2021年09月28日
by DCM株式会社 |
公開:2021.09.28 12:33 更新:2021.10.18 13:32
病害虫は季節や天候などによって、多くの異なる種類が発生します。高い防除効果を得るために、正しい知識を身に付けておきましょう。
人体にも有害な物質を含んだ薬剤はなるべく使いたくないものです。そのためにはまず、毎日のお手入れの時に植物をすみずみまで観察して病害虫の早期発見と予防に努めることが大切。観察と同時に、水やりの時には葉の表だけではなく裏にも水を掛けたり、葉を揺すったりして、虫が住みにくい環境をつくりましょう。また苗や株を購入したら、病害虫の有無を調べ、スプレー式の殺虫・殺菌剤などで予防しておくのも良いでしょう。枯れた葉や枝、花ガラは取り除いて、常に株元を清潔に保ち、風通しを良くしておくことも予防につながります。
家庭用の薬剤は目的別に、害虫を駆除するための殺虫剤と各種カビ・細菌が原因となって生じる病気の感染を防ぐための殺菌剤に分かれます。いずれも症状の見極めをしっかりと行った上で、適切な薬剤を使用することが大切です。また薬剤の多くは水と混合して散布液をつくるタイプで、乳剤・水和剤・水溶剤に分かれ、それぞれ次のような特徴があります。
びんに入った液状の農薬で、水で薄めて使います。薄める濃度が低いため、少しの量り違いが薬液の濃度に大きく影響するので、正確に量る必要があります。
水に溶けない有効成分を細かく砕いてあり、殺菌剤に多いタイプ。あらかじめ少量の水で練るようにしてから、徐々に水で薄めていきます。有効成分の割合がかなり高いので、絶対にそのままでは使わないこと。
薬剤の有効成分そのものが水に溶けやすい性質を持ったもの。有効成分の割合が高く、少しの量で薬液がつくれますが、それだけに濃度の調整には注意が必要です。
薬剤を混合する時は、展着剤(ダインなど)を必ず入れましょう。展着剤は薬剤を混ざりやすくし、薬剤が葉や害虫に付きやすくする効果があります。
注意:薬剤の中には、一部混合に適さないものもありますのでご注意ください。
症状
初夏や秋などに、葉や茎などに白い粉をまぶしたようにカビが生え、葉がねじれたり、小さくなります。
発生時期めやす
4~10月
対策と適応薬剤
チッ素肥料のやり過ぎに注意して、ベンレート・トップジンM・サプロールなどの殺菌剤を7日おきに2回散布します。
症状
若い茎や葉・つぼみ・花弁などのやわらかい組織が被害を受けやすく、病気にかかると初めは水がにじんだようになり、急速に広がって溶けるように腐ります。
発生時期めやす
4~5月
対策と適応薬剤
発病したらそのまま放置しないで、すぐにベンレート・トップジンMなどを1週間に2~3回散布して拡大を防ぎます。
症状
灰色カビ病に似ていますがカビは発生せず、罹病部にネズミのふんのような核菌をつくります。
発生時期めやす
開花時や多雨の時
対策と適応薬剤
罹病した花は集めて焼き、つぼみの時にベンレート・トップジンMなどを10日ごとに2~3回散布し、開花時は雨にあてないようにします。
症状
葉がすすのように真っ黒になり、見た目が悪くなります。直接植物に悪影響を及ぼす訳ではありませんが、呼吸作用が妨げられることがあります。
発生時期めやす
一年中
対策と適応薬剤
落ち葉は焼却し、石灰硫黄合剤を散布します。その後は風通しや日当たりを良くして管理します。吸汁性害虫が発生した場合は、スミチオン・オルトラン・マラソンなどを
症状
株全体が小さく萎縮したようになったり、花弁や葉の色が濃淡のまだら模様になったりする、ウイルスが原因の病気です。
発生時期めやす
4~10月
対策と適応薬剤
ほかの株に伝染する前に、株を抜いて焼却します。媒介となるアブラムシをスミチオン・マラソンなどで駆除します。
症状
病斑の色や形によってさまざまな名がありますが、いずれも葉に大小の病斑が斑点状に生じて、ひどい時には葉落ちします。
発生時期めやす
4~10月
対策と適応薬剤
病葉は早く摘みとり、葉に直接水を掛けないようにします。初期にダイセンなどを散布して広がるのを防ぎます。
症状
葉にへこんだ円形から不整形の病斑ができ、次第に大きくなってやがてくっきりとした輪紋をつくります。患部には黒い小斑点ができます。
発生時期めやす
梅雨や秋の長雨の時期
対策と適応薬剤
病気にかかったものは摘みとって焼き捨てます。ダイセンなどを10日おきに2~3回散布して広がるのを防ぎます。
加害の特徴
種類を選ばす、ほとんどの草花の若い茎や葉に付いて汁を吸い、生育を悪くします。
発生時期めやす
春・秋に多く発生
対策と適応薬剤
比較的薬剤に弱いので、早めに薬剤を散布します。オルトラン・スミチオン・マラソンなどを3~4日に1回連続して散布します。
加害の特徴
観葉植物や洋ランなどの鉢物、庭木類の枝や幹根などに定着して汁を吸い、生育を悪くします。
発生時期めやす
一年中(特に幼虫は5~8月)
対策と適応薬剤
樹木は厳寒期にマシン油乳剤を散布し、幼虫発生期にカルホスなど浸透性のある殺虫剤を使います。
加害の特徴
日没から這い出して、植物をかじって食害します。這ったあとの粘液が白く光っているのが特徴です。
発生時期めやす
3~11月
対策と適応薬剤
花壇などには石灰を施し、ナメクジ専用の誘引剤をまいて誘殺します。
加害の特徴
高温乾燥期に発生しやすく、葉裏に付いて汁を吸います。一般には体の色が赤橙色のアカダニと呼ばれる種類が多く、アブラムシより小さいので発見が遅れがちになってしまいます。
発生時期めやす
4~10月
対策と適応薬剤
夏の間時々葉水を掛けてやり、発生したらモレスタン・アカールなどの殺ダニ剤を散布します。
加害の特徴
ガや蝶の幼虫でやわらかい葉や花を食害します。
発生時期めやす
4~10月
対策と適応薬剤
目に付く幼虫は捕殺し、幼齢虫のうちにオルトラン・スミチオンなどを7~10日ごとに3~4回続けて散布します。
加害の特徴
極めて多くの種類がいますが、一般にはヨトウガの幼虫で、日中は浅い土の中や葉の裏に隠れていて、夜に茎や葉を食害します。
発生時期めやす
4~6月、9~10月
対策と適応薬剤
捕殺するほか、幼虫が小さいうちにスミチオン・オルトラン・カルホスなどを散布します。大きくなると薬剤に強くなるので注意しましょう。
規定量の水に乳剤を入れ、よく混ぜます。
少量の水に展着剤と水和剤をよくなじませてから、規定量の水を加えてよくかき混ぜます。
2種類以上の薬剤を混ぜて使用する場合、相性が悪く薬害や人体毒性が出たり、効果が落ちるものがあるので注意を。石灰硫黄剤とマシン油乳剤の組み合わせなどが代表的です。
●主な乳剤
マラソン・スミチオン・カルホスなどの殺虫剤
テデオンなどの殺ダニ剤、サプロールなどの殺菌剤
●主な水和剤
オルトランなどの殺虫剤
ダイセン・オーソサイド・ベンレート・トップジンMなどの殺菌剤
(展着剤が必要)
●主な水溶剤
パダンなど(展着剤が必要)
●粒剤について
ダイシストン・オルトラン・ダイアジノン・ベストガードなど有効成分が植物に直接吸収されて植物全体に効果が発揮できるものもあります。悪臭を放つものもあるので、室内で使用する際には気を付けましょう。
●油剤について
D-D・NCSなど土の中に入れると有効成分が揮発性のガスとなって、殺菌・殺虫・殺草の作用を現します。
薬剤散布は安全性がポイント。
特に薬剤に慣れていない初心者には、手軽に安心して使えるタイプをおすすめします。
薄める手間がかからず、手を汚さずに使えます。近距離からの散布も可能なノンガスタイプなので、初心者にも安心です。薬液量が限られているので、狭い範囲や少ない鉢数向きです。
ボタンを押すだけで手軽に使えるタイプ。近距離から散布すると冷害を起こすので、必ず30cm以上離して使います。また薬害を防ぐために、葉がびっしょりとぬれるほど噴射しないように注意しましょう。
株元にパラパラと均一にまくだけで2~3週間以上も効き目が持続し、予防薬として使えて便利です。根から吸収して効果が現れるため、草丈の低い植物には適していますが、庭木などには不向きです。
風のない、朝夕の涼しい時を選びます。また、雨の後すぐに散布すると予防効果が高まります。
常に風上から風下に向けて、自分に掛からないように注意しながら散布します。ベランダの鉢やプランターにはビニールをかぶせ、その中に散布するようにすれば、近隣に迷惑をかけることもありません。
簡単な散布の場合でも長袖シャツを着る程度の準備はしたいもの。時間がかかる場合や大きな木に散布する場合は、雨がっぱ・帽子・眼鏡・マスク・手袋・長靴を着用しましょう。
使った器具類はよく洗って十分水切りをします。身に着けた衣類や手・顔もよく洗っておきましょう。また薬剤が残った場合には、周囲の植物や株元の土表面に散布するか庭に穴を掘って土に流し込みます。絶対に、川や池、下水道などに流してはいけません。
A:さまざまな情報がありますが、中でも重要なのは薬害と安全の注意事項。人や環境にも影響を与えるだけに、使用前には必ず読みましょう。表示内容は頻繁に変更されるので、購入する都度確認を。
A:自生植物からつくられ、無毒が実証されている害虫忌避液などがありますが、基本的には植物を健全に育てることが、病害虫を寄せ付けない最も有効な対処法と言えます。特に次の5つのポイントは病害虫対策として有効ですので、日ごろの管理や環境づくりの中で心掛けてください。
①健全な苗や球根を求める。
②新しい清潔な土を用いる。
③植物の特性に合った場所で育てる。
④チッ素肥料をやり過ぎない。
⑤雑草や残り株を取り除く。
A:多くの病害虫は高温多湿の5~8月ごろ発生します。これは温度や湿度が発生しやすい条件に適しているからです。また、環境や管理の仕方によっても発生の程度が異なります。植物が健全に育っていなかったり、土壌が植物の特性に合っていなかったりすると発生が多くなりますから気を付けましょう。
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