです。量の目安は、鉢全体に水分がいきわたり、鉢底から少しあふれ出るくらいの量をたっぷりと与えましょう。
水やりが必要なタイミングは、土が乾いたときや、葉に水分が足りないときです。手や割り箸などを土の中に入れてみて、湿り気を確認し、2割以上湿っている場合は水やりの必要はありません。
メリハリをつけて水やりをすることで、多肉植物は元気に育ちます。
多肉植物は葉に水をかける必要はありません。葉にかかってしまうと、そこから腐ってしまったり、病害虫の被害にあったりするため、葉に水がかからないように注意しましょう。
ガーデニング用じょうろを使って、株元に正確に水を与えるようにしてください。
葉に水がついた場合は、ティッシュで拭き取るか、エアスプレーなどで水分を取り除くようにしましょう。
霧吹きで多肉植物に水やりをする方もいますが、霧吹きでは十分な水を与えられないため、基本的に水やりの代わりにはなりません。
しかし、霧吹きは葉についた害虫を洗い流す効果があります。多肉植物は、害虫被害で枯れる場合もあるので、水やり目的ではなく、害虫対策として定期的に霧吹きで水を吹きつけましょう。また、葉水といって、わずかしか水分を必要としない時期の水分補給方法として有効な場合もあります。
多肉植物には3つの生育型があり、それぞれに生育期と休眠期があります。この生育型によって、水やりの頻度や方法が変わってくるため、注意しましょう。
基本的には生育期に水やりをおこない、休眠期では断水します。休眠期は生育が鈍くなり、水を与えても吸収せず、根腐れや病気につながる場合もあるので、注意が必要です。
多肉植物には、育ちやすい季節ごとに3つの生育型があります。生育型は、「春秋型」「夏型」「冬型」の3つです。
春と秋の暖かい時期に育つのが春秋型で、夏や冬は休眠期になります。夏型は暑い夏に生育し、冬が休眠期、冬型は寒い冬に生育し、夏が休眠期です。
多肉植物は、品種ごとに生育期や休眠期が異なり、それに応じて生育適温や水やりのタイミングが変わってきます。
生育期では、水切れをおこさないように、土が乾くたびに水やりをします。休眠期は、基本的に断水です。ただし、その日の気候や植物の状態に応じて、普段の半分程度の量で水を与えるケースもあります。
また、緩やかに育つ時期も、気候や葉の具合に応じて水やりをします。
冬が休眠期であれば、基本的に断水です。しかし、いきなり断水するのではなく、徐々に水やりの頻度を減らすようにするのがポイントです。
生育型による水やりのパターン以外にも、多肉植物の水やりには気をつける点があります。水を与えるタイミングと時間帯です。
水やりのタイミングと時間帯を、その他の水やりのポイントとあわせて、きちんと把握することで、枯れにくく元気な多肉植物が育てられます。
水やりのタイミングは、多肉植物の状態や、土の乾燥具合で判断します。水不足や水のやりすぎを防ぐためにも、多肉植物の様子を普段からよく観察してみてください。
葉にシワがよっている、色が悪くなっている場合は水分が不足しているサインです。たっぷりと水を与えましょう。
また、土がどのくらい乾燥しているかも、わかりやすいポイントです。土が湿っていれば水やりは必要ありません。割り箸を土の中に入れ、湿っていないか確認し、8割程度乾燥していれば水やりをしましょう。
水やりの時間帯は、気温が下がり涼しくなる、夕方から夜がおすすめです。日中の水やりは、一時的に土の温度を下げられますが、次第に鉢の中の温度があがり、蒸れてしまいます。鉢の中が蒸れると、根腐れをおこすこともあるため、注意が必要です。
また多肉植物は、日中に気孔を閉じる性質があり、蒸散が起こりにくくなっているため、水分吸収率が下がります。
吸収されなかった水分は土の中に残ってしまい、根腐れの原因となります。水やりは夕方から夜を目安に行ってください。
最後に紹介するのは、水やりの細かな注意点です。
栽培環境、植物の状態の見極めまでして水やりをコントロールできれば、多肉植物の栽培に失敗することはなくなります。
水やりにはいくつかのポイントがありますが、最終的には植物が水を欲しているタイミングで、必要なだけ与えることが大切です。
多肉植物の室内栽培と室外栽培では、水やりの頻度やタイミングが異なります。
室内で育てる場合は、冷暖房による乾燥に注意が必要です。部屋の空気が乾燥していると、多肉植物の葉や土が乾燥しやすくなるため、こまめに状態を確認しましょう。乾燥していれば、臨機応変に水やりをおこなうことが大切です。
一方、室外栽培の場合は、気温や湿度、風の有無など、天候条件が日によって異なります。水やりの最終的な判断は、室内同様に、自分の目で植物や土の状態を確認しておこないましょう。
多肉植物への水やりは、一定のルールがあります。しかし、植物なので、状態は千差万別です。植物が水分不足になっていないか、色が変わっていないか、土が乾燥していないかなど、できるかぎりよく観察してみましょう。
また、状態の確認が必要なのは、生育期だけではなく休眠期も同様です。休眠期は基本的に断水しますが、植物の状態によっては水を与える必要があります。
毎日欠かさず状態を確認していれば、自然に水不足のタイミングがわかるようになるものです。
これまで多肉植物の水やりの基本やコツを紹介してきましたが、いかがでしたか。
多肉植物は、葉や茎に水分をため込む性質であるため、あまり水を与えすぎると、吸収しきれず、根腐れをおこしてしまうなど 、かえって生育を妨げてしまいます。
水不足になってしまうと正常に生育しないばかりか、枯れてしまうこともあるため、水やりのタイミングや頻度をきちんと把握しておくことが大切です。
生育型の違いによる水やりのポイントをつかんだら、ぜひ多肉植物の寄せ植えにもチャレンジしてみてください。
寄せ植えは、水やりのタイミングや量が似た多肉植物でつくるのが基本です。水やりのポイントがわかっていれば、寄せ植えの栽培も失敗しません。個性豊かな多肉植物の寄せ植えは、多肉植物の新たな魅力を発見できますよ。
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