2021年02月18日
by DCM株式会社 |
公開:2021.02.18 15:10 更新:2021.10.04 16:23
2018.01.31
家事のアレコレ、健康、安全など暮らしの悩みは尽きないもの。そんなお悩みの解決法を、住生活ジャーナリストの藤原千秋さんにお聞きしました。
「出先の空調が効き過ぎていたのか、買ったばかりのセーターが脇汗でビッショリ。これってやっぱりすぐ洗濯すべきでしょうか?」
「気をつけて手洗いしたのだけど、なんだか風合いが変わって伸びちゃった」、「家族が間違って普通の洗剤で洗濯機で洗ってしまったセーター、子どもサイズくらいに縮んじゃった」、などなど、ちょこちょこトラブルを耳にすることが多い、「セーターの洗濯」問題。
洗濯に失敗するのは嫌なものですが、寒い季節の衣類として「セーター」の存在は偉大。実際のところ温かいですから、これをいっさい着ずに冬越えするというのもちょっと味気ないし、防寒上あまり現実的でもありませんよね。
この「セーターの洗濯」に絡んで問題をややこしくしているのが、「ニット」と総称される衣類との混同です。「セーター=ニット」ではありますが、「ニット=セーター」ではありません。「ニット」とは、1本の糸をループ状にして、そのループを絡ませながらつないでいくことによって、1枚の生地を構成したものを指していて、要はニットのセーターもありますがシャツやスカートもあります。一方「セーター」とは、ウール、その他の糸で編まれた、かぶり式のプルオーバーの総称のことで、「ニット」に比べればかなり狭い枠のなかにあるものといえるでしょう。
「セーター」の洗濯や、その頻度といった適切なケア方法を考える場合、2つの視点からの判断が必要になります。その一つが、その「セーター」の材質は何かということです。
基本的に「セーター」は防寒目的の衣類であり、その素材も保温性の高い「毛(羊毛、カシミア、アンゴラなど)」がメインで、その他「アクリル」、「綿」、「麻」、「シルキー長繊維(トリアセテートなど)」などの天然繊維、化学繊維といったものになっています。自分が着ている「セーター」の素材は何なのか、正確に把握するにはそのセーターが工業製品であるなら洗濯絵表示のタグに記載されているので、素材及び推奨洗濯方法を確認しておきましょう。
次にその「セーター」についてしまったと思しき「汚れ」は何かということを考え、ケア方法を判断することになります。「脇部分が汗でビッショリ」になってしまったのであれば、その汚れは「汗」ですね。
若干の皮脂が混じっているとはいえ「汗」の主成分は水分ですので、「水洗い」の可能な洗濯絵表示がなされているのであれば、たらいや洗面台などに30度以下のぬるま湯を溜め、ニットやシルク専用の洗剤を適宜溶かして軽く押し洗う、というオーソドックスな手洗い法が可能になります。洗濯機洗いもできる製品であれば、洗濯ネットに入れて「おしゃれ着モード」などで洗うこともできます。
下着の上に直接着ていたなど、脇汗でビッショリになってしまったそのセーターが肌に近い位置で汚れたもので、かつ家庭での洗濯が可能な製品であるならば、放っておかず速やかに洗ってしまった方が次回も気持ちよく着られることでしょう。
とはいえ、すべての「セーター」が家庭での水洗いに適しているわけではありません。しかし一回一回ドライクリーニングに出すというのも経済的ではありませんし、放置したことで脇汗型のシミを作ってしまっては後の祭りです。
そんなときには、とりあえずクリーニングまでの「つなぎ」のケアを講じておくという方法があります。その一つが、「拭き洗い」というものです。
清潔なタオルに、水で薄めたニットやシルク専用の中性洗濯洗剤を染み込ませ、汚れていると思われる脇下や襟もと、手首部分などを優しく拭き取ります。その後、水で濡らしたタオルですすぎ拭き、風通しの良いところでしっかり乾かします。
目に見える汚れではない、焼肉の臭いなどがついてしまったセーターは、入浴後の湯気の残る浴室内に、ふんわり干しておくと臭いが飛ぶので試してみてください。
「セーター」に限らず、衣類は皮膚に直接接するものほど皮脂や汗など体液由来の汚れが増え、外気に接する面が大きいほど食べこぼしなどの直接的な汚れのほか、空気由来の汚れ(花粉、ホコリ、泥砂、タバコの煙など)が付着しやすくなります。
その衣類の洗濯のしやすさに合わせて、その衣類の着方を考える、ということも、少しだけ意識にとどめておいてくださいね。
ハード毛とソフト毛のダブル植毛なのでソフトな衣類にも使える優れもの。必要以上に毛を取らないのでニットの風合いを保ちます。クリーニング屋さんも使っている毛玉取り。毛玉取りブラシ×1、専用ブラシクリーナー×1。
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「本当はあまり毛玉ができるようなセーターは買いたくないのですが、こればっかりは着てみないとちょっとわからないところがあり、毛玉とりには忸怩たる思いで取り組むことが多いのです。とはいえ力任せにやりすぎるとますますセーターが傷んでしまう二律背反。セーターに限らずニット類は毛玉ができると途端にみすぼらしく見えてしまうので、毛玉をすくい取るように確実に採れるこういったブラシでお手入れできると、とても気持ちがいいですね。また着よう、という気持ちになれます。」
配列の工夫で開くときにピンチが絡みにくいハンガー。サイズ:約幅740x奥行400mm。ピンチ数:52個。
<プロフィール紹介>
藤原千秋
大手住宅メーカー勤務を経て、主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆。現在は企画、広告、商品開発アドバイザーなど多様な業務に携わる。TV「マツコの知らない世界」に1000個の掃除グッズを試した主婦として出演も。著・監修書に『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』など。
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