2021年02月26日

新4K・8K衛星放送の受信

by マスプロ電工株式会社

公開:2021.02.26 15:40 更新:2021.10.04 16:23

1.基本説明

進化するテレビ放送

日本のテレビ放送は、1953年に誕生して以来、既に60年を越えました。

その間、カラー放送の開始、BS放送、CS放送の開始と多様化し続け、2000年にはBSデジタル放送、2003年に地上デジタル放送がスタート、2011年7月にアナログ放送を終了して、現在のデジタルハイビジョン放送時代へと進化してきました。

家庭用テレビは近年、大型化する傾向が見られ、一般家庭においても映画館のような臨場感を求める人が増えてきています。

2018年12月から新4K8K衛星放送の実用放送が開始されました。

衛星放送とは

衛星放送は、赤道上空約3万6千kmにある静止衛星に向け、地上から送信した後、異なる周波数に変換し地球上に向けて再送信した電波を視聴者がパラボラアンテナで受信する放送サービスです。 このサービスにより、地上のアンテナで問題になっていた放送エリアの問題が解消されると同時に、多くの情報量を容易に放送できるようになりました。3万6千km離れた遠方から到達する電波は極めて弱く、高利得なアンテナを使用しないと受信ができません。そこで専用の衛星アンテナが必要になってくるのです。

4K、8K放送とは

4K8Kは超高精細度テレビジョン(スーパーハイビジョン)放送とも呼ばれ、画素が増えて密度が高くなり、HDR技術により、現在の放送と比べて各段に美しくなります。また、8K放送は22.2マルチチャンネルにより、その場所にいるかのような臨場感あふれる音響を体感できます。

1,000画素=1K(キロ)という単位で表現され水平方向の1,920画素(約2,000画素)から「2K」と呼ばれています。

4K、8K放送はどれくらいきれい?

色の表現範囲が大幅に拡大し、“実際に見える色”により近い表現が可能になりました。また、画像表示速度が2K放送の1秒間に30コマに比べ、最大で1秒間に120コマ表示と高速化しました。それにより、動きの速いスポーツなども「ぼやけず」「なめらかに」表示されます。2K放送と比べると、色や明るさの変化(グラデーション)がなめらかになり、より自然で現実に近い表現が可能になりました。

2.受信機器について

周波数帯

2018年12月に本放送が開始された新4K8K衛星放送は、従来の2071MHzより高い3224MHzまでの周波数を使用して宅内や棟内を伝送するため、放送サービスによっては周波数帯を保証する機器に交換する必要があります。

4K・8K放送の電波

右旋や左旋は、円偏波と呼ばれる電波の進み方を表し、偏波を右旋・左旋と分けることで同じ周波数でも2倍に増やして利用することができます。

今までのBS放送や110°CS放送のスカパーには右旋が使われていますが、左旋は放送用に利用されていませんでした。

左旋も利用する新4K8K衛星放送を視聴するには、新4K8K衛星対応のBS・110°CSアンテナが必要になります。

交換が必要な機器

新4K8K衛星放送は、従来の2071MHzより高い周波数3224MHzを使用しています。放送サービスによっては周波数帯域を保証する機器に交換する必要があります。

新4K8K衛星放送の視聴には、新4K8K衛星放送対応テレビ、チューナーが別途必要になります。

対応機器

全ての4K8K放送を視聴するには、BSアンテナをはじめ、各受信機器の交換も必要になります。

3224MHzまでの新周波数帯対応はもちろん、4K8Kのもつ高速伝送のパフォーマンスをフルに発揮できる、高品質製品が販売されています。

3.衛星アンテナの種類

オフセットパラボラアンテナ

オフセットパラボラアンテナは円形のパラボラ反射鏡の一部分を抜き出した形の楕円形のパラボラ反射鏡を持ち、現在、衛星放送の受信で主流になっているアンテナです。一次放射器が電波到来方向からみて、反射鏡からずれた(オフセットした)位置にあるところから「オフセットパラボラアンテナ」と呼ばれています。

オフセットパラボラアンテナの利点

オフセットパラボラアンテナは、一次放射器による電波のさえぎりがないため、その分利得が高くなります。電波到来方向にアンテナを向けても、パラボラ反射鏡は直立しているので雪が積もりません。降雪の多い地域にも適しています。

4.パラボラアンテナの各部の名称と働き

パラボラ反射鏡(ディッシュ)

電波を反射させて、焦点に設けられた一次放射器に集める働きをします。

一次放射器

焦点に集まってきた電波を取り入れる。(TVアンテナのダイポール部分と同じ働き)

コンバーター

一次放射器で取り入れられた電波(11.7~12.75GHz)を低い周波数(1~3GHz)に周波数変換します。

5.選び方

アンテナ本体のみを購入する

現在販売されているBSアンテナには、「アンテナ本体のみ」と「アンテナ本体+金具等の取付セット品」の2種類があります。

既にご自宅に設置されているアンテナと本体のみ交換する場合や、取付金具や同軸ケーブルは別で購入される場合は「アンテナ本体のみ」ご購入してください。

取付金具等とのセット品を購入する

今までBSアンテナを設置していなかった場合や、現在設置しているBSアンテナと一緒に古くなった金具等も交換する場合は、お得な「アンテナ本体+金具等の取付セット品」のご購入をお勧めします。

6.アンテナ設置の仕方、注意

購入前の注意点

●アンテナがしっかりと設置できる場所を選んでください。

●南から南西方向斜め上方に障害物(樹木、軒先、ビル、高架道路、崖など)がないか確認します。

BS・CSアンテナの方向調整のポイントと用語

衛星アンテナの方向調整はとても微妙です。アンテナの角度を1度動かしたら3秒止め、テレビのアンテナレベル表示を確認してください。

方向を微調整していき、アンテナレベルが高い位置で固定してください。アンテナとチューナーが離れているときは、2人以上で方向調整を行うことをお勧めいたします。

斜め上方から到来する電波と水平面が接する角度を仰角といい、設置するエリアによって角度が違います。

⇒九州=46° 中部=40° 北海道=30°

アンテナを建てる点を中心として真北(磁北から4~9°右)から、東回りに放送衛星の位置を測った角度を方位角といいます。

BSからの電波の到来方向は大まかにいうと南西の方向となります。

商品紹介

マスプロ電工 新4K8K衛星放送対応BS・110°CSアンテナ / BC45RL

●受信周波数:11.7~12.75GHz

●受信偏波:右左旋円偏波

●アンテナ利得:33.8dB(BS実力値)、34.2dB(CS実力値)

●出力周波数:1032~3224MHz

●外観寸法(mm):560(H)×460(W)×486(D)(マスト径50mmのとき)

●重量(kg):約1.7

●適合マスト径(mm):25~50

マスプロ電工 新4K8K衛星放送対応BS・110°CSアンテナセット / BC45RL-SET

●受信周波数:11.7~12.75GHz

●受信偏波:右左旋円偏波

●アンテナ利得(dB):33.8(BS実力値)、34.2(CS実力値)

●出力周波数:1032~3224MHz

●外観寸法(mm):560(H)×460(W)×486(D)(マスト径50mmのとき)

●重量(kg):約1.7

●適合マスト径(mm):25~50

●セット内容:①アンテナ本体 ②サイドベース(フェンス、壁面兼用取付金具) ③4C同軸ケーブル15m(両端にF型コネクター、片側に防水キャップ付き) ④結束バンド(ケーブル固定用)2本 ⑤スパナ ⑥ケーブルステップル 5個

提供元:マスプロ電工株式会社

https://www.maspro.co.jp/

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