2021年11月29日
by DCM 編集部 |
公開:2021.11.29 06:00 更新:2022.01.05 08:51
多肉植物は、育てるのが簡単で、見た目もユニークなので観葉植物として人気です。サボテンというイメージの強い多肉植物ですが、実は多くの種類があるのをご存じですか。
アロエやハオルチアなどをはじめ、多肉植物の数は原種で1万種以上、さらに配合種まで入れると2万種以上もあります。
図鑑にもユニークで個性的なものが多く掲載されているため、見ていてワクワクするかたも多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、多肉植物のタイプや人気のおすすめの品種を紹介します。
多肉植物は、生育する季節によって3つのタイプに分けられます。春と秋に生育する「春秋型」、夏に生育する「夏型」、冬に生育する「冬型」です。
それぞれのタイプによって育て方や管理方法が異なります。たとえば、夏型の多肉植物は、夏は水やりが必要ですが、冬はあまり水やりの必要がありません。
ここでは多肉植物のタイプについて、代表的な品種や栽培のポイントなども含めて解説します。
春と秋の暖かい時期に生育するのが「春秋型」。主な品種は、「ハオルチア」「エケベリア」「セダム」などがあります。
生育適温は10〜25度で、真夏になると生育が緩やかになり、冬場は休眠期です。水やりは、春秋の生育期は、土が乾いたタイミングで、鉢底から水があふれ出るくらい水を与えます。
蒸し暑い夏は基本的に断水し、強制的に休眠させ、夕方の涼しい時間に、葉水か半日で乾く程度の水を与えましょう。
冬の休眠期も基本的に断水します。水やりを控え、1か月に1回は葉水を与える程度にしましょう。
春秋型の多くは高温多湿に弱いため、水をあげすぎると根腐れを起こして、株を痛めてしまいます。
冬場の休眠期は、室内や温室で生育適温に合わせて管理します。その際に空調が直接当たらないように注意が必要です。また、窓辺は気温が低くなるため、昼間は日光に当てても、朝晩は別の場所に移動しましょう。
夏の暑い時期に生育するのが「夏型」です。有名な品種は「アロエ」「サンセベリア」「クラッスラ(夏型)」などがあります。
生育適温は20〜30度で、夏場が最も生育する時期で、前後の春と秋は緩やかに育ち、冬は休眠期です。
夏場の水やりは、夕方以降の涼しくなったタイミングで水やりをしましょう。春と秋は土が乾いたタイミングで鉢底から水があふれるぐらい水を与えます。
冬は基本的に断水ですが、月に1〜2回程度、暖かい日の昼間に水を与えます。
夏型の多肉植物は高温を好む一方で、湿気は嫌うため、風通しのよい場所に置くようにしましょう。日中の日当たりのよい場所に置くのがおすすめです。
しかし、直射日光が強すぎると葉焼けをしてしまうため、遮光ネットで適度に調整しましょう。冬場は、室内や温室で空調が当たらないように管理します。
冬の寒い時期に生育するのが「冬型」です。有名な品種は「アルギロデルマ」「アエオニウム」「リトープス」などがあります。
生育適温は5〜20度で春と秋は緩やかに育ち、夏が休眠期です。冬型といえば冬の寒さに強そうなイメージがありますが、霜が降りるほどの寒さに対応できる品種は多くありません。
水やりは、晴れた日の午前中がベストで、夏はほぼ断水で管理します。また基本的には日当たりのよい室内で保管するのがおすすめです。
しかし、冬型の多肉植物は種類によって、手入れの頻度や管理方法が異なる点に注意しましょう。
種類が多い多肉植物の中から、お気に入りの1つを選ぶのは大変です。ここでは、とくに人気の高い多肉植物の品種をピックアップして紹介します。
アロエやハオルチアなどよく知られているものから、あまり知られていない珍しい品種も紹介するので、多肉植物の購入を考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
多肉植物の中でも、かなりの知名度があるのがアロエです。食用としても知られています。アロエ属は春秋型で、原産地は南アフリカ。品種は世界で約500種類ほどあります。
代表的な品種は食用としても栽培される「キダチアロエ」、葉が大きくて肉厚な「アロエベラ」があります。鉢植えでよく見かけるのはキダチアロエです。
アロエ属は、房に多くの花をつけるのが特徴で、30段近くの多段構造で1段に15〜20個程度の花がつきます。赤い円すい状の花がきれいな多肉植物です。
エケベリア属は、メキシコや中米を原産地とする、春秋型の多肉植物です。サイズは5cmの小型なものから、40cm近くの大型種まで、さまざまな種類があります。
代表的な品種は「エケベリア・エレガンス」「エケベリア・ミニマ」です。
ロゼット型のきれいな花を咲かせます。
セダム属は春秋型の多肉植物で、原産地は北半球広い範囲に、数多く分布しています。
日本でも、野草として野山で見かけることもあるため、身近な多肉植物です。高温多湿が苦手で、日本の気候になじみやすい特徴があります。
赤くてぷっくりとした葉が特徴の「ニジノタマ」や鮮やかな緑の葉が特徴の「メキシコマンネングサ」が代表的な品種です。
クラッスラ属は夏型・冬型の多肉植物で、原産地は南アフリカや熱帯アフリカです。原種は500種類以上。
大きさや形などさまざまな種類があり、ユニークで個性的な多肉植物が多いため、コレクションとして育てる人も数多くいます。
ひとつの茎に小さな花が集合して咲くのが特徴です。一攫千金や不老長寿などの花言葉があり、代表的な品種として、金のなる木として知られている「花月」やユニークな形の「玉椿」があります。
ハオルチア属は春秋型の多肉植物。葉がぷっくりとしているため、見た目はアロエに似ています。
ロゼット型に育つのが特徴で、成長してもあまり大きくならないため、手頃に楽しめる多肉植物です。また葉の形や色合いも多種多様で、コレクションとしても楽しめます。
代表的な品種は、「ハオルシア・オブツーサ」です。葉の先端が透き通っていて宝石のように見えることから「雫石」とも呼ばれます。
ユーフォルビア属は、夏型・春秋型の多肉植物で、アフリカ大陸や中東に多く分布しています。2,000種以上もある大きな属で、多肉植物でも500〜1,000種程度と種類も豊富です。
形や大きさもさまざまですが、株の形態によって、柱形・球形・低木状・コーデックス(塊茎)・蛸物(たこもの)の5種類に分類されます。
白い樹液は毒性があり、触れると皮膚が炎症を起こす場合があるため注意が必要です。
代表的な品種には、ドラゴンボールという流通名がついている「ユーフォルビア」や「花キリン」などがあります。
アガベ属は、夏型の多肉植物で、南アフリカやメキシコなどに300種以上が分布しています。葉の先端に、鋭いトゲがあるのが特徴です。
葉の先にある班が独特で、トゲや班を楽しむ愛好家も多くいます。開花まで時間がかかるのも特徴です。
アガベ属の多肉植物は、実用目的で栽培されることも多く、防犯用として栽培されたり、樹液がシロップやテキーラの原料として利用されたりします。
代表的なのは「リュウゼツラン」「吉祥冠」「氷山」などです。
セネシオ属は春秋型・夏型・冬型とすべてのタイプがある多肉植物で、アフリカやメキシコが原産地です。
世界中の大陸に分布しており、1,500〜2,000種類以上もあります。代表的な品種は「グリーンネックレス」や「銀月」です。
銀月は白い毛に覆われた、美しい見た目をしており、市場にもよく出回っています。
カランコエ属は、夏型の多肉植物で、南アフリカやマダガスカル島が原産地です。暑さに強く、20〜35度でも元気に育ちます。
そして冬に弱く、0度を下回る場所に置くとすぐに枯れてしまうため、育てるのが難しい多肉植物の1つです。
ロゼット状の形が多く、ウサギの耳のような形をした「月兎耳」や葉から葉が出る「子宝草」が代表的な品種です。
コノフィツム属は、南部アフリカやナミビアを原産地とする、冬型の多肉植物で、大きな特徴は2枚の厚い葉です。
赤や黄色など色とりどりの花を咲かせます。透明感のある葉っぱが特徴の「コノフィツム・ラツム」や葉がぷっくりとしている「コノフィツム・ブルゲリ」などが代表品種です。
リトープス属は、冬型の多肉植物で、南部アフリカが原産地です。コノフィツム属と同様に2枚の葉が特徴。
色や模様がさまざまで、葉のてっぺんには光を取り込む窓があります。また、植物には珍しく、脱皮をするのも特徴です。
石のような見た目からリビングストーンズという英名もついています。石のような斑点をしている「日輪玉」や「寿麗玉」が代表的な品種です。
コチレドン属は、春秋型の多肉植物で、原産地は南アフリカ。大きくても50cm以下と小型で、すっきりとした見た目が印象的な品種です。
白い粉や光沢、ふわふわした毛のある種類が多いため、栽培する際は雨ざらしにならないように注意しましょう。
代表的な品種には、クローバーのような見た目の「銀波錦」や、ぷっくりした葉が特徴の「だるま福娘」などがあります。
ガステリア属は春秋型の多肉植物で、南アフリカが原産地です。ヘラのような平べったい形をしています。
交配種がたくさん生まれていて、色や形が地味なものが多いですが、斑入り種は華美な見た目から愛好家に好まれています。
代表的な品種は「臥牛」や「子宝」です。
パキフィツム属は、春秋型の多肉植物です。原種は20種類しかなく、市場でもあまり出回っていません。
白い粉をまとい、ぷっくりとした見た目が特徴です。一年に数枚しか葉を出さないため、成長がかなり遅めです。
「星美人」や「桃美人」などが代表的な品種で、ルックスの美しさから、人気があります。
アエオニウム属は冬型の多肉植物で、カナリア諸島やマデイラ諸島が原産地です。高温多湿が苦手ですが、極端に冷える、冬の寒さにも強くありません。
季節によって葉色の移り変わりが楽しめる多肉植物で、「夕映え」や葉の周りがピンク色の「サンバースト」などが代表的な品種です。
コーデックスは色々な科にまたがる多肉植物です。世界各地の乾燥地帯が原産地で、春秋型・夏型・冬型と、それぞれの生育タイプがあります。
水をたっぷり含んで、茎や根が太るため「根塊植物」ともいわれ、愛好家たちは、根塊の部分を「イモ」と呼んでいます。
名前のとおり、亀の甲羅のような模様がある「亀甲竜」や「スピノーサ」などが代表的な品種です。
センペルビウム属は春秋型の多肉植物で、モロッコやイランなどが原産地です。山脈地帯に自生しているため、耐寒性が高く、0度を下回っても枯れません。
一方で、花を咲かせると株が枯れてしまうという儚い面もあります。しかし、秋から冬にかけての紅葉の美しさから、人気のある品種です。
バラの花のような見た目が特徴的な「巻絹」や、「シルバーカノール」が代表的な品種です。
グラプトペタルム属は春秋型の多肉植物で、メキシコやアリゾナが原産地です。耐寒性が高く、雨ざらしのまま育つこともあります。
丈夫で枯れにくいため、初心者でも育てやすいのが特徴です。交配種の「グラプトセダム」や「グラプトベリア」は、バラのような形で人気があります。
肉厚があり、バラのような形をしている「朧月」や「ミリナエ」などが代表的な品種です。
ダドレア属は春秋型、冬型の多肉植物で、北アメリカが原産地です。乾燥した地域に生息していて、あまり多くの種類が確認されていません。希少性が高い多肉植物です。
日本でもあまり市場に出回らないため、価格も高く、代表種の「ブリトニー」は、1株3,000円以上で取り引きされることもあります。白いバラのような見た目の「ファリノサ」も代表的な品種です。
スタペリア属は春秋型、夏型の多肉植物で、東部アフリカや南部アフリカが原産地です。水を溜め込む性質があり、葉が退化して茎だけになってしまうことがあります。
しかし、葉の代わりに茎で光合成をする珍しい多肉植物です。葉の形も特徴的で、星形やヒトデのような形と斑点で、マニアの中では人気があります。
不気味な見た目の「牛角」や、サボテンのような「ディバリカータ」が代表的な品種です。
多肉植物のタイプや、おすすめの品種を紹介してきましたが、いかがでしたか。どの多肉植物も個性的で、単に鑑賞するだけはなく、コレクションする楽しみもあります。
乾燥帯で育つことの多い多肉植物なので、栽培はそれほど難しくありません。しかし、生育型、品種によって育て方が異なる点には、注意が必要です。いつ、どれぐらい水やりをすればいいのかなど、品種の特徴を事前に調べておきましょう。
多肉植物を選ぶ際は、自分の好みで選んで構いません。特徴的な形の品種を組み合わせて、オリジナルの寄せ植えにするという楽しみ方もおすすめです。
これだけ品種の多い多肉植物なら、きっとお気に入りの品種が見つかります。
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