2020年12月19日
by 貝印株式会社 |
公開:2020.12.19 20:40 更新:2021.10.04 16:23
食材の美味しさは、包丁の切れ味で決まる!
~味覚力の高い日本人には、旨味を引き出す包丁を~
トマトがきれいに切れずつぶれてしまう、鶏肉の皮が切りにくい、長ネギもつながってちゃんと切れていなかった…
それはあなたの料理の腕が悪いのではなく、包丁の切れ味が悪くなったサインです。
切れ味の落ちた包丁は調理作業のストレスになるだけではなく、実は食材の旨みを逃し、苦みや雑味が増加してしまうという驚きの結果が!
包丁の切れ味が、食材本来の味を損なう原因になっていたのです。
慶應義塾大学発ベンチャー企業AISSY株式会社が開発した味覚センサーを用い、新品の包丁と、砥がずに使い続けた包丁(1か月・2か月・4か月相当)の食材に与える影響について、共同調査しました。
鈴木隆一先生
(AISSY株式会社代表取締役社長/慶應義塾大学理工学部共同研究員)
これまで約3,000件の味覚調査をしてきましたが、包丁の切れ味でここまで味が異なるという結果には正直驚きました。調査に用いた味覚センサーは、ヒトの味覚を再現したものです。人間は味にすぐ慣れてしまうので、味覚の印象は素材を初めて口にした時にほぼ決まってしまいます。旨味が逃げずに残る切れ味の良い包丁の方が、素材の味そのものをはっきり認識し、旨味を味わうことができるというわけです。
ヒトが味覚を感じる“味蕾”に代わるセンサー部分で食品から電気信号を測定。独自のニューラルネットワーク(人工的な知能の実現)を通し、「甘味」「苦味」「塩味」「酸味」「旨味」の5つの基本味を数値データとして出力する。
切れ味が悪くなると、もちろん料理の見た目も変わります。毎日使い続けているとなかなか気づかないかもしれませんが、比較すれば一目瞭然。
サラダやお刺身など食材そのものを盛りつける料理をはじめ、お料理には見栄えも重要な要素のひとつ。
お手入れをして切れ味を保っている包丁なら、食材の美味しさがぐんと引き立ちます。
刃体の形はほとんど同じなのに価格帯の異なる包丁があるのは、主に鋼材の品質と加工精度の違いにあります。
包丁の刃体の品質は、4つの特性の総合評価といえます。
①切れ味の基礎となる「硬度」
②切れ味が持続する「耐摩耗性」
③折れたり刃こぼれしにくい「靱性」
④錆びにくい「耐食性」
しかし、これらの特性すべてを高い次元で実現するのは、鋼材の特性上、難しいため、ライフスタイルや用途によって、どの特性を重視するのかを決めていくことになります。一般的に、価格が高い包丁ほど、それぞれの特性の性能も高く、バランスも取れていると考えて良いでしょう。
特に、ステンレス鋼材の品質の違いをユーザーが実感しやすいのは、硬度と耐摩耗性です。硬度が高いとより鋭角に刃をつけることができ、鋭い切れ味の包丁となります。
さらに、研ぎ加工の精度もあげることができ、より理想的な刃形状を実現できるため、食材をカットするときの抵抗が少なく滑らかな切れ味となるのです。
また、耐摩耗性が高いと、その切れ味が長く続き、研ぎ直しの頻度を低くすることが可能です。
ただし、硬度が高いものほど、研ぎにくくなり、刃こぼれしやすいという一面もあります。そのため、あまりに硬すぎる鋼材を使用した包丁は、家庭では使いづらい(使い続けづらい)ともいえます。
硬度と相反する特性を持つのが、靭性です。包丁は構造上、横から加わる力に弱いため、衝撃が加わっても、しなやかに弾き返す「靭性」も重要です。そのため、硬度と靱性をバランスよく調整しているのが、使いやすい包丁の特徴です。
もちろん、高価格の包丁は、刃体の鋼材だけでなく、持ちやすい形状の柄や、汚れがたまりにくい一体型の口金デザインなど、細部にまでこだわっているものが多く、包丁の使いやすさを高めています。
提供元:貝印株式会社
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