2021年12月20日

多肉植物を栽培するのに適した土を知ろう!植え替えの手順や配合のポイントも紹介

by DCM 編集部

公開:2021.12.20 03:00 更新:2022.01.24 10:14

「多肉植物ってどんな土が適しているの?」「園芸用の土じゃだめなの?」といった、疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。

多肉植物の栽培には、園芸用の土はあまり適していません。肥料が必要以上に含まれていたり、水はけが悪かったりと、選んだ土によっては、枯れる原因になってしまうこともあります。

多肉植物に使う土は、専用の土が販売されているので、とくにこだわりのない場合は、多肉植物用の土を購入しましょう。オリジナルで配合することも可能です。

土の入れ替えが必要となる植え替えの手順もまじえて、多肉植物の土について、詳しく紹介します。

多肉植物用の土が必要になるのは植え替え時

多肉植物を長く育てるためには、定期的な植え替えが必要です。また、寄せ植えを楽しむ際も、植え替え作業をおこないます。

植え替えをする際には、土が必要です。多肉植物の栽培に適した土を準備しておきましょう。

多肉植物は植え替えが必要

多肉植物は植え替えが必要な植物です。長く育てていれば、葉や茎と同じく根も大きく成長します。同じ鉢で育て続けると、根の大きさにあわず、根詰まりを起こす可能性があるので注意が必要です。

根詰まりは病気の原因になるため、ひとまわり大きいサイズの鉢を用意して、植え替える必要があります。

また、同じ土を長く使用していると、土の密度が濃くなり、水はけが悪くなります。多肉植物は、水はけのよい土で育てる必要があるため、土を入れ替えるためにも、定期的な植え替えが必要です。

植え替えの手順

植え替えの手順は、あまり難しくありません。

まず、植え替える鉢の用意です。鉢には軽石や赤玉土など、排水性を高めるための資材を下に敷き、土を4分の1程度入れておきます。

植え替える苗は、根についた土を落とし、干からびている根を切り落としてから、新しく用意した鉢に入れましょう。苗が倒れないように支えながら、土を流し入れたら植え替え完成です。

必要に応じて、割り箸や指でまんべんなく押さえながら作業をすると、よりしっかりと土を入れられます。

植え替え作業の際には、土の水分についても注意が必要です。植え替えは、土が乾いている状態でおこないます。また、植え替え後の水やりは、1週間から10日程度たって、しっかり根付いてからおこないましょう。

多肉植物には専用の土が必須

多肉植物には、生育環境にあった土を用意する必要があります。多肉植物にあっていない土を使うと、水分や肥料が適切に管理できなくなり、生育が悪くなるばかりか、枯れてしまうこともあるので、注意が必要です。

多肉植物が好むのは、排水性がある土です。また肥料もほとんど必要ありません。とくにこだわりがない場合は、市販されている多肉植物専用の土を使うことをおすすめします。

また、自分でも配合できるので、より多肉植物栽培を楽しみたい場合は、ぜひ挑戦してみてください。

多肉植物は自分で水分を蓄えられる

多肉植物は葉や茎に水分をため込む性質があるため、常に水分を必要としません。余分な水分を土中に滞留させないために、排水性の高い土 が必要です。排水性がない土だと、鉢の中の水分が減らず、最悪の場合、根腐れを起こしてしまいます。

しかし、排水性が高すぎても、必要な栄養が流れてしまうため、注意が必要です。

多肉植物の品種によっても異なりますが、排水性と保水性を適度に兼ね備えた土を使いましょう。

園芸用の土との違いは水はけ

園芸用の土も、多肉植物用の土も、培養土として販売されています。培養土とは、あらかじめさまざまな種類の土や肥料などを、育てる植物に最適な配合で作ってある土です。

園芸用と、多肉植物用の培養土の大きな違いは、排水性です。園芸用の土は保水性が高く、水はけがあまりよくありません。

一方、多肉植物用の土は、多肉植物の性質にあわせて、水はけがよい配合で作られています。多肉植物は、水はけのよい土を好むため、保水力のある園芸用の土は、多肉植物の栽培には不向きです。

オリジナルで配合することもできる

多肉植物を育てる際に、園芸用の土をそのまま使うと、排水性の面でトラブルを招く可能性があります。しかし、園芸用の土に排水性のある土を配合すれば、多肉植物の生育環境に適した土を作ることが可能です。

「園芸用の土が余っているから使いたい」「自分で配合してみたい」といった場合は、ぜひオリジナル配合にチャレンジしてみてください。

ベースには、園芸用の土を使います。川砂や赤玉土、鹿沼土を適切な割合で、ブレンドしていきます。

配合の割合は、園芸用土を3、赤玉土を4、軽石を3が目安です。粒子の洗い土をブレンドすることで、園芸用の土も水はけがよくなり、多肉植物の栽培に使えるようになります。

多肉植物の栽培に適したおすすめの土を紹介

オリジナルの土を作る際には、どのような土が適しているのか知る必要があります。また土壌作りの基本として、基本用土、補助用土などの役割も把握しておきましょう。

基本用土とは、土壌の5割以上を占めるベースとなる土です。その基本用土に、保水性や排水性などの必要な機能を実現するために、補助用土を加えます。

赤玉土

多肉植物だけでなく、観葉植物や根塊植物、盆栽など幅広い植物に使用される土です。腐葉土とは異なり、雑菌が繁殖しにくい無機質な土で、保水性や保肥性に優れています。

普通の土や腐葉土に比べれば排水性にも優れているため、基本用土として使用されます。

鹿沼土

スポンジのような形状で、保水性や通気性に優れている鹿沼土。鹿沼土は栃木県の鹿沼地帯で産出されたことから、その名がついています。

赤玉土と違い、酸性を示すことから単独で使用することはありません。補助用土として、盆栽用や挿し木用としても用いられています。

日向土

日向土(ボラ土)は、宮崎県南部で取れる軽石の一種です。グラウンドの土としても使われています。

日向土には小さな穴が開いていて、排水性や通気性に優れているのが特徴です。ちなみに、組成は同じですが、状態によって呼び名が異なります。

乾いた軽石を日向土、湿っている土をボラ土と呼び、補助用土として使用されます。

軽石

軽石は「浮石」とも呼ばれ、水の中に入れると浮く性質があります。前述した日向土や鹿沼土も軽石の一種です。

通気性や排水性に優れており、補助用土として混ぜ合わせることで、通気性のある土壌ができます。ほかにも、鉢の底に大粒の軽石を入れることで、鉢底石としても使用可能です。

バーミキュライト

バーミキュライトは「苦土蛭石」とも呼ばれる、天然のケイ酸塩鉱物です。水分をたくさん含むことができる性質 を持っているため、保水性に優れています。

ほかにも、軽い・無菌・断熱性がある・保肥性が高いなど、土壌改良に適した補助用土です。

腐葉土

虫や微生物によって、枯葉が分解されてできたのが腐葉土です。補助用土として土に配合すれば、土全体に微生物が増え、植物の生育を助ける土になります。

腐葉土は、市販で売られているほとんどの培養土に含まれており、土壌改良には欠かせない優秀な土です。

ピートモス

泥炭(ピート)を乾燥させて砕いたものがピートモスです。酸性の土なので、使用する際は、石炭やくん炭などで酸度調整をする必要があります。

ピートモスは保水性や保肥性に優れた補助用土で、非常に軽量であるため、室内栽培用の土としても最適です。

籾殻くん炭

精米の際に取れる籾殻を低温でいぶし、炭化させたものが籾殻くん炭です。補助用土として土に混ぜることで、保水性や排水性が高くなります。

また酸性の土壌を中和する効果や、腐葉土と一緒に使うと、脱臭炭のように消臭する効果もあります。

ハイドロカルチャー

ハイドロカルチャーとは、水を意味するハイドロ、栽培を意味するカルチャーを組み合わせた、植物を育てる方法の1種です。

具体的には、自然な土を使用せず、石や砂に色のついた「カラーサンド」や人工の土である「ハイドロボール」などを利用し、植物を育てる方法を指します。

土ではありませんが、室内栽培として注目されている栽培方法なので、ぜひ試してみてください。

多肉植物の栽培に慣れてきたらオリジナル配合の土作りも楽しもう

これまで多肉植物の植え替え手順や適した土を紹介してきましたが、いかがでしたか。多肉植物は、水分をため込む性質があるため、必要以上に水をため込まない、水はけのよい土で栽培する必要があります。

市販されている多肉植物専用の土は、水はけがよく、そのままプランターに入れて使用できるためおすすめです。

しかし、多肉植物の栽培に慣れてきたら、土も自分で配合すると、楽しみの幅も広がり、より愛着もわきます。また室内栽培で人気のある、ハイドロカルチャーに挑戦してみるのもおすすめです。

植物の栽培に欠かせない土。より理解を深めて、多肉植物栽培を楽しんでくださいね。

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