2021年10月21日

初心者が冬キャンプを安全に過ごすための準備や最低限おさせておきたい注意点とは?

by DCM 編集部

公開:2021.10.21 00:00 更新:2021.12.28 11:50

冬キャンプには、寒いからこその魅力がたくさんあります。

「ほかのシーズンのキャンプは体験したことがあるけど、冬のキャンプはまだ…」

というかたも多いのではないでしょうか。

冬キャンプには防寒対策も必要だったり、冬ならではの注意点を知っておかなければなりません。

本記事では、安全かつより快適に冬キャンプを楽しむためには、どのような点に気をつけなければいけないかを対策と併せて紹介します。

冬キャンプに挑戦してみたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

冬キャンプの魅力

キャンプといえば夏にバーベキューといったイメージを持つ方も多いかもしれませんが、冬キャンプには寒いからこその魅力があり、最近では注目されています。

ここではほかのシーズンと比べて冬キャンプはどんな点がよいのか、冬ならではの魅力とは何かを紹介していきます。

冬キャンプに興味はありつつも悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。

焚き火

夏キャンプでの焚き火は、料理や食事のために行うことが多く、暑さもあるためゆっくりと焚き火を楽しむことはなかなかありません。

一方、冬は日が落ちるのも早く焚き火で暖をとるため、じっくりと焚き火と向き合えます。

寒いほうが焚き火の暖かさが身に染みるのはもちろん、薪が燃える音や香り・暖かさ・炎の揺らぎで五感が刺激され日常生活の疲れやストレスが癒されるのです。

また仲間同士で焚き火を囲めば、普段はしないような会話が生まれることも。

冬の焚き火は、寒いからこそ人が集まりゆったりと同じ時間を共有できます。炎の癒しと思いがけないコミュニケーションが冬の焚き火の醍醐味です。

下準備が楽しい

冬キャンプには防寒対策が必須です。夏と同じ装備で臨むと寒さで快適に過ごせないばかりか、楽しさも半減してしまうでしょう。

そのため、

「暖まる服装はどんなものがよいか?」

「暖房器具は何を持っていこう?」

とキャンプに行く前から準備する楽しさが多いことも冬キャンプの魅力のひとつです。

また夏に比べて食材も痛みにくいため、作れる料理のレパートリーも広がります。

キャンプといえばBBQのイメージがありますが、冬には冷えた体に染みわたる温かい食事メニューを考えるのも楽しい時間です。

キャンプ場に人が少ない

キャンプは過ごしやすい春・秋がベストシーズン、利用者の多い夏がハイシーズンといわれています。

冬は防寒対策も必要となり利用者が少なくなるため、オフシーズンとなります。そんな冬キャンプはオフシーズンだからこそのメリットも。

たとえば、夏には予約がすぐに埋まってしまう人気のキャンプ場も、比較的空いていることから予約が取りやくなります。

また、利用者が少ないことからキャンプ場が貸し切り状態なんてことも。

広々と静かなプライベートキャンプのような雰囲気で、鳥の声や風の音など大自然をダイレクトに感じるチャンスでもあります。

温かい料理が楽しめる

自然の中で食べる料理はキャンプの醍醐味のひとつですが、なかでも冬に食べる温かな料理は格別。

寒い中で温かな料理は身体を芯から温めてくれるため、全身に染みわたり自宅で食べるときより一段と美味しさがアップするのです。

また焚き火を使って鍋やシチューの調理をすれば、煮込んでいる間も焚き火を囲んで楽しい時間を過ごせます。

冬キャンプでよくある問題・注意点

冬は気温が低く空気が乾燥する季節です。普段の日常生活では暖かい格好をしたり保湿をしたりと対策をする方も多いでしょう。

しかし、冬キャンプの場合には思いがけない危険が潜んでいることもあります。

そのため、冬のキャンプでは事前に起こりうる危険を把握して対策しておきましょう。ここでは冬キャンプでよく見られる問題と注意点を紹介します。

火事の危険

冬は空気が乾燥しているため火の取り扱いには注意しましょう。

キャンプでは焚き火をしたり調理をしたりと火を使うシーンが多いため、火の粉が飛んでテントや枯れ葉に引火し、火事になるケースもあります。

そのため、テントや燃えやすいものの近くでは火を使わないように気をつけましょう。

また冬には暖房器具からの火災が起こる可能性もあります。薪ストーブはキャンプで使われる暖房器具のなかでも暖房効果が大きく人気なアイテムです。

しかし、正しく設置しないと煙突とテントの接地面から火災が起こることがあります。煙突ガードをつけたり、消火器を用意したりして火災防止の対策を行いましょう。

荷物が凍る

冬キャンプは気温が低く、雪が積もらない場所でも氷点下を下回ることは珍しくありません。

就寝時は安全のために暖房器具を消す方もいますが、その際にテント内の気温が著しく低下し氷点下になることがあります。

氷点下の夜が明けると、外に置いているものだけでなく、テント内の食べ物や飲み物が凍ってしまうこともしばしば…。

凍らせたくないものはクーラーボックスに入れておくことで凍ってしまうのを防げます。

冬は寒いためクーラーボックスは不要と思う方もいると思いますが、凍結対策に備えて用意しておくのがおすすめです。

テントが破ける

テントが破ける原因の多くは強風によるものです。冬は西高東低の冬型気圧配置とよく耳にするように、気圧の差が大きく強い風が発生しやすくなります。

そのため、夏と同じようにテントの設営をしていると、強風に煽られテントが破けてしまうということも。

テントは風を通しにくい生地でできているため、設営時にはなるべく低い位置で広げるといった工夫が必要です。

風が強くタープを張るのが難しい場合は、無理に張るのは避けましょう。また、木々が風を遮ってくれる林間サイトを選ぶというのも対策のひとつです。

テントのフレームが変形

冬キャンプの失敗談のなかには、雪によるものもみられます。雪中キャンプは冬にしか見られない雪景色が魅力ですが、雪を甘く見ていると思いがけない落とし穴も…。

たとえばテントに雪が積もると、その重みでテントのフレームが変形することがあります。そのため、雪が降りはじめたら昼夜問わずすぐに雪下ろしをしましょう。

また、常に積もる雪の量を確認して早めに対策するのがおすすめです。とくに就寝時には「気づかぬうちに予想以上に積もっていた」ということもあるため注意しましょう。

テントが雪に埋もれる

最初は粉雪程度でも、一晩すると積もった雪でテントが埋もれていることも。雪の重みでテントが破損したり、最悪の場合は倒壊したりしてしまうこともあります。

キャンプ場によってはテントの状況をスタッフが見回りしてくれる場合もありますが、就寝前には必ず雪下ろしをしておくようにしましょう。

また、雪に埋もれるとテントの隙間も雪で塞がれてしまいます。そのためストーブで暖をとる際には、しっかり換気口を確保して一酸化炭素中毒にならないよう注意しましょう。

一酸化炭素中毒

冬キャンプには暖房器具が欠かせません。キャンプによく使用される暖房器具には「石油ストーブ」「薪ストーブ」「ガスストーブ」があります。

なかには、調理ができるものもあるため、暖房器具といえども冬のキャンプを彩るアイテムのひとつです。

しかし、これらの器具を使用するときに気をつけなければいけないのが一酸化炭素中毒です。酸素が不足した中で燃料が燃えると一酸化炭素が発生します。

テント内で使用している場合には換気を十分に行わなければいけません。そのため冬キャンプは一酸化炭素中毒に注意しましょう。

水の確保

キャンプ場によっては水道が凍結して破裂しないよう、冬の時期は水道を使えないようにしているところもあります。

そのため、冬キャンプでは十分な水を確保しておくことが大切です。

市販のペットボトルやウォータータンクなどを使用して、ほかのシーズンより多めに水を用意しておきましょう。

また日中は水道が使えていても夜には凍結してしまい、キャンプ場のトイレやシャワー、炊事場などの水が使えなくなってしまうこともあります。

日中のうちにウォータータンクに水を汲んでおくと安心です。

寒すぎて寝られない

冬はしっかりと防寒対策をしないと、寒くて寝付けないことがあります。

対策として、服装は防寒インナーの上にフリースやインナーダウンジャケットなどを重ね着して温度調整ができるようにしましょう。

また、寒さに負けない寝床を作ることも大切です。就寝時の寒さは地面から伝わってくるため、底冷えしないよう一番下に厚めの銀マットを敷いて冷気を遮断しましょう。

寝る前はシュラフに湯たんぽを忍ばせておくことで、気持ちよく眠りにつけるためおすすめです。

暖房器具選びが大変

防寒対策のための暖房器具といっても種類はさまざまです。そのため、初めて冬キャンプに挑戦する場合には何を持っていったらよいか悩んでしまうでしょう。

また器具によって暖房効果や使い勝手、費用感も異なります。暖房器具選びに失敗しないためには、利用人数や使用場所に合った器具選びが大切です。

セラミックヒーターのように電気を使って暖めるタイプのものであれば一酸化炭素中毒の心配もないため、安全面から暖房器具を選ぶのもポイントになります。

冬キャンプを楽しむ工夫

気をつけなければいけない点も多い冬キャンプですが、ちょっとした工夫で楽しさが2倍にも3倍にもなります。

「挑戦してみたいけど防寒対策や事前準備も大変そうだな」と気後れしている方へ、冬キャンプを楽しむコツを紹介します。

キャンプに行った実際のシーンを思い浮かべながら参考にしてみてください。

冬のグランピングは格別

「冬のキャンプには興味があるけどハードルが高そう」という方にはグランピングから始めてみるのもおすすめです。

グランピングは少ない荷物で快適にキャンプを楽しめるのが魅力。そのため冬はテントの宿泊でも暖房設備が整っており、防寒対策のアイテムに悩む心配もありません。

キャンプ初心者や小さなお子様のいるファミリーキャンプでも安心です。また、冬キャンプの醍醐味である焚き火や星空を手間なく手軽に楽しむことができます。

施設によっては冬ならではのディナーメニューが用意されていたり、温泉や露天風呂が併設されていたりするところもあるため、施設を選ぶ楽しさもあります。

温かい料理を盛大に

寒い冬には、温かい料理をゆっくり時間と手間をかけて調理するのも楽しみ方のひとつです。

冬キャンプにぴったりの鍋料理をアレンジしてみたり、煮込み料理を作ったりするのもおすすめ。

また、冬キャンプには欠かせない焚き火と万能調理器のダッチオーブンを使って豪快な丸鳥のローストチキンを作ってみたり、ストーブを使って本格的なビーフシチューを作ったりと冬キャンプ飯のレパートリーは無限大です。

お昼頃から、じっくりとディナーの準備をするのもよいですね。

焚き火でリラックス

焚き火は炎の強さや色が変わったり、火のパチパチという音が不規則に鳴ったりしますが、この不規則なゆらぎが人に癒し効果を与えることが科学的にも証明されています。

人の呼吸や心拍と同じリズムのため、本能的に落ち着くのです。そんな焚き火を温かいコーヒーとともに眺めれば、リラックスして時間が過ごせるでしょう。

また仲間と焚き火を囲んで焼きマシュマロを食べながら、おしゃべりをしたりほっとひと息ついたりするのも冬ならではの楽しみです。

まとめ

冬キャンプはハードルが高いイメージがありますが、注意点を把握して事前に対策をすれば初心者でも楽しめます。

とくに冬キャンプにはほかのシーズンにはない魅力がたくさん。寒い中で食べる温かい料理や、焚き火を囲む時間など、非日常感が楽しめますよ。

しかし、油断をすると冬ならではのリスクに思わぬ事故が起きてしまうことも事実です。

本記事を参考に事前の対策をしっかりと行い、冬キャンプの魅力にぜひ触れてみてください。

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