2021年02月20日
by 与板利器工業株式会社 |
公開:2021.02.20 14:40 更新:2021.10.04 16:23
鋸(ノコギリ)は主に木を切る道具ですが、両刃鋸の他に用途・作業に合わせて色々な種類の鋸があります。
・先巾
・見当刃
・江戸目
・縦目
・板
・元刃
・首
・元巾
・切待
・肩
・込
日本の鋸は引いて切る事が欧米との一番大きな違いで、欧米の鋸(洋鋸)は押して切る刃の形状になっています。洋鋸は特に押す力を利用して切る仕様ですが、日本の鋸は力を入れずに軽く引きながら切れる刃の仕様になっています。
また、洋鋸は片刃仕様しかありません。日本も片刃でしたが明治時代の後半に両刃鋸が考案され広く全国に普及しました。それまでは木目と同じ方向に切る縦挽き鋸、木目を横に切る横挽き鋸が使われていましたが作業の効率を考えて1本にまとめて両刃鋸が生まれました。
鋸は主に木を切る道具ですが、両刃鋸の他に用途・作業に合わせて色々な種類の鋸があります。建築工法の進化に伴い木以外の材料が使われるようになり、それらに対応する鋸が作られてきました。また、従来の手引き(手動)だけでなく、電動式の丸鋸(スライド式等)・ジグソー・レシプロソー(セイバーソー)・帯鋸等作業・工法に合わせて考案されています。切る材料も木以外に竹、合板、樹脂、各種金属と多岐に渡っています。ここでは手挽き鋸に関してまとめました。
アサリとは材木との摩擦を少なくし、オガクズの排出を容易にする役目があります。(A・B図参照)
比較的水分の高い未乾燥材にはアサリの幅を少し多めにします。
堅木材、もしくは乾燥材、新建材、複合材にはアサリの幅を少なめにします。
C図に示すようにアサリの左右の振り出しが違うとアサリの多い方へ曲がってしまいます。
D図のように上目の高さが違うと高い方へ曲がってきれるようになります。
以上、軟木・堅木・湿材・複合材等、材質によって刃先の角度やアサリ幅を選択することにより鋸本来の切れ味を引き出す事になります。
鋸は使用しているうちに刃先が摩耗したり、アサリが狂ってしまうことがあります。目立てとは、切れ味が悪くなった場合に目立てヤスリで刃を研いで鋭くしアサリを修正して切れるようにする事をいいます。また、アサリの修正には専用の刃鎚を使用します。
※現在ではアサリの無いタイプが各鋸メーカーから発売されており、広く使われています。
折込式のタイプや園芸のサヤ入鋸、剪定鋸などで採用されています。
アサリを左右に出す代わりに、鋸刃自体の厚みでアサリを作り出しています。
アサリが無いことでナイフや切り出し刀で切断したような綺麗な切断面に仕上がります。
木材の切断に。縦引き・横挽きに対応します。替刃式タイプもあります。
刃のサイズは210mm・240mm・270mm・300mmなどが一般的で、それ以外のサイズもあります。木目と同じ方向に切る縦挽き刃と木目に対して横に切る横挽き刃が付いた鋸です。柄は桐材に籐を巻いた物や、その他に樹脂製やゴム柄(パイプにゴムでカバー)等もあります。
木材の組子や加工作業に使用します。替刃式タイプもあります。刃のサイズは210mm・240mm・270mmなどが一般的です。刃が非常に薄く、刃の後に背金が付いて曲りを押さえています。刃形状は横挽き刃で、歯が細かくアサリも少ないため、切り口がきれいに仕上がります。柄は桐材や樹脂製があります。
木材の加工・細工、ベニヤ材・集成材などの複合材やデコラ材、樹脂等の切断にも使用できます。刃のサイズは210mm・240mm・270mmが一般的ですが、それ以外のサイズも揃っています。木の繊維の方向性や規則性がない複合材の切断に適しています。
柄は桐材に籐を巻いた物や、その他に樹脂製やゴム柄(パイプにゴムでカバー)等もあります。
角材や丸材の切断、木取りなどの大まかな木工作業に使用します。
刃のサイズは300mm・330mm・360mm・390mmが一般的です。
刃渡りが長いので太い角材や丸太の切り落し、荒切り用として最適です。
刃の先端部の上が丸くなっている関東型(東日本)、角になっている関西型(西日本)があります。
柄は桐材になります。
角材やコンパネ等の切断に使用します。替刃式タイプも有ります。
刃のサイズは300mm・330mm・360mm・390mmが一般的ですが、それ以外にもあります。
仮枠仕事に使用します。サヤ入や折込式もあります。
柄は桐材に籐を巻いた物や、その他に樹脂製やゴム柄(パイプにゴムでカバー)等もあります。
丸太や生木の切断に使用します。
刃のサイズは300mm・330mm・360mm・390mm・420mm・450mmが一般的です。
角度がついた短い柄が付いている鋸です。刃は横挽きで目詰りを起さないように刃が大きいです。
柄は桐材になります。
小穴や溝を挽くとき、材料をくり抜く時に使用します。
刃のサイズは75mm・90mm・105mmなどがあります。
大きいものは大工仕事用で鋸身が厚く頑丈です。
家具・建具・小細工用は鋸身が薄く小さくなっています。先端のカーブは大きく出来ています。柄は桐材になります。
材料の切り抜き、小細工用、曲線切りなどに使用します。替刃式タイプもあります。
刃のサイズは180mm・210mm・240mmなどがあります。
曲線状に引き抜き(押し抜き)したり、透かし彫りの引きに抜きに使用されています。
先端が錐の役目をします。鋸身が細く、厚みがあり、アサリがありません。
柄は桐材になります。その他に樹脂製やピストル柄もあります。
簡単な切断、生木の剪定・枝切りなどに使用します。
刃のサイズは180mm・210mm・240mm・270mm・300mmなどがあります。
最近では120mmなどの小型なもので各種材料(樹脂、塩ビ、竹等)に対応したものも作られています。
アサリなしのタイプは切断面を重視する時に便利です。
柄は木製、樹脂製、ゴム製があり、特にゴム製のものが広く使われています。
主に木工加工での曲線切りに使用しますが、刃を替えることで金工(薄い素材)にも使用できます。材質は炭素工具鋼になります。
弓状のフレームに細かい刃を取付けて使用します。替刃には木工用、金属用があります。
刃の山の数や厚さによって種類があり、材料の厚さや硬さによって使い分けます。
竹の切断、細工に使用します。
刃のサイズは210mm・240mmが一般的です。替刃式が広く使われています。
竹の強い繊維を横挽きでも切断することができ、刃先を痛めずに切り口をきれいに切ることができます。
柄は桐材に籐を巻いた物、替刃式では樹脂製があります。
弓状のフレームに切断したい対象物に適した刃を取付けて使用します。
刃のサイズは250mm・300mmがあります。大工鋸とは違い、押して切る刃付けになっています。
1枚の細長い鋼鈑の片側に刃が刻まれ、両端の穴で手挽き用の弓鋸に取付けて使用します。
金切鋸には上記の弓式形状以外にピストル柄(ガンタイプとも言う)タイプで色々なメーカーが販売しています。
金工用タイプは水道管・ガス管などの鉄材、アルミ・銅・鉛・真鍮などの軽金属の切断が出来ます。
金工用の刃の材質は鉄を切るために、ハイス鋼を使用しているのが一般的です。
軽金属用タイプはアルミ・銅・鉛・真鍮などの切断が出来ます。
軽金属用の刃の材質は刃物鋼で刃先に熱処理(特殊焼入れ)がされています。
塩ビ、プラスチック(樹脂)用鋸はピストル柄(ガンタイプとも言う)タイプで色々なメーカーが販売しています。
給水管・排水管などに使われている塩ビ管や銅管などの切断に使用します。
パイプを切断する場合、普通の横挽き鋸では掛かりすぎてしまうため、パイプ用に挽き心地の良い目立てになっています。また、一般木材や細枝の剪定にも使える物もあります。
・縦挽きは木目と同じ方向に、横挽きは木目に対して横に切るときに使います。
・挽き始めは鋸を立て気味に左手親指の爪先で墨線の末端を押さえ、静かに挽き込みます。始めはストロークを小さく、食い込んでからは出来るだけ大きく、挽く時に切れるので力を抜いて鋸の重さだけで挽くように使います。
また、挽く対象物をしっかりと固定することも大切です。
・加工する木材と鋸との角度は、挽こうとする材料によって多少変わりますが普通は30°位がもっとも切れ味が良いです。厚い木材や硬い木の場合はやや鋸を立てて45°位で、薄い板や軟らかい木の場合は鋸を多く傾けて30°以下にして使用した方が作業効率が高まります。
・切っている際に鋸が重く、板が鋸を引いた際に一緒に持ち上がってくるような時は鋸を立てているのでこのような時は下げましょう。
・最初に切込をする際は鋸の元の部分(5cm)ぐらいのところで切込を入れ鋸がくい込んでから刃の先から元まで使いましょう。
・引く際に「ガリガリ」と早く引くと刃がいたみ、又、切れません。
のこぎりの刃を上向きにして、柄尻を軽く叩いて刃を緩めます。刃が緩んだら、背金から取り出します。
柄を持った状態で、刃を打ちつけて取り外さないでください。刃先が当たり大変危険ですので、ご注意ください。
背金に刃を挿入し仮止めします。のこぎりの刃を下向きにして、柄尻を軽く打ちつけて刃を取り付けます。
※慣れるまでは一度に強く打ちつけずに、軽く何度も打ちつけた方が安全です。
・切断する材料・用途以外には使用しないでください。
・鋸刃の切断方向には手を置かないでください。
・釘等の異物のささった材料の切断は避けるか、確実に異物を取り除いてご使用ください。
・切断中にはひねったり、こじったりしないでください。刃が折れるおそれがあります。
・保管時には幼児の手の届かない所をお選びください。
・使用時には切りくずが出ますので、ゴーグルやマスク等を装着してください。また、高所作業時にはヘルメット、安全靴、作業用手袋着用してください。
・鋸を長持ちさせるには錆を防ぐことが大切です。
・ノコギリを使った後は、刃先を古い歯ブラシなどを使っておがくずを取り除いてください。
・水気が付いたら乾いた布で拭き取り、使用後は防錆油か家庭にあるサラダ油や天ぷら油で拭き取っておけば、次に使う時は良い状態で使用できます。
・また、刃を購入時の包装に入れて保管すると安全です。
・鋸身が折れた場合は、溶接して修理することが可能です。両刃鋸(先頭ページのイラスト参照)は首、肩の部分(地域によっては首部のみ)を溶接して作っています。溶接した後を専用機で擦り込み平らにしています。その技術で折れた刃を修理することが可能です。
・刃が欠けた場合は、欠けた方の刃を全て切り落します。そして、新たに歯を作り直します。当然切り落し分、鋸身の幅が細くはなりますが使用には問題ありません。
・切れ味が悪くなった、切れなくなった場合は前にも説明した目立て作業を行うことで復活します。
刃:刃物工具鋼
柄:桐
サイズ:240mm。他に180mm・210mmもあります。
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刃部材質:SK-85(炭素工具鋼)
柄:樹脂
サイズ:180mm、刃の厚みは0.6mm
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刃部材質:SK-85(炭素工具鋼)
柄:樹脂
サイズ:120mm、刃の厚みは0.7mm
JAN4931025005700
提供元:与板利器工業株式会社
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