2022年01月04日
by DCM 編集部 |
公開:2022.01.04 05:00 更新:2022.01.05 14:31
チューリップといえば日本でも春の花を代表するようなとてもメジャーな植物ですよね。小学生の頃に学校で育てたというかたも大勢いらっしゃるかと思います。そんなチューリップを大人になってから、また育てたいなぁと思ったことはありませんか。
しかし、土や鉢などが必要になるし、初心者にはなかなか手が出しにくいですよね。そんなかたには、水耕栽培で育てるチューリップがおすすめです。水耕栽培なら土を用意する必要はありませんし、容器もさまざまなものが選べます。
この記事はチューリップを水耕栽培で育てる際の球根の選び方や具体的なステップ、よくある質問についても解説しています。チューリップを手軽に育ててみたいというかたは、ぜひ参考にしてください。
チューリップは水耕栽培でも花を咲かせることができます。むしろ、水耕栽培のほうが失敗しにくいかもしれません。
チューリップは多湿を嫌う植物です。そのため土植えで育てると水やりで失敗したり、温度管理がなかなか上手くいかなかったりということもあります。
ですが水耕栽培なら水やりの頻度に迷う必要もありません。室内で育てる場合もきちんと春化処理をおこなえば高い確率で開花させることができます。ここではチューリップの球根を選ぶ際のポイントや春化処理の方法、おすすめの球根の種類などを解説しています。
まずはホームセンターや花屋などでチューリップの球根を購入しましょう。特別な種類の球根を入手する必要はありません。1個100円以下で売られているような、よくある品種でも選び方に気をつければしっかり育ちます。
購入する際はそれが健康な球根かどうか、よくチェックするようにしてください。もちろん球根の表面にカビや病斑があるようなものはチューリップが病気にかかっている可能性が高いのでおすすめできません。
手に持ったときにブヨブヨとした柔らかい触感があるのも避けたほうがよいでしょう。球根を選ぶ際は指で軽く押してみて、へこまないものを選んでください。その中でもよく太っていて重たい球根を選べば、栽培に失敗するリスクを減らすことができます。
また、水耕栽培でチューリップを育てるのなら、草丈が低い矮性種のものを選ぶと開花したときにバランスがよく見えるのでおすすめです。
チューリップの球根自体は9月の中旬くらいから販売されていますが、20度以上の温度に当たると腐りやすいという性質があります。そのためチューリップの球根を購入するのは十分涼しくなってからにしたほうがよいでしょう。
水耕栽培を始めるのなら10~11月頃の時期が適しています。
チューリップを水耕栽培で育てる場合、球根の下準備が重要となります。購入した球根は封筒や紙袋などに入れてから封をして、しばらく冷蔵庫で寝かせてあげてください。これを球根の春化処理といいます。
春に開花する球根は冬のような環境を経ないと花芽をつけられないという性質があります。土栽培ならそのまま屋外に植えれば花を咲かせますが、暖かい室内でチューリップを育てる場合には球根に冬の環境を体験させる必要があるのです。
とはいえ、春化処理はただ冷蔵庫で寝かせておくだけで完了するので、さほど難しいことではありません。春化処理をおこなうことによってチューリップの球根に越冬して春が来たんだと錯覚させることができます。
ただし冷蔵庫の中でも霜や氷のつくような場所に置いておくのは避けてください。球根を冷蔵庫に入れておく期間は2ヶ月ほどが目安となります。
春化処理はチューリップを開花させるために必要な作業です。しかしチューリップの水耕栽培を始めようと思っても、すでに春化処理をおこなう時間がなくなってしまったということもあるでしょう。
そんなときにおすすめなのが冷蔵チューリップやアイスチューリップの球根です。これらの球根は春化処理を済ませてから販売されています。そのため水耕栽培でも春化処理をせずにチューリップを開花させることが可能です。
もう処理をおこなう時間がないというかたはホームセンターや花屋さんなどで冷蔵チューリップやアイスチューリップの球根を探してみてください。
球根の下準備が終わったらいよいよ水耕栽培の始まりです。ここではチューリップを水耕栽培で育てる際の具体的なステップを解説します。
球根の春化処理が終わったら、水耕栽培の容器に入れる前に表皮をむいてあげましょう。表面の茶色い皮をむくと、中から白い部分が出てきます。球根の表皮は水に触れるとフニャフニャになってしまい、そのまま水につけるとカビが発生する原因になります。
表皮が簡単にむけるようであれば、なるべく取り除いておいてください。表皮にカビがつくことはよくありますが、中の白い部分までカビが発生していなければ特に問題ありません。
球根の準備ができたら水耕栽培を開始しましょう。まず球根の底に水が触れるくらいの位置にセットします。そして芽と根が出るまでは寒く暗い場所で管理します。
球根は元々暗い土の中で越冬するので、水耕栽培の場合でもなるべくそれに近い環境で育てるほうが順応しやすいのです。
霜や水が凍らない程度の温度で、日光が当たらないような場所を探してみてください。容器ごと冷蔵庫に入れてしまうのもよいですね。
水耕栽培では液体肥料や発根促進剤を使うこともありますが、チューリップの場合は特に必要ありません。
そのうち1ヶ月ほどで芽が出てきます。そうしたらチューリップを直射日光の当たらないような日向の場所へ移してあげてください。こうすることによって球根は春がやってきたのだと錯覚するのです。
ただし暖房の効きすぎた部屋だとカビが発生しやすくなるので、なるべく風通しのよい場所を確保しましょう。芽が出始めると根っこの部分もどんどん伸びてきます。そのため根っこの成長に合わせて水の量を調節してください。
水位は根っこの先が水に触れる程度の高さで構いません。植物は根の部分でも呼吸をしているので、全部水につけてしまうと窒息してしまいます。こうなると根腐れを起こしてしまうので注意が必要です。
暖かい部屋に移すと今までより水が大幅に減るようになります。このとき水は継ぎ足さないで、全て捨ててから新鮮な水と入れ替えます。水換えをおこなう際はその都度容器も綺麗に洗い、清潔な状態を保てるようにしましょう。
芽が出てからは毎日水換えをおこなってください。1ヶ月ほどきちんと管理をおこなっていれば、チューリップもやがて綺麗な花を咲かせることでしょう。
ここからはチューリップの水耕栽培でよくあるQ&Aに答えていきます。もしも芽が出ないときはどうすればよいのでしょうか。花が咲き終わったらどうすればよいのでしょうか。一緒に具体的な方法を見ていきましょう。
球根を水につけていても、なかなか芽が出ないということもあるかもしれません。そういった場合、芽が出ない理由として二つの要因があります。一つは水が腐っている、もう一つは春化処理が十分でなかったという可能性です。
まず水が腐っている場合は、すぐに水を入れ替えてあげてください。容器も洗って清潔な状態に戻し、球根もぬめりがあるようなら洗い落としてあげましょう。
そして春化処理が十分でなかった場合も、なかなか芽が出ないという状況に陥りがちです。そんなときはなるべく球根を暗い場所に置いておくようにしましょう。春化処理が十分でなくても芽が出てくる可能性があります。
花が終わって萎れてしまったら、すぐにカットして取り除きましょう。こうすることによってまだ咲いている花に栄養を集中させることができます。
また水耕栽培の場合は土植えと違って、新しい球根ができることはありません。なぜなら水耕栽培だと開花するときに球根の栄養を全て消費してしまうので、花が咲き終わった時点で球根は使い切りとなるのです。
ただ開花した後の球根でも根と葉がついたまま土に植えていれば、数年後にまた花を咲かせることもあります。そのまま土に還ってしまう場合がほとんどですが、もし植える場所があるようなら試してみてもよいでしょう。
土栽培の場合はチューリップが土の中で根や芽を出す様子は観察できませんが、水耕栽培だとそういった変化も毎日チェックして楽しむことができます。
チューリップの水耕栽培はそこまで難しいわけではありません。今回の記事でご紹介したように慎重に球根を選んで下準備をおこなえば、初心者でも簡単に花を咲かせることができます。
気になったかたは、ぜひチューリップの球根や水耕栽培に必要な道具を探しに、ホームセンターなどに足を運んでみてください。
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