2020年11月17日
by 貝印株式会社 |
公開:2020.11.17 00:00 更新:2021.10.04 16:23
ふだん何気なく手にしているツメキリはどのようにして作られているのでしょうか。ここでは、貝印の工場で製造されているテコ型ツメキリの製造工程を見ながら、ツメキリがどのようにして出来上がっていくのか、ご説明します。
■プレス
ツメキリの原材料となる鋼材は、最初はコイル状に巻かれています。
コイル状に巻かれた鋼材は機械によって巻き出され、プレス機へと流れていきます。
プレス機のなかでは穴を開けたり、マークを刻印したり、刃先を曲げるなど6〜7工程を経ています。
プレス機に入る前は真っ直ぐの板状だったものが、ツメキリの上刃と下刃の形となってプレス機から出てきます。
■溶接
上刃と下刃を、それぞれ刃が向き合うようにして溶接します。
ここで行われる溶接はスポット溶接と呼ばれています。
接合面を強く押し付けて、圧力をかけると同時に電極から電気を流す方法です。
電気が流れることで発熱し、鋼材の表面が溶け出して溶接されます。
これは、自動車のボディを溶接する際などにも用いられている技術です。
■熱処理
上刃と下刃が溶接されたツメキリを加熱炉で約1000度に加熱した後、水温で冷やしていきます。
鋼材は、熱した後に急激に冷やすと中の組織が変化して硬度が増す性質があります。それを活かすための工程です。
その後、再び約180度に熱します。
なお、スポット溶接をしたところについては高周波で加熱します。
ここはツメキリの開閉に重要なバネの役割のある場所なので、他の部分と同じように硬くするのではなく、部分的に加熱することで柔らかくしているのです。
高周波で加熱していることから「高周波焼戻し」と呼ばれています。
■ショットブラスト
表面をきれいに仕上げるための工程です。
細かいガラスの小さな粉であるガラスビーズを空気の力によって高速に打ち当てます。
こうすることで、刃体全体を均一にツヤ消しの状態にしていきます。
■刃付け
ツメキリの先端部分に刃を付けます。
砥粒の付いたベルトにツメキリの先端部分を当てることで、鋭い刃が付いていきます。
ここでツメキリは初めて切れる状態となります。
刃の付いた先端部分に付着した削りカスなどの汚れを取り除き、乾燥させます。
■刃広げ・仕組み・検査
ツメキリは、実はよく見てみると上刃と下刃がほんの少しだけズレています。
これは、硬度の高い刃同士が常に当たると刃先の摩耗が早くなり、変形してしまうので、それを防ぐためのものです。
このズレは「かぶり」といい、「刃広げ」という工程で調整します。
「かぶり」は広すぎると切れ味が悪くなってしまうので、繊細な調整が必要となります。
「かぶり」を付けた刃体は、テコやビスなどの部品を組み付けて、ひとつのツメキリとして完成します。
最後に、実際に試験紙を切って切れ味のテストをします。
■包装
切れ味のテストに合格したツメキリは、最後の仕上げとして爪の飛散を防止するためのプラスチックケースが取り付けられた後、包装されます。
提供元:貝印株式会社
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