2021年03月19日
by DCM株式会社 |
公開:2021.03.19 06:40 更新:2021.10.04 16:23
3月の春分の日と9月の秋分の日を「中日(ちゅうにち)」とし、その前後3日間づつを合わせた1週間を、それぞれ「春の彼岸」、「秋の彼岸」といいます。
お彼岸の由来、迎え方についておさらいしましょう。
彼岸というのは仏教の言葉。「仏の住む世界」を意味します。
仏教では、極楽浄土は西方にあると考えられており、太陽が真西に沈む春分の日と秋分の日前後は、先祖の住む極楽と現世が交流しやすいとされています。
ご先祖様の霊を供養し、お墓参りなどに行く現在の風習は、平安初期に始まったといわれています。
日本独自の先祖供養という習慣と、仏教の行事である「法会」が結びついたものとされています。お彼岸は体感的にも過ごしやすい気候の真ん中にあり、何事においても中央を重んじる仏教の「中道」の精神から、ここでお参りをするようになったという説もあります。
お彼岸の初日を「彼岸の入り」、最終日を「彼岸明け」といいます。
自宅に仏壇があるときは、彼岸の入りの前日に仏壇の掃除をすませ、新しい花を供えます。そして、故人の好物やあんでくるんだもちなどを供えて供養します。お彼岸の間は毎日、朝晩に灯明と線香をあげて仏壇に礼拝します。中日の前後にはお墓参りとして故人をしのびます。お彼岸は、極楽浄土への願いがもっとも通じやすいとされています。
日頃なかなかお墓参りに行けない人も、お彼岸を機会にお墓の掃除をし、お墓参りをしましょう。
特別な決まりごとはありませんがお墓参りの作法を覚えておきましょう。
持参するものは数珠、供花、供物、お線香、ロウソク、マッチ(ライター)の他、ほうき、たわし、手桶、ひしゃくなど。手桶やひしゃく、ほうきなどは貸してくれるところも多いようです。
お寺の住職や、霊園の場合は管理事務所などにごあいさつをし、お寺の場合はご本堂やご本尊にお参りします。
お墓の前ではまず合掌。それからお墓を清めます。
ほうきで周囲をはき、雑草をぬくなどして掃除した後、墓石に手桶からきれいな水を静かにかけて清めます。柔らかなスポンジを使い、傷をつけないように汚れを落としてもよいでしょう。水けはタオルなどでふき取ります。花立や香炉、水鉢もスポンジやたわしで磨き、水鉢にはきれいな水を入れましょう。
お供えするお花はお墓に残して帰るので、倒れないように短く切って花立に。
お菓子や果物などの食べ物のお供えは、半紙を二つ折りにしてのせます。
食べ物はお参りが終わったら持ち帰っていただきましょう。
ロウソクに火をつけて立て、束のお線香にロウソクの火を映し、先端だけが赤くともった状態にして線香台に立てます。お参りは故人に縁の深かった人から行います。
ひしゃくで墓石に水をかけ、墓石に正面に向かい合掌礼拝します。
しゃがみの体勢をとり、墓碑より体を低くしてもよいでしょう。日々の感謝の気持ちや近況報告を墓前に伝えます。
お線香は燃やし切ってから帰るのがマナーです。
春のお彼岸にお供えする「ぼたもち」と、秋のお彼岸のお供えである「おはぎ」はどちらも同じもの。ぼたもちは春の牡丹の花に、おはぎは秋の萩の花に見立ててこう呼ばれます。
自宅で作る場合は、春は牡丹の花のように大きく、秋は小ぶりに形を整えるのがならわしです。
雑節とは、季節の移り変わりをよりわかりやすくあらわしたもので、主に農作業に深くかかわっています。
雑節には、節分、お彼岸、社日、八十八夜、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日があります。
「伝統の作法と最新マナー 冠婚葬祭常識辞典」、「日本行事を楽しむ12ヶ月 くらしの歳時記」(ともに主婦の友社刊)より
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